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第28話 『電脳少女』

よろしくお願いします!

ブックマークや評価して下さった方々、本当にありがとうございます!

とても励みになっています。。



「もしもし…榎田さんですか?…この前の件でお話がありまして……」




「はい…事件の調査の事です。」



「…結城さんや風見さん達なんですけど、2月以降であれば都合が合うらしいので……はい。」




「…滝沢さんにそう伝えておいてください。それじゃ…」





➖➖➖➖





「……康平のやつ遅いな。すっぽかしたりしたら流石に笑えないぞ…」



「まぁまぁ瀬良さん落ち着いて。康平さん、興奮しすぎて眠れなかったんじゃないですか?」



「そうだな。悪い悪い。」



1月10日のライブ当日、俺と千尋は駅で康平を待っていた。



クリスマスの時に零から3人分のチケットを貰い、俺たちは『電脳少女』のライブを特別席から観れることになったのだ。



以前その事を2人に伝えると、予想通りだが耳を塞ぐ程の声量で大喜びした。



「……お〜い!!悪い悪い。…つい意気込んでしまって遅くなっちまった!」



「「……っ!!」」



康平が来たと思って、俺と千尋は声のする方へ目をやったのだが、あまりの衝撃に言葉を失ってしまった。



グッズの塊みたいな人間が歩いて来たのだから、俺たちのリアクションがこうなってしまうのは当然だろう。



「…どうしたお前ら?俺の顔になんかついてるか?」



鎧のように光莉のグッズを身に纏った康平が、平然とした顔で話を展開させてきた。


これがボケだとしたら意味が分からない。



「どうしたじゃねえだろ。…お前の家には鏡ってものが無いのか?」



「……?」



康平は自分が何を言われているのか全く分かっていないみたいだ。



カシャカシャ…


あぁ、周りからシャッター音が聞こえる……


SNSに載せるのなら俺たちにはモザイクをかけてくれ……本気でそう思った。




「と、とりあえず…康平さんは私たちと10m以上の感覚を保っていて下さい。」


いくら彼氏といえど、千尋もこの格好はアウトみたいだ。



「今日のお前ら…なんか変だぞ?」




お前が1番変なんだよ……




➖➖➖➖




まだライブ開演の2時間前だと言うのに、東京ドームの周りは人でいっぱいだった。



ライブを観に来た人、グッズを集めに来た人、音漏れを聴きに来た人、いろんな人がいるのだろう。



特別席でライブを観る事が出来る俺たち3人(内1人は10m後方)は、少し優越感を感じながら会場を歩いていた。



「そういえば千尋って、ペンライトとタオル持ってないよな?」



「ペンライトが必要なのは分かりますが…タオルは何に使うんですか??」



「『電脳少女』の曲で、観客みんなでタオルを振り回す曲があるんだ。推しメンの名前が書かれたタオルを買うのがベタだな。」



以前、夏花さんの名前入りタオルでライブに参戦した事は口が裂けても言えなかった。



「なんだかそれ楽しそうです!グッズはどこに行けば買えるんですか?」



「あぁ、会場の近くで売ってるよ。結構並ぶからついてってやるよ。」



「さすが瀬良さん…慣れてますね。なんだかとても心強いです!」


いつも1人で行っていたからか、今日の俺は生き生きとしている。




やっぱりライブは楽しいな……




➖➖➖➖➖




俺たちはグッズを買い、特別席に腰を下ろして開演を待っていた。



ドーム内に入る時、ボディチェックや手荷物検査があったのだが、康平は5人がかりでチェックされ、通常の人の10倍の時間がかかっていた。



この男はどれだけ俺たちに恥をかかせれば気が済むのだろうか……



「もうすぐですね…。手から汗が止まりません!」



「開演前のこの緊張感は何回来ても慣れないもんだな……」



「光莉様…今日はあなたのために愛を叫びます…」



俺たち3人、いや会場中が興奮しているのがひしひしと伝わってくる。


何しろ復活後の初ライブだ…みんな待ち望んでいたのだろう。




そんな俺たちの期待を一身に背負う彼女達はどんな感情でパフォーマンスをするのだろう…


考えただけでプレッシャーに押しつぶされそうになった。





「時間だ…始まるぞ!」



会場の照明が消え、大音量でオープニングと共に『電脳少女』の5人がステージ上に現れた。



鳴り止まない歓声がこの東京ドームを揺らす。



約5万人のペンライトが、まるで宇宙の中にいるような空間を作り上げていた。




「やっぱり凄いや……」


たった5人でこれだけの人数を熱狂させられるなんて、やっぱり『電脳少女』は凄い。



ステージ上の彼女達はとても輝いて、俺たちに瞬きする暇すら与えないほどに眩しかった。




➖➖➖➖




「それでは、次が最後の曲となります……」


ライブも終わりが近づき、観客からは惜しむ声が上がっている。



夏花さんは、マイクを持ったまま話を続けた。




「私たちはこの1ヶ月…ある人のおかげでより成長することができました。……その人は、他人のために命をかけることができ、関係の無いことも自分の事のように考えてくれる……そんな、ヒーローみたいな人なんです。」



ザワザワ…



「これって……海斗さんのことじゃ…」




「それ以上言うな千尋……涙でライブが観れなくなるじゃないか…」



「海斗さん…」




観客達からは惜しみない拍手が送られ、いよいよラストの曲になった。




「今から披露する曲は、来月発売する新曲です。…それでは聴いてください……《ヒーロー》」







読んで頂きありがとうございました!

では!

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