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八割集合

「茶番は、これぐらいで良いだろう。」

 おふざけも大概にしないと、クエスト・・・・が進まないしな。


「むふふ~。で?さっきはなんで落ち込んでいたの、オリオン?」

 つい先ほどまで荒れておったチョロリスト(ミスト)が、俺にそう声を掛けてきた。


「だから、お前はミストなんだよ。」

「意味が分からないけれど、馬鹿にされている気がするよ。」

「良かったなミスト。正解だぞ。」

「君は、僕を怒らせて楽しいかい?」

「楽しいぞ!楽しいぞぉ!!ミストォォォォ!!!」

「話が進まないから、戻ってきてくれる?」

「そうか。」

「今日のオリオンは、テンションがジェットコースターだね。」

「あぁ、やはりミストさんは私達に必要ですね。」

「え?そ、そうかな。えへへ。」

「そう言うところだぞぉ!ミストォォ!!」


「そこのお三方。ちょっといいかい?」

 俺達が噴水近くで騒いでいると、一人のおっさんが声を掛けてきた。

「私達ですか?どうしました?」

「いや、昨日から見ていたんだがね、楽しそうだなと思ってさ?ちょっと俺も混ぜてもらえないかね?」

 渋い!!良い声だな!おっさん!!

 さて、さっきからおっさん呼びしてるおっさんだが、おっさんが言う様に昨日から視界の端にちらちら映っていたおっさんだ。つまり、俺達と同じ箱庭サーバー2に所属するプレイヤーってことだ。


「問題ありませんよ。」

「嬢ちゃん、ありがとう。坊主達もいいかい?」

「うん。僕も問題無いよ。」

「俺も問題ないです。でも―――――。」

 さて、役者も揃った事だし。

「話したいことがありますので、移動しましょうか。」

「「え?」」

「オリオンが敬語みたいな事を話してる…。」

「やはり体調不良ですか?」

「坊主。無理はしなくて良い。誰にでも向き不向きがある。」

「おい…。」

 はぁ…。お前らが気にし無さ過ぎなんだよ…。


△△△

 さて、俺達は場所を膝元の噴水から、箱庭サーバー2内の神殿へ移動してきた。移動してきたのは、俺、ミスト、サクラ、おっさんの四人。

 運命神の言葉が正しいなら、この箱庭サーバー2に所属するプレイヤーの八割がここにいるってことだ。


「あー、面倒だから素の口調でいかせてもらうぞ。」

「ええ、構いませんよ。」

「うん。ナチュラルに見下してこそ、オリオンだよ。」

「問題ないぞ。無理はよくない。」

 …。

「もう何も言わない。」

「ごめん、ごめん。冗談だって。」

「ミストのくせに生意気だな。」

「なんだい、簀巻きにするのかい?」

「これは三角ですか!!三角ですね!!」

「どうして、そうなるんだ?!」

「嬢ちゃんはあれかい?腐ってるのか。」

「サクラは、それでも綺麗だよね。」


「「!!」」

 ミスト?!

「おい、坊主。あれは大丈夫なのかい?」

「あれは重症だ。あいつ目が腐ってやがる。」

「するとなんだ。ここにいるのは腐った奴しかいないってことかい?」

「他二人はともかく、俺は違うぞ。」

「オリオンは性根が腐ってますよね。」

「くっ。」

 サクラ程じゃねぇよ…。別に~、俺の性根が腐ってるのは認めるけどさ~。でもさ~、君らも結構性根腐ってるって私~思うんですよ~。


「まぁ、オリオンは放っといて、自己紹介をしようか?」

 ほら!!ほらほら!!いじけ虫の俺を無視して、そうやって話し始めるやんけ!!

「まず僕からだね。僕はミスト。種族は鬼人、加護は神殿神の加護です。」

 そういう所!!

「次に、私はサクラです。種族はエルフ、腐れ神様の加護をもらっております。」

 この中で一番腐ってんのは、お前だから!!素知らぬ顔で、笑顔振りまいてるお前だぞ!!

「ふはは。やっぱり坊主達は面白いな。」

 面白いじゃないから!!おっさんお前か?お前もなのか?!


「俺は、ロン・リー。種族は竜人で、選択したかみさんは、縁結びの神だ。」

 おっと?

「縁結びの神って確か、ミストの選択肢も出てたやつだよな?」

「うん。そうだよ。」

「お?ミストの坊主は、神殿神?ってのにしたんだよな?」

「うん。縁結びの神の加護は、魅力的だったんだけどね。

「神殿神よりも良くは無かったんだろ?」

「あの、オリオン。先に自己紹介をすべきですよ?」


「あ、ああ。そうだな。俺の名前はオリオン。種族はドワーフで、運命神の加護を貰ってる。」

 色々気になるがサクラの言う通り、確かに自己紹介が先だな。

「おう。オリオンのボウ…って見た目じゃねぇよな。」

 まぁ、俺の顔面はクルクル髭で覆われているからな。坊主って歳の少年には見えないか…。心はいつでも少年だけどな!

「どっちでもいいぞ。」

「そうかい。じゃあ、これからも坊主って呼ばせてもらおうかね。」


「でだ。自己紹介も無事に終わったし、さっきの続きだが。」

「うん。縁結びの神だよね?ロンさんの加護だから、僕からは…。」

「別に問題ないぞ。」

「じゃあ、続けるね。縁結びの神は、正直神殿神の加護よりも良い物なんだよね。えと、これを見てもらっていい?」

 そうして、ミストがお馴染みメニュー内にあるメモ欄を見せてくれる。


――――――――――――――――――――――――


縁結びの神の加護 Lv.1/5

『友。すなわちそれは戦友であり、盟友である。』

 自身のフレンド数×0.1%、一つのステータスが上がる。


――――――――――――――――――――――――


 確か、フレンド数の上限は百だったか。

「「これは…。」」

「一つだけとはいえ、破格だな…。」

「確かに、条件次第では神殿神の加護よりも良いですね。」

「ちなみに、ロンさんはフレンド数は今のところ何人いるんですか?」

「俺かい?今は、五十二人だな。だから5.2%、物防が常時上がってる状態だな。」

「マジかよ…。ミストはどうして、縁結びの神を選択しなかったんだ?」

 正直これは…。ちなみに神殿神の加護がこちら。


――――――――――――――――――――――――


神殿神の加護 Lv.1/5


『神の威光を受ける迷える子羊に祝福を』


 神殿で、かの神に祈りを捧げることで、神殿から半径100mにいる間、すべてのステータスに1%プラス。持続時間はゲーム内時間で24時間。


――――――――――――――――――――――――


「だって、再選択の時に、『神殿神を選んでいた際に参加していた同じサーバーに参加できない場合があります。』って注意文が出たからさ…。」 

 そう言って、サクラをちら見するミストォ。

 そして、それを無視するサクラ。


「ミストの坊主も大変だな。こりゃ。」

「だな。」



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