表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜  作者: 君影 ルナ
幼児編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/206

12

「さて、そういうことで。最低限この呪文は覚えてくださいね?」

「うっ……はーい。」


 ユアはここまでやってくれたんじゃ。ちゃんとワシも頑張らないと……。パラパラと教科書を開くと先程見せてくれたライト魔法にも線が引かれていたようだ。


「ええと……さっきユアが使ってたライト魔法の呪文は……」


『我は己が魔力を使いライトを付け給う者なり。然れば光の精霊様の御力を我に貸し給え。生麦生米生卵。ぽん!』


「長っ!?」


 無理じゃ! 無理じゃ! (大事なことなので二回言う!)


「ライト魔法など(無詠唱で)ポンっと付ければ良かろう! 何故かのようなめんどくさい手順を踏まねばならぬのじゃ!」

「……へ? レタアお嬢様、どういうことですか?」

「あっ、」


 ユアのその声に我に返った。やっばいのじゃ。ここにユアがいることをすっかり忘れて叫んでしまった。


「レタアお嬢様……?」

「い、いいいい今のなし!」


「お嬢様? 私に何か隠していらっしゃるのでは? 私、レタアお嬢様にずっと仕える者としてお嬢様のことは何でも知っておきたいのですが……?」


 うわおぉぉぁぁあ! どうするどうする!? どう誤魔化せば良いのじゃ!?


 き、記憶を消す魔法……は無いし……逃げ出すのにちょうどいい魔法……も思いつかんのぅ……


 ダラダラと冷や汗が滝のように流れ落ちる。……よ、よし、ならばあの方法を……!


「………………てへぺろ?」


 両手を頬に当てて今の自分に出来る最高の笑顔をつけ、可愛子ぶりっ子を演出して話題を逸らし……


「そんな可愛い仕草をしても無駄です。あ、でももう一度それやってください。写真に収めますので。」


 さっとどこから取り出したか分からないがカメラを構えてこちらをじっと見つめるユア。


「もう一度やったらさっきの見逃しては……」

「それは無理ですね。ほら、もう一度、さんはい!」

「……てへぺろ(棒)。」


 今度は死んだ目になってしまったような気がするが、そんなことはどうでもいい。このピンチをどう切り抜けるか、が重要じゃ。


「うーん、死んだ目でもレタアお嬢様は可愛いんですね! さすが我が主!」

「あ、はは……」

「さて、教えて頂けませんか?」


「嫌なのじゃ! だってユアにはずっとそばにいて欲しいのじゃから!」

「聞いたら私がレタアお嬢様から離れる、ですか?」

「そうじゃ!」


 皆が皆ワシの魔法の才能に恐れおののき、皆が皆離れていった。ユアにそんな態度を取られたらワシ、ワシ……


 ああ、泣いてしまいそうじゃ。


「あり得ませんね。私の主はレタアお嬢様だけですから!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ