散歩の千十三話 各地の辺境伯が集まり始めました
ということで、油断も隙もないようにするために、不安分子は今のうちに叩いて起きます。
「じゃあ、行ってくるね!」
「気をつけてね」
王城の玄関で、うちの馬に乗るシロを見送ります。
午前中は、安息日を除いて毎日王都内を巡回します。
しかし、うちのもう一頭の馬がシャーリーさんの護衛兼教会内の不審者の取り締まりをしています。
そこで、ガンドフ様のうちであるヴィクトリー男爵家から一頭馬を借りることになりました。
「ブルル?」
「ブ、ブルル……」
ほらほら、どこまでやれるのかとガンドフ様の家の馬を挑発しないの。
同乗するアオがガンドフ様の家の馬に色々教えるそうなので、どこまで覚えられるか期待しましょう。
ということで、巡回はこのメンバーで行います。
「フランも巡回に行きたいよー」
「駄目よ、フランちゃんはお勉強が優先よ」
「えー」
スーにたしなめられるフランも、最初に会った頃よりも体が大きくなっています。
とはいえ、まだまだ子どもなのだから勉強をしないといけません。
ジョディーさんは、そろそろシロとペアで動いてもいいかも。
でも、お姉ちゃんがいないとノア君が拗ねちゃうかな。
まだ微妙な年頃だもんね。
因みに、ジェフちゃんたちも悪者を倒すぞと張り切っていたけど、流石にまだ早いと思います。
でも、いつかは王族として王都内の巡回などをしないといけないから、色々と覚えて行きましょう。
そして、年末も近づいてきたので各領地から領主が集まってきました。
「昨年は、妻がだいぶ世話になったみたいだね。君たちに会えないのが寂しいと言っていたよ」
まず王都にやってきたのは、南の辺境伯様です。
ブローカー伯爵家の事件で、アリサ様にはとってもお世話になりました。
アリサ様は今回は王都に来ていないらしいので、また今度会った時に挨拶をしましょう。
「シュンが花見祭りの際に作った料理が好評でな、また作ってくれるのを楽しみにしているよ」
次に会ったのは、東の辺境伯様です。
今年は、帝国に行った際にかなりお世話になりました。
とはいえ、会った際の挨拶としてはどうかと思っちゃいました。
残念ながら、来年は聖教皇国に行くので花見祭りには参加できません。
でも、僕たちがいなくてもきっと盛り上がると思いますよ。




