18
「さて、と……」
なんだかんだあったが、ちゃんと用事を済ませたのでギルドを出てきた。
次の用事は……と考えて、重大なやるべきことがあるとワシの体は訴え始めた。
……ワシのお腹が叫んでおるのじゃ。ほら、今も『ぐぎゅるるぅ~る』と鳴ったじゃろう? 早くご飯を食べてよー、と言わんばかりに。
お腹空いたし早く何か食べたいなあ、とお腹を摩る。
この時、質屋に行くというもう一つの用事のことなどワシの頭には無かった。ただひたすらお腹が空いた、しか考えていないのじゃった。
「さて何を食べようか……!」
夜はベア鍋にするとして、昼じゃ昼! うーん、しかしここら辺に何があるか分からないからどうするかな……。
まあ、テキトーに歩いてみるか! そう決めてぽてぽてと歩き出した。
くんくん、こっちから食べ物を焼いたようないい匂いがする。美味しいご飯を想像して涎を垂らしながらふらふらと匂いの元を辿れば、一軒のお店に着いた。
「食事処 ポロロン……か。」
外観はボロっちいが、匂いはとても良い。匂いが良いのならきっと美味しいじゃろう、と謎の確信を持って涎を拭きながらポロロンに入る。
「いらっしゃい!」
元気なおばさん店員がニッカリ笑顔でそう言う。おお、こちらまで元気を貰えそうな笑顔じゃな! ワシもニッコリ笑顔になったのじゃ!
「こんにちは!」
「おや? 見ない顔だね?」
「ああ、最近こっちに来たのじゃ。じゃからしばらくはここにいるつもりじゃよ。」
「おお、それはいいねぇ! っと……アタシはマドレンだよ。よろしく。」
「ワシはレタアじゃ! よろしくなのじゃ!」
マドレンとがっちり握手して、その後マドレンはワシを窓際の席に案内する。陽の光が適度に入って暖かそうじゃな。
「おお、良い席じゃな!」
「だろう? きっと気に入ってくれると思ったよ。で、これがメニューだよ。色々あるから存分に迷ってくれてもいいからね。」
「わあ、それは楽しみなのじゃ!」
マドレンからメニューを受け取り、パラ、とページを捲る。するとそこにはステーキ、ハンバーグなどなどのガッツリ系から、温野菜などのあっさり系もあった。ふむ、確かにこれは迷う。
「ぐぅぎゅるるる~るる」
お腹は『早く決めて早くお腹に食べ物を入れろ!』と騒ぐ。まあまあ落ち着き給え、お腹くん。悩んだ先に待っている料理はさぞ美味しいじゃろうからの。
「マドレン、じゃあ……」




