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城の構造の基本的な変化

 城の歴史、いや歴史を振り返るとわかるのは時が未来へ進むとは限らないという事である。

城の構造の歴史はどこを起点で喋るかによって結構変わってくる。ここでは中世欧州を起点に語る。

中世欧州の城塞は大別するとモットの有無によって2つに大別される。



 中世初期:モット&ベイリー方式

 守りやすそうな丘に城主のモットを築き、周囲に《ベイリー》と呼ばれる家や兵舎を柵で囲んだ造り。後述の集中式城郭の城が出てくるまでの欧州における基本的な構造の城である。


初期のモノは木造の柵で木造の砦を囲んだだけのものだが、各領主が力を持ってきて石工術の技術が増してくると石造りのモノが基本となる。とは言え石造りのモノはお高いし時間もかかる、中間に城主の砦を石の城壁で囲んだ構造シェルキープが現れ、石造りの城主の砦が登場する。砦の形も四角形から円型へと変遷してゆく。




 中世中期:集中式城郭

 時代を経て城塞が大きくなってくると丘の上の城主の砦は精々が兵舎以上の意味がなくなってくる。

そこで城壁の厚みを増し各所に城塔が設けられ替わりに城主の砦は姿を消してゆく。

こうして円形に防御が固められ、城壁と塔しかない典型的な欧州の城塞が登場する。

中世欧州における戦闘城塞の集大成と言える構造である。


 このようになった背景には新型の投石器であるトレブシェットの存在がある。

それまでの城では一枚しかない城壁が破られるとそれでおしまいだったが、この新型投石器により城壁が破られる危険性が高まったため複数の城壁を築き、高い城塔を築きに攻城兵器にたいして牽制を加える必要が出たのだ。



 中世末期(ルネサンス期):ルネサンス様式

 何という事でしょう。ルネサンスの幕開けにより狭く居住性ゼロの砦は窓が広く開放感あふれる貴族の邸宅になりました。つまりこの頃の城は前述の多重連環城壁から発展はないし宮廷を造ることの方が多かったようだ。


中世の終わりになると欧州の人々もいくらか落ち着き、剣や槍で殴り合うより札束や階級で殴り合った方が良いと考え地方領主レベルでは薄暗い城を造らず絢爛豪華な宮殿を造るようになった。国内の戦争は宮廷内での政治闘争に変化したのでガチガチに防御を高める必要性がなくなったのだ。


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