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 次の日。早速家庭教師が我が家にやって来た。なーんか嫌味ったらしそうな顔しているのぅ……ああ、いかんいかん。見た目で判断してはいけないな。


「はじめまして。ヌンク・チャルズと申します。今日からレタア様の家庭教師の役目を仰せつかりました。よろしくお願いしますね?」

「よろしくお願いします、なのじゃ。」


 ……あ、今ワシが敬語使ったことに驚いているのじゃろう? ワシもちゃんと敬うべき場面というものは熟知しておるからの。


 それにこの口調を直せとお母様に言われたんじゃ。それが原因で人間関係に不都合があってはいけないじゃろうてな。えへん、レタアちゃん出来る子!


「……さて、まずは魔法についての勉強をしようと思います。レタア様は魔力が微力ながらあるようですので。」


 よし来た! ワシの大得意! ぐっと手を握って興奮を抑える。




 ……あ、しかし今は出来損ないを演じねばならないから、本領発揮してはいけないのじゃった。忘れておった。危ない危ない。感知阻害魔法が効いているのを確認する。よし、OK。


 一気に気分はだだ下がりする。


「魔法を実際使うのはまだ危ないですので、まずは座学から始めますね。」

「はーい……?」


 ふむ、座学とはなんじゃ? 魔法は何度も使ってこそじゃろうが。百聞は一見にしかずと誰かも言っておったぞ。


「ではまず最初に魔法についてですが、魔法を使う時に必要なのは何でしょう?」

「魔力!」

「それもそうですが、一番は呪文です。」


 呪文……? はて、それは何者だったか……?


 頭を捻るが、ワシの頭は呪文とやらを思い出すことはなかった。


「呪文を唱えることで体内の魔力が使われて、魔法という事象が起こるのです。これが魔法の仕組みです。」


 あれれー、ワシ、呪文なんて使ったこと……


「あ、」


 あったわ。前世、生まれて十数年程は使っておったわ。じゃがあまりにもめんどくさいからって無詠唱で魔法を使うようになって……今に至る。


 九百年以上も前のことじゃから覚えていないのも当たり前じゃな。うむ。


「どうかされましたか?」

「あ、いえ。呪文を唱えないで魔法は使えないのですか?」

「一応使えなくはないらしいのですが、使える人間など聞いたことありません。」


 あれー、ワシ、使えるのじゃが? どういうことじゃ?






 その後先生が教えてくれたのだが、この世界の魔法のレベルというのは三段階あり、



レベル一、呪文を唱えて魔法発動が出来る


レベル二、短縮させた呪文を唱えて魔法発動が出来る


レベル三、無詠唱で魔法発動が出来る



 らしいのじゃ。


 魔力がある人間のほとんどはレベル一らしく、稀に魔法の才能がある人間がレベル二を使えるらしい。


 ただ、短縮させた呪文は使うのにコツが必要らしく、また、習得するのが難しいため、ほとんどの人間はレベル二すら使えないらしい。




 へぇ……。じゃあ無詠唱(レベル三)で魔法を使えるワシは何者じゃ?

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