第30話 無題
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「光莉……?」
あまりの衝撃で頭が追いつかない。
まさか光莉がこの事件の犯人だったのか……?
あの夜、俺たち3人を襲ったのはこの小さな少女だったのか…?
いや、それにしては動機が無さすぎる…
「なぁ…光莉…お前が俺たちを襲った犯人なのか……?」
俺は、今にも泣き出しそうな顔をしている光莉に対してストレートな疑問をぶつけてみた。
「…うるさい…うるさいうるさいうるさい!!…私だけをのけ者にして…ずっと邪魔だって思ってたんでしょ?みんな私に消えて欲しかったんでしょ?!」
明らかに光莉の様子がいつもと違う…それに、俺の質問に対する答えになっていない。
「ど、どうしたんだ光莉?」
「どうしたもこうしたも無い!!今日だって私をのけ者にして……それに、どうして私が2人を襲わないといけないのよ!!」
「ひ、光莉!落ち着け、いったん話をしよう!」
「嫌です!!もう私に関わらないで下さい!!……これ以上関わろうとしたら警察呼びますよ!」
「…っ」
そう言い放った光莉は、そのままタクシーに乗って帰ってしまった。
一体なんだったんだ。
あの反応を見るにおそらく光莉は事件とは関わっていない……直感的にそう思った。
じゃあ結局この事件の犯人は誰なんだ…?
光莉の発言に何かとてつもない違和感を感じていた。
黒服、バット、病院、警察、スキー、パーティー、クリスマス、ライブ、そして今日……俺は思いつく限り記憶を呼び起こした。
どこか不可解な点、矛盾点、怪しかった点はないか……かつてない程に頭をフル回転させた。
…その時だった……俺は絡まった糸が解けて一本の直線になったような感覚にとらわれた。
可能性ではなく、確信に近いものだった。
なぜ今までこの違和感に気がつかなかったのだろう。
「まさか……」
俺は、咄嗟にある人物に電話をかけた。
頼む…出てくれ。
今までの人生でこれほど電話に出て欲しいと思った事はないだろう。
「……もしもし?」
出た!出てくれた…
相変わらず元気のない返事だ。
電話が嫌いなのは分かっているが、今回だけは勘弁してくれ…
「もしもし、今大丈夫か…康平?」
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そのあと俺は、体力が底を尽きない程度の速度で店に帰った。
冬に走るのは嫌いだ…先程のダッシュで血の味がする。
だが、体は疲れきっているのに頭は冴え渡っている。学生時代もこれだったら良かったのにな…
……カランカラン……
「いや〜黒服には逃げられちゃったよ……また迷宮入りしそうだ…」
俺はそんな呑気なことを言いながら店に入った。
しかし、そこにはさっきまでいた3人の姿が見えなかい。
バチッ……!!
バタン……
突然、背後から強烈な痛みが襲い、俺はその場に倒れた。
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「んん……」
自分の身に何が起こったのかは分からなかったが、俺は無事生きていたようだった。
が、両手が縛られており、椅子と体を縄で固定されている…
心音が早くなっていくのが分かる……俺はここで殺されてしまうのだろうか…
「目が覚めたみたいね。」
ドラマのような台詞で、俺をこうした人物が話しかけてきた。
その声の主を俺は知っている。
「あなただったんですね……神山さん。」
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では!




