第15話 可愛いライバル
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「…何ジロジロ見てるんですか?まさかこの私まで夏花さんや零さんみたいに洗脳する気ですか!?」
「せ、洗脳ってそんな……」
「いーや!それしか考えられません!じゃないとあの2人が貴方みたいな男をs......っ!!」
萌え声フルフェイスがそこまで言うと、遠くにいた夏花さんと零が、光の速さでその口を全力で塞ぎに来た。
「こらこら光莉...初対面なのに私達の命の恩人に失礼でしょう?」
「そうよ光莉、夏花の言う通りよ…」
笑顔でそう言っている2人だが、口を相当な力で塞いでいる上に、目がひとつも笑っていない……
「夏花さん、それに零も、そろそろ手を離してあげた方が…」
萌え声フルフェイスは、抵抗する力もなくぐったりとし始めていた。
2人は俺の注意で我に帰り、慌てて口を塞いでいた手を離した。
「っぷは〜〜……し、死ぬかと思いました…」
萌え声はその場に膝をつき、小刻みに震えだした。
「可哀想に…恐怖で体が震えているわ…」
「夏花、光莉に一体何があったの...?」
「いや、あんたらがやったんだろ!!??」
「「???」」
2人はとぼけて顔を見合わせている。
「な、なんて恐ろしい人達なんだ……」
俺たち3人が夏花さんと零の恐ろしさに驚愕している内に、神山さんが萌え声をおんぶして、ロッジの中に入って行った。
「あ、あの…さっきあの子のこと光莉って言ってませんでしたか?」
「はい…そうなんです。彼女は『電脳少女』の最年少メンバー、月宮光莉と言います。どうしてもついて行きたいと言ってやまなかったので連れてきてしまいました……」
月宮光莉。
現在、千尋と同じ22歳でグループ最年少メンバーだ。
萌え声かつ153cmと小柄で、どこか幼いその顔立ちからファンの間では「永遠の中学生」と呼ばれている。
髪は金に近い茶色で、前髪は眉毛にも届いていない。
月宮光莉は性格もとても明るく、そこにいるだけで場が明るくなると言った感じだ。
「つ、月宮ってまさか……俺が大好きなアニメ『君の記憶を高圧洗浄』のヒロインの声の...?」
後ろからさっきまで死にそうな顔をしていた康平が、興奮しながら喋りだした。
ていうか何だよそのアニメ……
「は、はい。その作品かどうかはどうかは分かりませんが、光莉は声が可愛いので声優業もやっていますよ。」
夏花さんが康平の勢いに驚きながら答えてくれた。
「やっぱりそうだ!!おい海斗、連れてきてくれて本当にありがとう!!」
「わ、分かったから…とりあえず肩を組もうとするのはやめろ」
うちのバイトの恥が晒されたところで、俺たちは全員ロッジの中に入り、昼食を食べることにした。
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ロッジは1階にリビング、風呂場、キッチンなどがあり、2階には2人部屋が4つと、とても広かった。
部屋割りは、俺&康平、千尋が1人、夏花さん&零、神山さん&光莉に分けられた。
俺は康平と千尋に同じ部屋を進めたが、意味が分からないと言われ、俺の案はひと蹴りされた…
荷物を置いた俺たちは、改めて自己紹介を終わらせ、神山さんが昼食を作り終えるまで各々好きな事をしてくつろいでいた。
「な、なぁ月宮さん…」
先程の発言が気になった俺は、楽しそうにスマホをいじっている光莉の隣へ行き、話しかけたみた。
「光莉でいいです。」
全く目を合わせてくれないが、一応返事はしてくれた。
「じゃ、じゃあ光莉……さっきは何て言おうとしたんだ?」
すると光莉は、先程の恐怖が植え付けられているのか、持っていたスマホを落とし、震えだした。
「も、もう死にたくないので…絶対に言いません……」
「そ、そうか…悪かったな…」
「……じゃあもう一つだけ質問いいか?」
「は、はい…何でしょう?」
「どうして2人の事であんなに怒ったりしたんだ?……別に俺のこと何て無視すればいいのに。」
「そ、それは…答える必要もないです!…ただ貴方のことが嫌いなだけですから!!」
先程まで恐怖で震えていた光莉が、突然大きな声で答えだした。
「そ、そうか…悪かったな…」
「はい…!早くあっちにでも行ってください!」
そう言って光莉は、夏花さんと零がいる方と反対側を指差した。
よっぽど俺のことが嫌いなんだな……
その時、彼女の落としたスマホの画面が偶然目に入った。
そこには、夏花さんと零が大量のハートで囲まれている隠し撮りの写真が写っていた…
なるほど…光莉は俺に大好きな2人を奪われたくなかったのか……
そして昼食が出てきたのだが、光莉がこちらを睨んできたので、俺は夏花さんと零と離れたところに座り、食事をした。
俺が会話に参加しようとすると、光莉が全て遮り、俺を孤立させた。
大人数の中1人で食べたご飯は、全く味がしなかった……
しかし、この後は待ちに待ったスキーだ。
めいいっぱい楽しんでやる!
読んで頂きありがとうございました!
では!




