散歩の千十一話 何とかスラム街での奉仕活動終了です
聖騎士団の方も、シャーリーさんの屋敷の警備強化に兵を派遣するそうです。
「ゲス枢機卿のやっていることは、まともに活動している教会聖職者の邪魔でしかない。スラム街などで積極的に奉仕活動をするシャーリーたちにとっては、殊更だ」
ヘーベル枢機卿にとっても、とにかく邪魔な存在だという。
同じ枢機卿なのに、こうもやっていることが違うとは。
「これから、奴が止まっているホテルなどを捜索しないとならない。どうせ奴のことだ、高級宿に泊まっているだろう」
ヘーベル枢機卿はため息混じりにそう言い、軍とともに捜査に向かいました。
王太子様も、これから王城に戻るそうです。
「今回は、王国からも厳重注意を聖教皇国に伝える。内政干渉は流石に見過ごすことはできない」
王国からも、複数の連絡先から聖教皇国に抗議するそうです。
更に、王国の教会からも抗議が行くので、聖教皇国にとっては大変なことになるでしょうね。
流石に自業自得なので同情はできないけど。
ではでは、奉仕活動再開です。
「おにぎりいっぱいありますよー!」
「美味しいよー!」
ジョディーさんとフランが、ワゴンに乗せたたくさんのおにぎりを配っています。
とっても香ばしくていい匂いに、人々の手もどんどんと伸びていきます。
大教会での奉仕活動でもおにぎりを配ったのもあり、パンがなくても全く問題なさそうです。
シュイン、ぴかー!
「治療したよ。元気になったかな?」
「おお、凄く元気になったよ。坊や、ありがとうね」
治療班もとっても張り切っていて、今もガード君のことをお婆さんが褒めていました。
シャーリーさんの魔力切れが心配だったけど、リアーナさんが側にいてくれたので何も問題は起きていません。
遊撃班も問題ないみたく、警備も強化されたので安心そのものです。
孤児なども状況を確認して次々に大教会付属の孤児院に送っていき、こうして何とか奉仕活動も終わりを迎えました。
「はい、今日はクレープだよ。いっぱいあるから順番に食べてね」
「「「わーい!」」」
奉仕活動の終わりには、頑張ったみんなにご褒美をあげます。
実際に一生懸命やっていたのは間違いないし、フランたちもクレープをとても喜んでいます。
「あ、あの。なんでこの場に本格的なクレープが出てくるんですか?」
「シュンさんとアオちゃんなら、どんな場所でも料理ができますわ」
「初めてシュンさんと薬草採取に行った時に、簡易的ながらフルコースが出てきましたよ」
目の前のクレープにかなり驚いているシャーリーさんのことを、スーとリアーナさんが説明していました。
でも、若干説明になっていない気もするけど。
何にせよ、奉仕活動自体は問題なく終了ですね。




