最後の登校日
今日でテストも終わり、明日からは春休みになる。私は祐希を登録しているので春休みにでも呼び出そう。
向こうも私を登録しているのは知っている。でも、アプリを使って話をしたことはない。
だって普段は普通に話していたから。アプリで話をする内容が特になかったからだ。
「おはよう。祐希」
緊張するけど声をかけてみた。心臓の音がうるさい。こんなんじゃ地震が起きちゃうよ。
「おはよう。早苗」
心臓が跳ねた。嬉しい。語彙力が小学生かなってなってしまった。全身の血が蒸発しそうなほど嬉しい。
「そういえば、テストどう?いい感じ?」
祐希ってなにかとフワッとした聞き方をしてくる。ふわふわしててそこも可愛いんだけど。
「まぁ。それなりかな。祐希は?」
私も聞いてみた。
「こっちもそれなりだよ。GPAどう?」
だからフワッとしてる気がするのは気のせいですか?
心がキュンキュン締め付けられている。
「それなりかな。3ぐらい」
「結構すごくない?俺2.9だわ。頑張ろう」
いきなり褒めるの反則。心にコルセットつけてるみたいにキュンキュンしている。
「ファイト。明日バレンタインだね。お楽しみに」
頑張って言ってみた。
「えっ?ど、どういうアレ?」
祐希が戸惑っているのをみて心の中でガッツポーズをした。