第17話 ドキドキと眠れる聖剣
よろしくお願いします!
俺たちは昼食を食べ終わり、ようやくスキー場の中に到着した!
「やった〜〜!!ようやく滑れますー!」
「雪だるまーー!!」
光莉の雪だるま発言はよく分からないが、同い年ということもあり千尋と光莉はとても仲良くなっていた。
「ひ、光莉ちゃん、雪だるま好きなんだ!……仕上げの鼻には…お、俺の立派なニンジン使ってよ!」
「…は、はぁ…??」
めちゃくちゃ気持ち悪い絡みをして来た康平に、光莉はとても困ったように返事をした。
ていうか、立派なニンジンって……もしかしてチ〇チ〇の事じゃねえか!?
「おい康平!変な事するなって言ったよな!?どこまでクレイジーなんだお前は!!」
俺は康平の胸ぐらを掴み、ありえない速度で前後に振った。
「お、落ち着け海斗!…誤解だ!!」
「うるせえ!もうお前の特殊性癖にはうんざりなんだよ!!」
「特殊性癖……?何言ってんだお前?と、とりあえずこれを…」
そう言って、康平はポケットから立派なニンジンを出した。
「ほ、ほんとにニンジン持ってたのかよ…」
「他に何の意味があるんだよ……やばい、今のでまた吐きそうになった……」
「2人とも…何やってんのよ……」
零が冷たい目で俺たちを見ながらそう言った。
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「…それでは皆さん、19時にはロッジに戻ってきてください。くれぐれも、目立ちすぎないように。」
神山さんからそう言われ、周りに気づかれないよう俺たちは早速滑る事にした。
俺と夏花さんはスキー、康平と零と千尋はスノーボードだった。
「じゃあ気合入れていきましょう!」
ブカブカのウェアを着た光莉がそう言ってスキー板に手を伸ばしたその時、神山さんが光莉の肩に手を置いて彼女の動きを止めた。
「か、神山さん?…痛いです…」
光莉は先程のように恐怖で小刻みに震え始め、ゆっくりと神山さんの方を振り返った。
「光莉さん…あなた滑れませんよね……?」
「い、いえ!…今回こそは滑れます!」
「先月海外のスキー場で、私がたった5秒目を離した隙に雪だるま状態になったのをもう忘れたんですか?」
そ、そんなに下手なのかよ……
「あ、あれは雪の質が私に合ってなかったんです!お願いです神山さん…滑らせて下さい!」
「ダメです。光莉さんは私と雪だるまを作ります。」
「そ、そんな…私もう22歳ですよ?…それに6時間も雪だるま作りなんて……」
「2人で、皆が驚くようなでっっかい雪だるまを作りましょう。」
「でっっかい……雪だるま……」
そう呟いた光莉は、瞳を輝かせながら神山さんについて行った。
「神山さんって光莉の扱いが上手なんですね…」
「「いや、光莉がちょろいだけです」」
遠ざかっていく神山さんと光莉を見ながら、夏花さんと零が口を揃えて言った。
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「…何で夏花がいるのよ…」
「零……それはこっちのセリフよ」
3人乗りリフトで俺を挟みながら夏花さんと零が言い争っている。
めちゃくちゃいい匂いがする。あぁ…幸せだ。
もうここで一生分の呼吸をしようかな……
《〜5分前〜》
光莉と神山さんが雪だるまを作りに行き、俺たちは5人でリフトの順番が来るのを待っていた。
ここのスキー場のリフトは3人乗りで、夏花さんと零、俺と康平と千尋の2組で乗るものだと俺は考えていた。
その時、後ろから零が俺の肩を叩き、ある提案をして来た。
「ねぇ、海斗…私と2人で乗らない?」
「…え?ふ、2人で?」
突然の嬉しい提案に、俺は思いっきり動揺した。
「べ、別に深い意味はないのよ……ただ……PVの参考にもなるし、康平と千尋は2人で乗せた方がいいかなって思って……」
「そ、それもそうだな!」
そうして俺は、零と一緒にリフトに乗る事になった。
「か、海斗さん…ちょっといいですか?」
今度は夏花さんが俺のウェアの裾を掴みながら耳打ちで話しかけて来た。
ま、まずい…この距離は刺激が強すぎる…
「な、なんですか夏花さん?」
「私…スキーがあんまり上手ではなくて…リフトの乗り降りが1人で出来るか心配なんです……だから一緒に乗ってくれませんか?」
「零じゃなくて俺でいいんですか…?」
「零…?誰ですかそれ?そんな名前の人は知りません。」
だめだ、目が笑ってない。
そうこうしているうちに俺たちのリフトの順番になった。
俺は、夏花さんに左腕を引っ張られリフト乗り場へと進んだ。
「ちょ、ちょっと海斗!待ちなさいよ!」
そう言ってギリギリのところで零が後ろから滑り込んで来た。
〜〜〜
で、今に至るわけだ。
夏花さんと零の口論はまだ続いており、両方ともが俺の太ももに手を置き、俺の目の前で火花を散らしている。
手がもう少し上に行くと、俺の眠れる聖剣に当たりそうだったので、俺はガードするようにあそこを抑えていた。
…しかし、もうすぐ着いてしまう。
もっと落ち着いて話たかったのだが、これはこれでアリかもな。
「海斗さん…さっきも言った通り、私滑るの苦手なんです。…だから手を握っていてくれませんか…?」
降りる寸前、夏花さんが上目遣いでそう言い、俺の左手を握って来た。
だ、だめだ!今ので完全に息子が元気になった…
「ちょ、ちょっと夏花!あんたこの前スキーした時、プロ級に上手だったじゃない!」
「あれはたまたまです!!」
また口論が始まった。
「海斗!!こんな変態の言うことなんて聞いちゃダメよ!」
「へ、変態ですって…!?零…あなた後で覚えときなさいよ…」
まずい、もう着いてしまう。
「海斗、もうこうなれば手段は選ばないわ。私たちが喧嘩にならないように、両腕を上げてリフトから降りて。夏花も…それなら文句ないでしょ…?」
「…分かったわ。今回は諦める…」
「え!?俺両手上げて降りるの!?」
「ほら、もう降りるわよ。…せーの」
リフトのバーが上がり、俺は流されるまま両手を上に上げてリフトを降りた。
「「きゃあーー!!」」
その時、横にいた女性係員2人が、リフトから降りて来た俺をみて悲鳴を上げた。
「……?」
何で彼女たちは俺の下半身を見ながら叫んでるんだ…?
……あ……両手を上げる事に集中して忘れていたが、俺の息子元気なままだったわ……
読んで頂きありがとうございました!
では!




