散歩の千二話 ホルツ子爵家へ正式に処分が通達されます
シャーリーさんも一緒に行うスラム街での奉仕活動の前に、ホルツ子爵家への処分が確定しました。
僕も謁見に参加することになり、ついでにシャーリーさんを迎えに行くことになりました。
「皆さま、わざわざ我が家に寄って頂き申し訳ありません」
ホルツ子爵家の屋敷に着くと、シャーリーさんは自分の足で立って僕たちを出迎えてくれました。
かなり体調は戻ってきているようで、僕たちもかなり安心しました。
「じゃあ、フランが一緒に乗る!」
「ホルンも乗るんだよ」
「ヴィヴィも!」
シャーリーさんの馬車に、ちびっこたちが次々と乗り込みました。
前回はシロがシャーリーさんの馬車に乗り込んだので、楽しみにしていたみたいです。
僕たちも、馬車に乗り込んで王城に向かいます。
王城に到着したら、この前の応接室に移動します。
「随分と体調が良くなったわね。歩いている姿を見て安心したわ」
「あぶー」
「王太子妃様、ありがとうございます」
応接室には、マリアちゃんを連れた王太子妃様が僕たちを待っていてくれました。
マリアちゃんも大きくなっていて、シャーリーさんのことを興味深そうに見ていました。
「爵位の降格は免れないけど、既に多くの金品を押収しているからそれまで多額の罰金にはならないはずよ。あなたという有望な人材を失わないように配慮しているわ」
王太子妃様の話は事前に聞いていたけど、キチンと説明があるまで黙っていました。
王城で何かの役職を持っているわけではないので、役職停止などの処分はありません。
教会が色々と対応するはずなので、そちらにお任せします。
この前教皇猊下から聞いた話の通りだと思います。
「じゃあ、私はジェフたちの様子を見に行くわ。シロちゃん以外の子も、これから勉強だから私についてきてね」
「「「えー!」」」
フランたちは、この前の謁見と同じく参加するのだと思っていたみたいです。
でも、今回はガンドフ様なども謁見に参加するので十分に手が足りています。
勲章を持っているとはいえ、流石に今回は遠慮して貰います。
ガード君とレンちゃんは、貴族籍だから参加しても問題ないんだけどね。
予想が外れてしまい、フランたちはトボトボとしながら王太子妃様の後をついていきました。
「では、私たちもそろそろ動きましょう。シュンさん、宜しくお願いします」
スーは王族として参加する予定なので、僕たちとは別ルートで謁見の間に向かいます。
僕たちも立ち上がって、シャーリーさんと共に謁見の間に向かいました。




