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「ふむ。魔力の可視化か……それは難しいな。」
「えっ」
魔力の可視化が出来れば確かに分かりやすいかもしれないが、そんな魔法考えたこともなかった。
というか魔力持ちは大体潜在的に体内の魔力を感知出来るからな、作ったとしても要らぬ魔法だと言われてしまう。
「じゃが魔力だけを抽出することは出来る。」
「……というと?」
「今からワシが持つ魔力をミネルが保有する程度の魔力に薄める。それをミネルに当てるから、それと似たくさいものを感じ取ってみてくれ。」
「う、うん。分かった。」
了承も得たので早速ワシは自分の魔力を掌の上に少量集め、それをミネルが持つ魔力の程度まで薄める。もちろん、目には見えないが。
そしてそれをミネルの頬に向かってぽいと軽く投げる。まあ、投げても害はないからな。
「むむ……なんか当たった……」
「それが魔力じゃ。」
「ふぉぉおおお……どれだー……」
ミネルはまた目を閉じて自分の魔力を探し始めた。
「ぷはー……分かんないっ!」
魔力感知は初歩も初歩なのじゃが……ふむ、何が原因で感じ取れないか、もう少し話を聞く必要がある、か。
「ミネル、そもそも魔力は体内にどのように存在しているものだと思っている?」
「魔力は……血と同じように全身を巡っているものだと思って……」
「ふむ、何故そう思う?」
「え、だって前世のファンタジー小説……架空の物語だとそういうのが鉄板だったから……」
「ミネルの前世では魔力を血のように巡るものだと教えられ、それを実践して魔法を使っていたのか?」
「え、いや、前世生きていた世界では魔法なんて誰一人として使える人はいなくて、その代わりに科学が進歩した世界だったよ。」
「ふむふむ、成る程……」
ミネルが参考にしたのは前世の小説。それも架空の物語ときた。それならこの世界で通用しなくてもおかしくはないか。
成る程成る程、ミネルが何故魔力を感知出来ないか分かった。
「ミネル、その考えを一旦捨ててくれ。」
「え?」
ミネルはワシのその言葉に目を見開いて驚いた。




