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デリバリー先の美女をマムシから助けたら

作者: 阿川竜一

GREEのコミュニティ『あなたは携帯小説を書きますか?』とpixivにも投稿しております。

 いきなりだが、自己紹介をする。俺の名前は『榎田ケイタ』。飲食店『阿川店』に勤めている。その店はデリバリー、つまり『出前』という注文を受けて食事を届ける出張サービスも行っているのが特徴だ。


ケイタ:お待たせしました。阿川店です。ご注文頂いたお食事をお持ちしました。


俺は注文を受けたお届け先のマンションを訪れてその一室のインターホンを鳴らして用件を伝えるとガチャっとドアが開いた。


ハルカ:ありがとうございます。いつもすみません。


ドアから綺麗な女性が出てきた。この人は『宮里みやざとハルカ』さん。よくウチの店に出前を頼んでくれるお得意先みたいなものなので俺とハルカさんはお互いに顔なじみとなっていた。


ケイタ:いいえ。お腹空いてますよね?なので出来上がってからすぐにうかがわせていただきました。


ハルカ:お気遣いありがとうございます。それでは…。


俺はハルカさんから出前を頂いた代金を受け取って少しだけ話してからマンションを出た。よっし!ハルカさんとまたお話できたぞ!正直に言う。俺はハルカさんがスッキー!何度か訪ねるうちに…。でも俺はただ配達することしかできない。だって下手に出たりすりゃストーカーみたくなっちゃうからな。だから俺はハルカさんと話せるだけで幸せなのだ。でもこれが終わりを迎えようとは思うワケもなく…。


 後日。俺はハルカさんから食事の出前の注文を受けてマンションを訪ねると…。


ハルカ:ですから…突然来られましても…。


大牟田:うっさい!ワシはお宅にこのドリンク『マムシ』を試飲してもらって「キャー」と言ってみてもらいたいだけなんじゃ!


なんだ?ハルカさんは玄関先で男ともめている。しかも男の方は何やらおかしな事を言っている…。


大牟田:もういい!こうなったら無理やりにでも!


ハルカ:やっ…やめてください…。


これはマズい!男がハルカさんに掴みかかろうとしている。俺はとっさに飛び出し。


ケイタ:お待たせしました。阿川店です。ご注文頂いたお食事をお持ちしました。


俺はいつもの接客態度で姿を現すと男は戸惑っている。


ハルカ:あっ…。


ハルカさんは言葉を失っている。多分、俺が来た安心感と男への恐怖感からだろう。これはハルカさんを助けないとヤバそうだ…。


ケイタ:あの。貴方はどちら様ですか?


大牟田:ワシは訪問販売『MA●●●●』の『大牟田厚』だが…。


ふーん。大牟田厚ね…。


ケイタ:訪問販売会社なら名刺とか見せてもらえませんか?


俺は大牟田に問う。訪問販売なら警戒されるから名刺を持っていると思うけど…。


大牟田:それは…忘れたんじゃ!会社に置き忘れたんじゃ!


大牟田はオドオドしながら答える。これは怪しい…。


ケイタ:ええと…。●●SA●●でしたっけ?こちらから確認させてください。なっ…!


俺は大牟田の言っている会社に「確認する」と言うと大牟田は一目散に走り出した。逃がすか!俺はすぐに走って追いかけ。


大牟田:何すんじゃ!放せ!


ケイタ:デリバリーサービスで鍛えた脚力なめんな!


俺はあっさりと大牟田を捕まえ、警察に突き出した。その後、大牟田は1人暮らしの女性を狙って訪問販売を装い、暴行して「キャー」などのキイロイコエを聞くための犯行を行っていたことも判明し、逮捕となった。



 大牟田という男が逮捕されてから数日後。俺はハルカさんからいつも通りにデリバリーを受け、訪ねると。


ハルカ:あの…。あのときは本当にありがとうございました。貴方が居なかったら私…。


ケイタ:いいえ。宮里さんがいつも通りにご注文して頂いたのが幸いでした。僕はただ、いつも売り上げに貢献して頂いていたので…。


俺は接客として当たり前のことを述べる。本当は違うこと言いたいのに…。でもいいんだ…。彼女の力になれただけでも…。俺はハルカさんからお代を受け取って帰ろうとすると…。


ハルカ:あの…。今度お礼させてください!


お礼だって!?されたいけど…。そうだ!


ケイタ:それなら…。


俺はハルカさんに店のチラシを渡す。ハルカさんがウチの店を知ったのは新聞の折り込みチラシからだったらしい。なので俺はより細かな詳細が載っているウチの店の直々のチラシを渡し。


ケイタ:今度、ウチの店の方もご利用いただけたらと思います。それでは僕はまだ仕事がありますので。


俺はハルカさんにデリバリーではなく、直接店に来てもらえるように誘って仕事に戻ったのだった。



 それから…。ハルカさんはたまにウチの店に来てくれた。食事の利用はもちろん、俺が仕事が終わると一緒に話したりとかもするようになっていった。そうしていく中で俺はついにハルカさんに告白した。


ケイタ:宮里さん。俺は貴女が好きです。俺と付き合ってください!


ハルカ:はい。喜んで。


俺はハルカさんと付き合うこととなり、やがては店の店長にまで上り詰めていった。それからは俺とハルカさんは結婚することとなった。大学時代からアルバイトで始めた『阿川店』で最愛の人が出来るなんて本当に思ってなかったけど今はとても感謝でいっぱいだった。



 ~ Fin 完 ~


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