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千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜  作者: 君影 ルナ
魔法学校編

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124/206

3

 グルグルと普段使わない頭を酷使したからだろうか。今日のメインである魔力テストの会場である教会から遠く離れた場所まで来てしまったらしい。


 キョロキョロと辺りを見回すと、どうやらここは前世のワシもよく通った場所、研究棟らしいことが分かった。もしかしたらワシの無意識がここを求めていたのかもしれん。


「さて、ここから教会までは……相当離れてるな。歩いても走っても集合時間に間に合わん。」


 ワシが今日通った学園の入り口、正門から右手方向にあるのが教会、左手奥にあるのが研究棟。そして学園の敷地は全て合わせると相当広大。うむ、詰みじゃな。


「ふむ、それなら少しズルをしてしまおうか。」


 ワシの少ない脳みそに記録されていた記憶によると、教会の裏手には鬱蒼とした林があったはず。そこに転移すれば誰にも見つからない。


 一応姿を見られないように存在消し魔法を使って自分の姿を消してから、その後転移する。


 ふわりと一瞬の浮遊感も過ぎ去り、見える景色もガラリと変わる。おお、ビンゴ。鬱蒼とした林は昔と変わらず薄暗くてあまり気持ちのいい場所ではないな。


 目視で周りに人がいないのを確認すると、ワシは存在消し魔法を解く。


「さぁて、教会に着いたらミネルを探して~」


 と、浮かれていたのが悪かったのだろうか。まさかこの時木の影から誰かがワシを見ていただなんて。


 それに全く気付かず、ワシはルンルンと歩いて行ったのだった。





「ミネルぅ~、ここにいたんじゃな」

「そりゃあ、入学試験に来ないわけないもの。というか随分時間ギリギリに来たけど、レタアちゃん今までどこ行ってたの?」

「うむ、実はな……」


 兄に会ったこと、そのせいで色々考えていたこと、そうしたらいつの間にか研究棟にいたこと……


 それらを簡潔に伝える。すると『レタアちゃん……』と呆れ顔で、しかしそれ以上何も聞いて来なかった。そのことに少しだけ安堵し、話題を変えることにした。


「あ、そうじゃ。ミネルはこの試験、どうするんじゃ?」

「というと?」

「ワシは人に紛れるために、力を抑えることへ全力を注ぐつもりじゃからな。」


 化け物と呼ばれるよりは、出来損ないと言われた方がマシってもんじゃからな。そう思って聞いてみると、ミネルはハハ、と乾いた笑いを零す。


「うーん、私は魔力に対しては全力を出すことに決めてるかな。さすがにレベル二の呪文を習得中ってことは伏せておくけど。学園で学ぶ前にしては規格外すぎるからね。」


「そうか。もし魔力の認識を阻害したくなったらワシに言ってくれれば、いつでも掛けてやるぞ。」

「ふふ、そこまでお世話になるつもりはないよ。それに……」


(それに……もうレタアちゃんだけが化け物だと言われないようにしたいし)


 それに……の後、あまりにもミネルが小声で呟くから、このワシでさえも聞き取れなかった。





 聞き取れなかった言葉をミネルに聞き返そうとワシが口を開いた時、タイミングよく『静粛に!』と教師らしき人物の声が教会に響き、結局その言葉を聞くことは叶わなかった。

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