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数秒考えた後に出た返事といえば。
「はて、どこにじゃ?」
じゃった。
アルタは二言目にいきなり付き合えと言ったが……今の会話の中に場所など出てきていなかったし、どこか聞いてからでないと答えられんな。うむうむ。
「ぷぷぷ、どこにって……。もしかしてレタアちゃん、恋愛初心者?」
「恋愛……」
それは夢物語ではないのか? こてん、とワシが首を傾げると、アルタはニィッと笑みを深くする。はて、何故じゃ?
「ああ、いいね。何も知らない純粋そうな子をぶべしっ!」
「レタアさん、申し訳ありません。この愚弟が。」
気配を消しながら戻ってきたグリンが、アルタを背後から殴った。そのことでアルタは机の上におでこをゴチンとぶつけ、そのまま起き上がることはなかった。きっと痛みに耐えているのじゃろう。ぷるぷると体が震えているし。よし、怪我をしていたら後で治癒魔法使ってあげよう。
対してグリンは『やり切った』と言わんばかりの清々しい顔じゃった。
「愚弟……って、もしかして姉弟なのか!?」
「ええ、途轍もなく嫌ですが。」
本当に嫌そうな顔と声でそう言うグリン。
「へえ……。じゃが、仲が良さそうじゃな!」
「「どこがぁ!?」」
二人ともくわっと目を見開いてワシに詰め寄った。おお、その表情とか特に似てるぞ。
「嫌ですよ。こんなヘラヘラしたやつなんかと似ているだなんて。」
「そーだそーだ! 僕だって姉さんと似てるだなんて嫌だかんな!」
あーあー、言い合いが始まってしもうた。どうすればいいかのぅ……よし、めんどくさいから収まるまで黙って眺めていよう。
「……で、レタアさん。何か用があって戻ってきたんですよね?」
割とすぐ姉弟喧嘩は終わったようじゃった。いち早く戻ってきたグリンはワシに問う。
「ん? あ、ああ。そうじゃったそうじゃった。ビッグベアってそこら辺にうじゃうじゃいるもんかどうか聞きたくての。」
「いないですね。ビッグベアは意外と臆病な性格なので、森の中から出てくることはほぼないですよ。」
「ふむ? じゃあ昨日ワシが街の中で出会ったビッグベアは……あれはなんじゃ?」
ここは森の中というよりも街の中って感じじゃからの。人もわんさかいるし、臆病なのだとしたら昨日のベアは……?
「え!? 街の中にいたんですか!?」
「それヤバくね!?」
「うむ、オルコットが狙われていたところをワシがひゅっと殺ったんじゃよ。」
「な、なるほど……それは問題ですね。長にも言って街の警備を強化しなければならないかもしれませんね。」
「ふむ、確かに街の住人が怪我をしたりするのは駄目じゃからの。」
「はい。」
いくら治癒魔法があるとは言え、怪我をしたらその瞬間は痛いからの。痛い思いは少ない方が良い。
「あ、ならばワシも警備に参加するのは駄目か? で、ベアを狩ってお金儲けじゃ!」
これは良い考えじゃな! ウィンウィンってやつじゃ! 街の警備も強化されるし、ワシはお金を稼げる。
ベア一体でも三万ゴルド程稼げるのじゃからの、四体狩れば……約十二万ゴルド! ふぉぉ! がっぽりじゃ!
がっぽり、がっぽり、と手足をばたつかせて一人踊る。




