表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜  作者: 君影 ルナ
追い出されたよ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/206

6

 まずは宿屋に案内してもらい、チェックインする。随分安くなったしご飯も付くらしい。そう言っていたからの。


 これで衣食住の心配が無くなって安心じゃな。部屋のベッドにぽすんと座り、ふっと一息つく。


 うむ、人には優しくするべきなのだと理解した。




 さてさて、窓を見ればもう日が暮れてきたらしい。じゃからもう今日は動き回らずにじっとしておこうと思う。


 この宿屋で瓶を買い、その中に抜き取った熊の血を入れて鞄に入れておいたから、今今売りに行かなくてもいいじゃろうし。


 あ、そうじゃ! この収納魔法に重ね掛けしようじゃないか。この鞄に収納した物の時間経過を止める魔法を。そんな魔法あった気がする。


「……よし、オーケーじゃ。」


 ふっとその魔法を掛けると、時間が止まっているのが魔力の流れ的に分かった。


 これで熊の鮮度は落ちない。よしよし。高く売れたらどうしようか!


「レタアさーん!」

「む? どうしたオルコット。」


 助けた女の人の名前はオルコットだそう。ワシ(十五歳ということにしておいた)よりも一つ下らしい。じゃからワシのことをさん付けで呼ぶ。呼び捨てでいいと三度程言ったが断固拒否された。解せぬ。


「ご飯出来ましたよっ!」

「おおっ! 実に楽しみじゃ!」

「楽しみにしててください! では行きましょ!」

「うむ!」


 ちょうどお腹が空いていたところじゃったからの!


 るんるん気分でオルコットと共に食堂へ向かう。一歩一歩進む度に美味しそうな匂いがワシのお腹を刺激してくる。ぐぅ、とお腹も鳴った。


 じゅるり、この匂いはきっとお肉じゃな。うへへ、楽しみじゃ。








「うっぷ……」


 部屋に戻ってきたはいいが、もう空気すらお腹に入るのを拒否している。それくらいお腹がいっぱいじゃ。


 感謝の気持ちだなんだと色々な料理が出てきて、それを食べ続けた結果がこれじゃ。いや、全て美味しかったが。


 幻影魔法を使っているとは言え、実際のところ六歳児じゃからの。胃の大きさも見た目(十五歳)とは全く違う。そこを考慮するべきじゃった。


「さて、もう今日は誰とも会わんじゃろうから……」


 ふっと幻影魔法を解くと一気に目線が低くなる。服もだぼだぼに。


「ふむ、明日質屋に行くが、六歳児用の服は二、三着残すべきじゃな。寝巻き用に。」


 後はそれで浮いたお金でもう二、三着十五歳用の服も見繕わねば。


「後は……ギルドとかがあればそこに行って熊を買い取って貰わねばじゃな。」


 よし、明日の動き方は決まった。


「ふぁ……今日はもう寝るかの。」


 眠気には勝てんからのぅ……


 ぽふりとベッドに埋もれ、明かりを消す。明日も良い日になればいいと願いながら眠りについたのじゃった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ