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テコ入れ その2

各タイトルを改めました。←基本自分のため。

俺は、最初にログインした時同様の場所にいた。酒場のようなのところでカウンターテーブルと、受付の女性。机を挟んだ彼女の向かい側、つまり俺が立っている所の周囲は、丸い天板の机が四つとそれに椅子が四つづつ並べられている。


 どうやら、他の人はいないようでこの酒場には、受付の女性と俺だけのようだ。


「お帰りなさい。」

 周囲を見渡していると、女性にそう声をかけられた。


「…ただいま、でいいのか?」

「ふふ。はい、大丈夫です。」

 そう言って彼女は微笑む。

「そう言えば、最初もそうだがここはいったいどこだ?」

 せっかくだし気になっていたことを、聞いてみる。


「ここは、始まりの五柱の一柱、運命神の加護騎士の集会所です。」

 おっと知らない情報ですな。

「始まりの五柱とはなんです?」

「そうですね。簡単に言えば、箱庭を作成する事を、初めに提案したのがこの五柱です。」

「ほうほう。ちなみに運命神が一柱であるなら、他の四柱はなんていう神がなんですか?」

「創造神、邪神、時空神、精霊神です。彼らは箱庭管理の中心を担っています。」

 へ~箱庭管理の中心ね~。


「創造神は、生産全般、

 邪神は、モンスター全般、

 時空神は、加護騎士のステータスなど、

 精霊神は、魔法全般をそれぞれ管理しています。」

 そうやって、説明を行う女性…。


「ちなみに、我らが運命神様は?」

「え~と…。」

 そう言って、目を逸らす女性。


「始まりの五柱の一柱であるのに、その加護がステータス低下で運のみ上昇っていう神様は、何を管理してるんですか?ん?」

 そう言って、彼女の前に椅子を持って来て座りつつ、問い詰めてみる。

「…全般です。」

「ん~?聞こえないですが?」

「だから!神全般です!!」

 そう声を荒げてきて、つい目を瞠った。


「神全般?」

 なんだそれは。そう言えば確か運営は、神が神を作っているとか言っていたな…。箱庭メイン管理は始まりの五柱だとするなら。

「ええ、そうです。始まりの五柱が作った神も、その神から作られた神がどんなものを司り、どんな加護を与えるかを管理するのが、私。運命神ですよ。私大変なんです。忙しいんです。一人だけ現在進行形で、仕事が増える始まりの五柱ですよ!!休みをくれ!!」


「へ?」

 今、なんつった?

「つまり、あなたが運命神だと。」

「そこですか?!違うでしょ!尋ねる前に労ってくださいよ!!私過労で死にますよ!」

「そこは割とどうでもいいです。」

「ああん?喧嘩か?喧嘩売ってんのか?OK,言い値で買ってやる。表出ろ!」

 ええ、この人なんか最初と印象が変わってますよ~…。取り敢えず、このままでは拙い。

 

「まぁまぁ、落ち着いて。俺も殴りたいので外行きましょう?」

「え~…。普通、こんな美人に対して殴りたいとか言います?」

「あれ?すみません。思っていたことが、つい。」

「ねぇ?謝る気あんの?」

「あはは。」

 秘技、笑ってごまかす。これを受けたものは、怒る気力を削がれる。

「もうやだ、こいつ。」

 さす秘技。ドヤ!(注意、余計に怒られるパターンが多いので、ご利用は計画的に。)


「さて、話は戻りますけど、始まりの五柱の一柱である運命神の加護がこう、デメリットしかないんです?」

 ちなみに、このゲームにおける運とは“確率が関係するものに作用する”ものだ。ステータス的にE程度が普通で、一般的にE+、E-があるかどうかだ。ただし、運に関しては他のステータスと異なり、運に関するスキルを付けると、ステータスのEがそのままE+になるなどの変化しかない。つまり、スキルによるステータス換算が存在しない(要するに、運に関しては1~30の数値にしかならない)。

 そして、このゲームで運が関係するのは、“即死”“魅了”“石化”の防御時“だけ”だ。

 ドロップアイテム?リアルラックですが、何か?


「ああ~それは、私が荒れていた時に決めた加護ですからね…。」

「どういう意味、ですか?」

「辛かったら、敬語無で良いよ。なんたって、私の初めての加護持ちだからね。」

 それはありがたい。

「そんで、話しは戻すけれど、箱庭管理を始める際にね馬鹿共、間違えた始まりの五柱が好き勝手神を作ったのね。」

 おっと、毒吐いてくー。


「余りにも多く作ったから八つ当たり気味に、始まりの五柱の加護は受け取りにくくて、大器晩成型にしたのよ。そこから、地獄だったわ~。寝る間を惜しんで、加護とか決めていったのよ。」

「うへ~。」

 神なのに寝る必要って?ジト目された…。こいつ、心が読めるのか?!


「はぁ、まぁいいわ。んで、他の始まりの五柱がそんななのに、私だけ方向性変えるのはどうかと思ってね、結果その加護よ。」

「ふむ。なるほどな…。」

 神には神の事情があると…。


「ところで質問いいか?」

「どうぞ。」

 微笑みながら、そう言って、先を促してくる。

「あなたの仕事を手伝う神を作れば、忙しさは解消しないか?」

「…………。」

 おいこら…。目を逸らすな。


「隠したって結果は変わらないぞ?」

「そうね。今まで、考えたことが無かったわ…。」

 そう観念したように、彼女は呟いた。

 

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