第25話 『闇鍋』
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光「うぅ……どうして……こんなことに」
瀬「い、一体何を入れたんだ……」
俺たち6人はテーブルの上にに突っ伏しており、意識を失いかけている者さえいた。
どうしてこんなことになったかと言うと、この目の前に置いてある地獄みたいな鍋のせいだ……
〜〜〜〜1時間前〜〜〜〜
俺の悪夢みたいな乾杯の音頭が終わり、とんでもない雰囲気でパーティーが始まった。
6人は、それぞれテーブルに並べられた食べ物を好きなように食べた。
俺のメンタルHPは先程ゼロになり、スキー場の時とはまた違った意味で、食べたものに味がないように思えた……
俺たち6人は久しぶりに集まったという事もあり、話が弾み時間が過ぎるのはあっという間だった。
「…みなさん!それではお待ちかね『闇鍋』を開催したいと思います!」
開始から30分が経った頃、千尋が勢いよく立ち上がって『闇鍋』開始を宣言した。
いや、だから誰も待ってないんだって……
「「「「ふーーー!!」」」」
一同は大いに喜んでいる。
俺か?俺がおかしいのか……?
「みなさん、入れたい食材はちゃんと持ってきましたね?」
光「あったりまえよ!」
夏「はい!」
零「私に任せて。」
康「あぁ……」
みんな凄いやる気だ……命をかけた勝負みたいな緊張感が場に漂っている。
「それじゃ、電気を消しますね。……あ、その前に、食べれないものは入れちゃダメですからね?」
「「「「…やっぱり変えてもいいですか?」」」」
「お前ら何入れようとしてたんだよ!!」
俺以外がサイコパスということが判明し、皆の準備が整ったところで電気が消された。
「それじゃ、私から時計回りに順番に入れていきますね?」
千尋、光莉、俺、零、康平、夏花さんの順番で俺たちはそれぞれ鍋に食材を入れていった。
途中、隣にいた零が暗闇の中で、俺のポケットに手を突っ込んで何かを入れた。
俺は声を出しそうになったが、零に太ももをつねられたので声を出さなかった。
一体何を入れたのだろう…?
「皆さん食材は入れましたね?…じゃあそれぞれお皿に取り分けて下さい!」
俺たちは千尋に言われるがまま鍋から取り分けた。
何だろう…具材がとても少ない気がする…
「それじゃあ……いただきます!」
「「「「「いただきます」」」」」
俺は恐る恐るその食べ物を口へ運んだ。
暗闇の中自分が何を口に運んでいるのか分からない…こんなにも怖いのか…
が、それは杞憂に終わったのかも知れない。
「い、いける!意外にも美味しいぞ!」
康「確かに……いけるな…あっ」
バタッ…
両隣から人が倒れる音がした。
「お、おい!みんな大丈夫か!?」
俺はみんなに声をかけたが返事はない……あ、あれ?
そういう俺も意識が薄れてきた…
最初は味がしないと思ったら、一瞬でこの世のものとは思えない味が口いっぱいに広がった。
俺はたまらず店の明かりをつけた。
〜〜〜〜現在〜〜〜〜
「なんでこんな色になっているんだ……」
その禍々しい色の鍋を見た時を最後に、俺は軽く意識を失った。
➖➖➖➖
「ん、ん〜…はっ!」
俺は目を覚まし、慌ててスマホで時間を確認した……どうやら俺は1分間だけ気を失っていたらしい。
「ん〜…」
まるで早朝かのように他の人たちも目を覚まし始めた。
「みんな大丈夫か……?」
みんなお互いに顔を見合わせて静かに頷いた。
「…それじゃ、裁判を始めようか…」
俺たちはみんなが何を入れたのか調べるべく、1人ずつ何を入れたか発表するようにした。
千尋「カプサイシン」
光莉「酢!」
俺「豆腐」
零「ニガ玉。」
康平「強力粉」
夏花さん「シュールストレミング」
「……」
6人中5人が有罪判決だった……それも死刑級の。
もうこの人たちとはパーティーなんてしたくない…そう思った。
➖➖➖➖
そのあと俺たちはお互いに不信感を抱きながら鍋を片付け、プレゼント交換会が開かれた。
光莉は、夏花さんと零からプレゼントを貰いたかったようだがそれは叶わなかったみたいで、見るからに落ち込んでいた。
逆に康平は光莉からプレゼントを貰えたらしく、とても喜んでいたが…中身は化粧セットだった……
光莉は、俺たちも参加していることをフル無視してプレゼントを選んだに違いない。
俺はと言うと、千尋からプレゼントを貰った。
ぞしてその後もパーティーは続き、23時を回ったところでお開きになった。
「みなさん、今日は本当に楽しかったです!最高の思い出になりました!」
夏花さんがそう言った後ろで、零と光莉も大きく頷いている。
そして、3人は帰って行った。
「あー楽しかった!!夢が叶いました!」
「千尋が喜んでくれて俺たちも嬉しいよ。」
「はい!…でも終わっちゃうと何だか寂しいですね…」
「それは言わない約束だろ…それじゃ俺たちも片付けるぞ!」
俺たち3人は店を元通りに片付け、俺は2人を先に帰した。
そういえば…零が何かポケットに入れていたな…
そのことを思い出した俺は、ポケットに手を入れ、メモ用紙のようなものを取り出した。
「何だこれ…?」
そこには、電話番号が書かれてあり、それが誰のものかは想像がついた。
俺は急いでその番号に電話をし、店を出た。
「…もしもし?」
「零か?俺だ、海斗だ。」
「よかった…かかってこなかったらどうしようって不安だった……」
「かけないわけがないだろ。それで、どうして番号を教えてくれたんだ?」
「以前、海斗に予定を聞かれた時、25日のクリスマスは予定があるって言ったの覚えてる?」
「あ、あぁ。」
「あれ実はね…海斗のために空けておいたの…」
「…え?それってどういう…」
「海斗……明日のクリスマス…私とデートして欲しい。」
そうして俺は、明日、いや正確にはもう25日の今日、風見零とデートをすることになった。
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では!




