散歩の千話 奉仕活動の状況
僕のオヤツというご褒美が出るのが決定したようなものなので、ちびっ子だけでなく貴族令嬢も張り切って奉仕活動を始めました。
シュイン、ストトトトトトトン。
「あ、相変わらずシュンさんの料理は凄まじいですね」
「二つ名持ちの冒険者ってのもありますね」
テルマさんとケーシーさんは僕の高速料理をよく知っているので、ちびっこたちのお世話をしながら僕を見て苦笑していました。
シスターさんや貴族令嬢も僕の高速料理に慣れてきたけど、何人かは目をまん丸にする程びっくりしていました。
そして、今日はあるものを作っています。
「焼けたかな? まだかな?」
シロたちが作っているのは焼きおにぎりです。
お米を箱に入れて押せばおにぎりが簡単にできるものを作り、手の空いた人におにぎりを作ってもらいます。
醤油を塗って香ばしく焼けば、食欲をそそる匂いも漂います。
パンも配るけど、今日はバリエーションも増やしてみました。
「ふむ、香ばしく焼けていて中々食欲をそそるのう」
「そうですな。これなら、料理が苦手な貴族令嬢でも簡単に手伝いができますのう」
あの、王妃様、教皇猊下……
試食だと言って、シロの焼いた焼きおにぎりをたくさん食べないで下さい。
しかも、テストの味噌焼きおにぎりも食べていますね。
そして、お偉い二人のゴーサインが出たので、テストの味噌焼きおにぎりまで作って配ることになりました。
ここは、手の空いている貴族令嬢に頑張って作ってもらいましょう。
「あっ、いたよ!」
「ブルル」
フランとノア君が馬に乗って遊撃班として活動していて、不審者を捕らえています。
コリーナちゃんも馬に乗って不審者を捕まえたいみたいだけど、流石にもう少し大きくなってからですよ。
「おにぎりどーぞ!」
「あら、ちっちゃいのにお手伝いかい? 偉いわね」
一番年少のレンちゃんも、おにぎりが入っているお皿を手にしてニコニコしながら配っていました。
小さいうちから、こういうお手伝い経験をするのは良いことですね。
「今日は、ジェフも他の子も頑張っておる。とても良いことじゃ」
「シスターも張り切っておりますぞ。良い経験を積めそうですな」
焼きおにぎりを食べ終えた王妃様、教皇猊下も、みんなの動きにとても満足していました。
お偉い二人が動かないってのも、今日の奉仕活動が順調って証拠ですね。




