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12ページ目 主人公、凱旋するの巻

これからの展開について、もう少しのばしてみる事に。

数か月ぶりの姫様の帰還に、ブルーム城は朝っぱらにも拘らず多くの人々が歓声を上げて姫様を迎えていた。俺たちより先にいち早く報告するために城に向かったベートによってこの光景が作られたらしい。


それにしては人の数多くない?と疑問に思った俺に、ギムさんがこのタネを教えてくれた。


なんでも俺の今までの功績から、王様が姫様の帰還、呪いが解けるという旨の御触れ書きを城下町に出していたらしい。


もし失敗していたら。ギムさんの話を聞いた俺が自分自身を心の中で褒めちぎったことは言うまでもない。失敗?目も当てられないから。


というか、失敗してたらその時点で無事ではないし、関係は最初からなかったと自己解決する。


俺は今馬車に揺られている。姫様を乗せた豪奢な造りのものの後ろを追随する形でベートとクラウスの2人と一緒に乗っている。ギムさんは姫様の乗っている馬車に同乗している。流石に専属メイドということか。いまだに眠りから目覚めない姫様を心配しているようだった。石化も解けているし呼吸も安定している。結構安らかな寝顔だったから、もうじき起きると思うけど。


馬車の乗り心地というのも、なかなかに辛いものがあるな、というのが人生初の馬車に対する俺の気持ち。


「馬車ってこんなに揺れるものなのか……。」


「そりゃ、畦道だからな。こんなところ普通は王族が通るようなところでもないし、今回は特例ってやつだな。」


……まあ、せっかくの凱旋だ。徒歩よりは威厳もあるか。


そんなことをぼんやりと思っていると、急に眠気に襲われ始めた。だけどこんなにガッタガッタ揺らされたら寝ようにも寝れない。


お城に着いたら、とりあえず諸々のこと放置して寝ようと心に決める俺であった。


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城に着いた俺は、早々に部屋に退散した。途中で会った王様になんか言われた気がするが、あまりの眠気で半分白目むいてたらしい俺を見ると、


「その様子では話もろくに聞けないな……。まあとりあえず休め。


……シャウラを助けてくれたこと、本当に感謝するぞ!」


ということを言ってくれた、と思う。


王様と別れた後、部屋を目指して進行を開始する。しかし、あまりにも強い眠気で足元がおぼつかない上に道を何度か間違えてしまった。連日の狂った生活習慣がたたったのだろうか。今度からじちょうしないとなあ。ねむねむ……。


なんとか部屋までたどり着きそうだぞ俺。ちょうどその時ギムさんたちが部屋から出てきた。うん?へやかたづけてくれたのかな。


入れ違いで部屋に入った俺はそのままベットの中に潜り込む。間もなく俺の意識は心地いい波の中を漂い始めた……。


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ギム達メイド衆は姫様の容態について不安の色を隠しきれていなかった。未だ姫様の意識が回復していないためである。すぐに前もって手配しておいた王室お抱えの医師に診察してもらうと、『ただ眠っているだけですな、あと数刻でお目覚めになるかと』とのことであった。


とりあえず胸をなでおろしたギムは、姫様の快適な睡眠を実現するために姫様の自室に数人のメイドと協力し彼女を運んだ。丁寧に姫様の回りを整えると、邪魔にならないように静かに退室した。部屋の見張り役は他のメイドに任せその場を後にした。眠気の権化と化した少年が部屋に潜り込んだことに気付かないまま……。


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「うう、ん……」


その声が聞こえた瞬間俺は目を覚ました。

常日頃一人ベットで過ごす俺からすると(複数人で寝床を共有する高校生、いなくね?)、耳元でささやき声ならぬ寝言が聞こえてきたらやはり異常なことなのだ。


しかし、まだ覚醒しきっていない俺の脳みそは状況を把握しきれてはいなかった。とりあえず周囲の情報を集めなければいけない。


視覚、もとい瞼は上がり切っていないため断念。触覚に頼る。未だベットに横たわりながら前方をまさぐってみると、なんかサラサラしたものに接触。うわ、手触りいいな~。


少し下にスライドすると、今度は何やらプニプニしたものを感知。なんかプルプルしてんな~。少し湿ってるし。


……ナンダコレ。


瞬間、全力で開眼する俺。目に入ってきたのは、エメラルドのような光沢ある瞳をパッチリ開けた少女の唇を俺の指が弄っている光景。


サラサラと流れる淡い色の金髪からは、朝日を浴びて光る粒子がまき散らされているようであった。さっきのサラサラはコレダッタンダナー。


……その直後、姫様の甲高い悲鳴が城内を駆け巡ったことは言うまでもない。


仮眠取ってから続き書き始めます。

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