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第14話 12月とクレイジー

よろしくお願いします!

ブックマークや評価ありがとうございます!



旅行当日、俺と康平と千尋の3人は同じ車に乗って前の車について行っていた。


トップアイドルと俺たちが一緒に旅行をしているなんて事がバレたら『電脳少女』が猛烈なバッシングを受ける上に、俺たちの命が無くなる事は目に見えていた。


そのため、俺たちは別々の車で集合し、俺たちが後に続く形で長野のスキー場に向かうこととなった。



「瀬良さん…結城さん達と一緒がよかったでしょ?」



お菓子を頬張り、助手席に座る千尋が笑いながら言う。



「あぁ…乗りたかった。」



「きょ、今日はやけに素直なんですね…」



「お前こそ、助手席で良かったのか?後ろでやりたいこととかあったんじゃ無いか?(康平と)」



「いやいや…流石に旅行中はやりませんよ!(ゲームを)……それに、瀬良さんの運転姿を横から見たかったですし!」



よく彼氏の目の前でそんな事が言えるな…もしかして千尋ってそういう人間なのか…?



「こ、康平はしなくて大丈夫なのか?(千尋と何かを)」


俺はミラーで後ろを見ながら、康平にも聞いてみた。

この前零に言われた通り、俺たちはこいつらを温かく見守ってやることが使命なんだ。



「あぁ……今はそんな気分じゃ無い(酔いそう)」



「そっか、助かるよ…」



流石にこの2人にも最低限の良識はあるみたいだな。



➖➖➖➖



出発してから4時間後、ついに俺たちはスキー場に到着した。



千尋は出発からわずか1時間で爆睡を始め、康平は常にビニール袋に顔を埋めており、道中は会話どころではなかった。



「やったー!!着いたー!!最高の天気ですね!」



睡眠から目覚めた千尋は窓を開けてはしゃぎ出したが、運転に疲れた今の俺にそんな元気は無かった。



「それと瀬良さん、運転ありがとうございました!」



さっきの俺が間違っていた。やはり千尋はこうやってきちんとお礼が言えるまともな人間じゃないか。


という事は、おそらく康平に洗脳されているのだろう……



➖➖➖➖



駐車場で待機していると俺のスマホが鳴り、相手はマネージャーの神山文香(かみやまふみか)さんだった。


アイドルとの連絡先交換は流石にNGらしく、今回の旅行のやりとりは神山さんを通してするようになっていた。



神山さんは背が高く、夏花さんと同じで170cmはありそうだ。


少し切れ長の目で、知的な喋り方をする、いかにも仕事ができるオーラを彼女は放っている。


事実、マネージャーになってまだ半年なのだが、『電脳少女』の多忙なスケジュールをミス無く管理する敏腕マネージャーらしい。



「もしもし瀬良さんですか?神山です。私たちはもうロッジに入ったので、瀬良さん達も入ってきて大丈夫ですよ。」



「分かりました、今すぐ向かいます!」



そう言って電話を切り、俺と千尋は、重い荷物と今にも死にそうな康平を担いでロッジへ向かった。



「おい康平、大丈夫か…?」


顔が雪みたいに真っ白になった康平が流石に心配になった俺は声をかけてみた。


「……大丈夫なわけあるか……もう吐きすぎて何もでねえよ……」



「そうですか……じゃあ康平さん、今日は出来そうに無いですね…(スキーが)」


千尋が寂しそうに言った。

おいおい、まさかひとつ屋根の下で行為に及つもりだったのか……狂ってやがる…



「あぁ…今日は遠慮しておくよ…(スキーを)。それに、迷惑かけたく無いし……(スキーで)」



「あ、当たり前だろ!何考えてんだお前は!」



俺は声を大にして康平に言った。

こいつらの特殊性癖のせいで、この旅行が台無しになったら相手方に申し訳が立たない。


「海斗…お前そこまで心配してくれるのか…(体調を)」


「心配すぎるわ(性癖が)」


よっぽど酔いが辛いのだろう、康平は俺を見ながら涙を流していた。



➖➖➖➖



スキー場と反対側に歩いて3分、俺たちは貸切のロッジに到着した。


12月も半ばに突入しそうになこの時期、スキー場から少し離れていても、辺りは一面に雪が積もっていた。


「わぁ、このロッジ大きいですね!」


雪に反射する光のように目を輝かせながら千尋は言う。


「いいかお前達、くれぐれも変な事はするなよ…」


2人に恐ろしい目つきで釘をさし、俺はロッジの扉を開いた。

いざ、パラダイスへ!!



「失礼します!…うわっ!!」



「…あなたが夏花と零をたぶらかしてるっていう瀬良海斗さんですね?」



目の前には、萌え声で背の低い茶髪の少女がフルフェイスを被って俺を待ち受けていた……




読んで頂きありがとうございました!

では!

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