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【コミカライズ化】異世界のんびり散歩旅  作者: 藤なごみ


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散歩千六話 順調にいっていたはずの奉仕活動

 サッサッサッ。


「ふんふーん、フランが教会を綺麗にしちゃうよ!」


 フランたちは、気合を入れて教会周りを綺麗にしています。

 掃除をするのはとても良いことだし、僕たちがキチンと活動していますというアピールにもなります。

 現に、スラム街の人たちも元気よく掃除をしているフランたちを少し微笑ましく見ています。


 シュイン、ぴかー。


「お婆様、お加減はいかがですか?」

「いやあ、腰の痛みがすっかり良くなったよ。ありがとうね」


 治療班も順調に進んでいて、シャーリーさんも問題なく治療が出来ています。

 治療を受けに来た人たちにもにこやかに接しているし、今のところは問題なさそうです。

 スーも側にいるし、あちらも大丈夫ですね。


 シュイン、ストトトトン。


「し、シュン様は、相変わらず物凄い速さで料理をなさいますね……」


 そして、僕はというと身体能力強化魔法を全開にして料理をしていました。

 というのも、まさかのパン工房でトラブルがあり、パンが手に入らないという事態になったのです。

 なので、パンの代わりにおにぎりを作ることにしました。

 幸いにして材料はアイテムボックスの中に入っているので、ご飯を炊いておにぎりを作れば大丈夫です。


「ということで、スラム街近くに住んでいるものがたくさん押し寄せる可能性がある。まあ、このくらいならシュンなら楽勝だな」


 警備のついでに顔を出してくれたガンドフ様も、特に心配はしていません。

 シスターさんも手伝ってくれているし、パン工房にアオが向かったのでかまどが直る可能性もあります。

 追加でお米を持ってきてもらえれば十分だし、正直なところこの前の大教会で作ったおにぎりの量に比べれば大したことはありません。

 こうしてトラブルらしいこともなく順調に進んでいったのだけど、アオが戻ってきたタイミングで何だか怪しい雲行きとなりました。


「アオがね、パン工房のかまどが人為的に壊されたみたいだって言ったよ。お店の人は、ちゃんと戸締まりして帰ったって」

「ふむ、ということは普通に事件として取り扱ってよさそうだな。もしかしたら、奉仕活動を邪魔しようとしたものの犯行かもしれぬ」


 アオの話をシロが通訳したけど、ガンドフ様だけでなく僕たちも怪しいと思いました。

 直ぐにガンドフ様がパン工房に部下を向かわせたタイミングで、如何にも怪しい馬車が僕たちの前に止まったのです。

 うん、怪しい匂いがぷんぷんとするぞ。

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