第23話 嵐の前の静けさ
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「お待たせしました〜」
光莉を先頭に、厳重な変装で3人が店に入ってきた。
「わぁ!!すごい飾り付け!!それにサンタさんの格好まで!!これ皆さんで準備してくれたんですか?」
入るや否や、夏花さんが目を輝かせながら感動している。
「はい…こういうの初めてだったので、張り切っちゃいました!」
サンタコスの千尋が笑顔でそう言った。
夏花さんたちに喜んで貰えて嬉しかったのだろう…何だか俺まで嬉しくなってきた。
「それより3人とも、これをどうぞ…」
そう言って俺と康平は手際よくサンタコスを夏花さん達に配った。
「海斗…これ、もしかして私たちの分?」
サンタコスを受け取った零が少し恥ずかしそうに聞いてきた。
「もちろん!やっぱりこう言うのは皆んなでやった方が楽しいからな!!」
「零さんごめんなさい!この2人が零さんたちにも着せようって止まらなかったんです……」
「何を言っておるんだ千尋!俺たちはお前の為を思って買ってきたんだ!純粋にパーティーを盛り上げたいだけなんだよ!」
零「本当は?」
「「3人のサンタコスをこの目に焼きつけたかったからです」」
「下心しかないじゃない……」
「し、しまった、つい本音が……はぁ、失敗した」
邪な気持ちしかないことが皆んなにバレ、俺と康平はその場に膝から崩れ落ち、涙した。
「どれだけ見たかったのよ……でもせっかくお金を出して買ってきてくれたんだし、着てあげるわよ。夏花と光莉も良いわよね?」
零の呼びかけに2人とも快諾し、3人はスタッフルームへと消えていった。
「…やったな康平!大勝利だ!」
「あぁ、さっきのお前の嘘泣きには痺れたぜ!」
「康平もなかなかだったぞ!」
「嘘泣きだったんですか…?こんな大人にはなりたくないです……」
遠くから千尋がクズを見るような目で俺たちを見てきたが、今の俺たちにはノーダメージだった。
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そして待つ事5分、ついに着替え終わった女神たち3人がスタッフルームから姿を現した。
「綺麗……」
隣で千尋がそう呟いた。おそらく心の底からポロッと出てしまったのだろう。
康平の方に目をやると、口を開け、無言で涙を流していた。
「へ、変じゃないですか…?」
夏花さんが右手で髪を耳にかけながらそう言った。
「みんなすっごい似合ってますよ!!もう、毎日これ着てパーティー開きましょう!!」
俺は、興奮のあまり意味の分からない事を口にしてしまい、後ろから千尋に蹴られた。
「それならよかったですです…ふふ」
彼女たちのサンタ姿や喜ぶ姿を見ることができ、俺と康平は後ろでコツンと拳を合わせた。
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「それじゃあ今日の流れを説明しますね!」
席についた俺たちの前で、千尋が元気よく説明を始めた。
しかし改めて見てみると、この状況は大変目のやり場に困る。
康平はというと、濁りのない目で真っ直ぐに光莉を見ている…恐らくあいつには羞恥心がないのだろう。
「まずは海斗さんに1時間ソロ漫才で盛り上げて貰って…」
千尋の口からとんでもない言葉が聞こえた。
「おいおい、それは聞いてないぞ!…てか1時間て鬼すぎるだろ!」
「冗談ですよ海斗さん…クスクス」
みんなが俺をのリアクションを見て笑っている。
光莉に至っては、千尋の悪ノリに加勢しようとしていたくらいだ。
「千尋…やってくれたな…」
「さっきの仕返しです!」
千尋は笑いながら説明を続けた。
「さっきのはほんの冗談として、前にも言った通り今日は『闇鍋』をした後にプレゼント交換をしたいと思っています!」
いや、改めてどんなプランだよ。
「「「「ふーーー!!」」」」
俺以外はめちゃくちゃ盛り上がっていた。
なんだこいつら……
「それじゃあ海斗さん、乾杯の音頭をお願いします!」
また千尋からとんでもないキラーパスが飛んできた。
しかし、今回は冗談ではなく、ただの無茶振りのようだ。
俺は、こういう事をやったことがなかったので、己の想像力を振り絞って前に出た。
絶対に盛り上げて見せる!!
「それでは皆さんグラスを持って……君の瞳に、乾杯!!!」
俺は場を凍らせ、この世から音を消した。
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では!




