Part3
「それは・・・。お前のテストをするためだ」
「テ・・・テスト?!」
な、なんなのテストって・・・。
私は目をパチクリさせる。
ツバサは空中に飛び上がった。
「さぁ!Let's test!!」
ツバサがそう言うと、白い空間に映像が映し出された。
その映像は・・・私の殺された日だった。
「どうゆう・・・こと?」
「記憶力のテストだ」
「記憶・・・力」
『きゃぁ?!』
女の人の叫び声だ。
「さぁ。ココで問題」
ツバサの言葉と共に映像が止まる。
「この叫び声は誰でしょう?」
「・・・ミナお姉ちゃんよ」
「せいかーい」
また映像が動き出す。
『やだっ!やめっ』
お姉ちゃんにナイフが向けられる
『家宝はどこだ?!』
『知らないわよ!』
『そうか』
『いやぁ!!』
お姉ちゃんが殺された。
「・・・おねえちゃん・・・」
私の目から涙が流れる。
こんなの・・・。
こんなの見たくないよ・・・。
また映像が変わった。
『誰だテメー?!』
男の子の声だ。
「これは誰?」
「弟のナミキよ」
「せいかーい!!」
・・・。
こんなんで正解したって嬉しくないよ・・・。
『うわぁ?!』
ナミキが殺された。
「もう・・・やだ」
「ん?」
「もうやだよ!!」
私の瞳から涙が次々とこぼれおちる。
「これ・・・なんの意味があるっていうの?!」
「お前の愛情テストだ」
「愛情・・・テスト?」
なにそれ・・・。
さっき言った"記憶力テスト"ってのは嘘だったの?
最低・・・。
「お前に家族への愛があるかどうかテストしてたんだ」
「・・・」
「ま。結果はありすぎってとこだな」
キッ。
私はツバサを睨みつける。
「ふざけないでよ!!」
私はツバサの頬を殴ろうとした。
でも、私の右手はツバサの右手によって止められた。
「そんなカッカすんな。俺だって・・・好きでやってんじゃねーんだよ」
「・・・。離してよっ!」
私は無理やりツバサの右手から離れた。
・・・もうやだ。
生き返りたい・・・。
こんなの・・・忘れちゃいたいよ・・・。
「ナミ。忘れてーのか?」
「え?」
「行き返りてーのか?」
何・・・それ。
私の心の声・・・聞こえてるの?
「そうだよ・・・」
私はつぶやいた。
「行き返りたいよ!もうこんな苦しいのやだよ!忘れちゃいたいよッ!!!」
私は叫んだ。
また白い空間に響き渡る。
「本当に・・・」
「え?」
「本当にいいのか?本当に忘れてもいいのか?」
「・・・」
忘れれば・・・楽になれる。
でも・・・家族みんなのこと・・・忘れたくない。
「どうする?」
「・・・」
私が忘れたら・・・みんなは許してくれる?
「・・・忘れる・・・」
「え?」
「リセットする!」
「・・・分かった」
ごめんね・・・みんな。
すると、私の体は光り出した。
「な・・・何コレ?!」
私は空中に浮かびあがった。
「元気でやれよ」
「え?!どうゆうー・・・」
私の体は消えていった。