第7話 ドラゴンテイムと異能開眼
今更ですが、このお話は主人公最強モノです。後、奴隷とかも普通に出てきます。ハーレムを明言するわけではありませんが、女性率は高くなっていきます。この話辺りからその傾向が強くなっているので、苦手な方はご注意ください。
マップで確認していた、お宝類をまとめて置いてある部屋に到着した。扉は金属製の頑丈そうなものだ。鍵はお頭が持っていたので当然奪ってある。いよいよお待ちかねのフェザードラゴンとの対面だ。部屋には他にも色々とため込んでいたみたいで、高価そうな品も結構ある。しかし、俺たちが持ち帰れる量には限りがあるので、持っていくものはよく吟味して決めようと思う。優先順位の低い物は、また後で取りに来るというのもありだろう。
だが、そんな事よりもドラゴンだ。ドラゴンだけは、絶対、今すぐ、テイムする。
「ここがお宝部屋ですか…。厳重に扉に守られていますね」
「恐らくだけどこの盗賊団、相当の大物だよ。たった10人だから大したことないと思っていたけど、お頭を含めた時の戦闘力は異常だった。ドラゴン以外のお宝にも期待できるね」
扉を開けた。重そうな見た目の割にスムーズに動いた。俺の力が上がっているだけか?
マップで見て知っていたが、中は結構広い。樽や木箱などが雑多に置かれている。そして部屋の中心に置かれたテーブルの上に小さな檻が乗っていた。俺は迷わずその檻に近づいていく。
「きゅいいい」
俺たちに反応したのかフェザードラゴンが鳴き声を上げる。檻の中を覗くと、フェザードラゴンと目があった。白い羽毛のような羽、ドラゴンらしさはあるが、愛嬌があり素直にかわいいと言える顔。うん。絶対テイムする。
Q:魔物をテイムするにはどうしたらいい?
A:スキル<魔物調教>は必須となります。野生の魔物が懐くことはありますが、それは「テイム状態」ではありません。まず、<魔物調教>の専用術を使い、魔物にテイムを宣言します。レベルが足りなければ、はじかれて失敗します。レベルが足りていれば、魔物が術の使用者を主と認めるまで戦います。だいたいHP残り2割くらいまで削れば、魔物は使用者を主と認めます。制限時間は2時間で、これを過ぎるとテイム失敗となり、同じ個体に宣言するのには1か月のクールタイムが発生します。
「仁君…始めるのですか?」
「ああ、万が一失敗したら1か月はこの辺で過ごすことになる」
「いや、そこは諦めましょうよ…」
「やだ」
そうなったら本当に1か月この付近で過ごすか、檻に入れたまま旅を続け、都度テイムを試すことになる。ほぼ盗賊の活動だな、それ。
「じゃあ始めるぞ」
「頑張ってください!」
少し必死なさくら。応援してくれているのか、ただここで過ごすのが嫌なのか。…確実に後者だろ。
檻の前に立つ、目が合う。俺からは絶対に逸らさない。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。見つめ合う。
「テイムしないんですか?」
「はっ!?」
トリップしていたが正気に戻る。でも目は離していない。早速術を発動。魔法とは少し違う陣がフェザードラゴンに飛んでいく。当たり、陣が弾ける(仁は弾けない)。
>フェザードラゴンをテイムしました。
>フェザードラゴンに名前を付けてください。
はい?戦闘は?いや、檻に入ったままだから戦闘するには出さなければいけないんだけど…。
「どうしたんですか?戦わないのですか?」
「…いや、戦闘なしでテイム成功した」
「…そんなことあるんですか?ヘルプが間違えていたのでしょうか?」
「ヘルプ先生は間違えない」
自信満々に言う。でも一応先生に質問をする。
Q:戦闘せずにテイム出来たけどなぜ?
A:術の使用者を最初から認めている場合、危機的状態にありテイムされてでも助けてほしい場合など、魔物がテイムを望んでいれば、戦闘なしでテイム可能です。
「最初から認めていたり、助けてほしいときは、すぐに了承してテイムされるみたいだ。戦闘は必須じゃないってことみたい」
「あ、なるほど。きっと仁君のこと、檻から出してくれる優しい人って思ったのでしょうね」
個人的には目を離さなかったことが高得点だったのではないかと思う。早速檻から出してあげる。盗賊から奪った<鍵開け>が早速役に立つ。
「きゅいい…」
檻から出てきたフェザードラゴンは小さい翼で羽ばたいて、俺の胸元にすり寄ってくる。何この生き物、超かわいい。しばらくそのままフェザードラゴンを幸せな気持ちで撫でていた。
…そうだ。名前つけないと。
>「ドラ子」と名付ける ←
>「ドーラ」と名付ける
>「ゆかり」と名付ける
…自分の選択肢に絶望した。前2つの安直さ具合に。そして何より3つ目、初恋の女の子の名前だよ。テイムモンスター(♀)に初恋の子の名前を付けるとか倒錯した趣味はないつもりなんだが…。とりあえず「ドーラ」にしておこう。多分、まだマシな方だろう。
「君の名前は「ドーラ」です」
「えっ、それって…」
「ドーラです」
「そのっ…」
「ドーラです」
「あっはい」
「もしくはチェリーです」
「それは止めてください。ドーラでお願いします」
さくらが心底いやそうに言う。そりゃあ、目の前でほぼ自分と同じ名前をペットにつけられるのは嫌だよね。
「きゅういいいい!」
多分喜んでいる。「ドーラ」という名前が気に入ったというよりは、名前を付けてもらったことが嬉しいのだろう。
喜ぶドーラを見てほっこり。やっぱり、ペットとか小動物は良いものだよね。
そういえばドーラの詳細ステータスを確認しておこう。マップ上では情報が多すぎても整理しきれないから、見えるステータスを簡易版にしている。仲間になった以上は、もっと詳しく知りたい。万が一テイムできなかったとき、詳細を知っていたら余計に悔しい可能性があったというのもある。
名前:ドーラ
性別:女
年齢:5才
種族:フェザードラゴン(ドラゴニュート)
スキル:<竜魔法LV3><飛行LV1>
称号:仁の従魔、竜人族の皇女
ドラゴニュート?聞いたことのない単語が出てきた。ヘルプ先生ー。
Q:ドラゴニュートって何?
A:ドラゴニュートは竜人種ともいわれる種族です。ドラゴンの形態と人の形態を切り分けられます。ステータスなどのベースはドラゴン扱いとなり、上位竜種のどれかの姿を取ることになります。人間同等の知性がありますが、基本的に魔物扱いであり、テイムレベルも竜形態と同一です。
ドラゴンのペットかと思ったら、ドラゴン娘でした。
つまり、レアなフェザードラゴン(上位竜種)形態を持つ、竜人という種族なのか…。一般の人に竜形態のドラゴニュートと普通のドラゴンの区別はつかないみたいだな。
気になるので、ドーラに人間形態を見せてもらうことにした。
「えーっと…人間形態を見せてくれるかな?」
「何のことですか?」
ごめんさくら。説明はあとで。
「きゅい」
一声鳴いてうなずくと、ドーラの体が光る。徐々にシルエットが大きくなり、光が収まるとそこには5歳くらいの女の子がいた。マッパで…。うん。服着てるわけないよね…。
腰まで伸びた髪も肌も白く、整った顔。瞳だけが竜形態と同じく青い。竜形態もかわいいけど、こっちはこっちで滅茶苦茶かわいい。とはいえ、裸の女の子をいつまでもガン見してるわけにもいかない。服もないので、惜しいが竜に戻ってもらおう。
「竜に戻ってくれるかな」
「きゅい」
もう1度光って竜形態になる。そういえば、5才くらいの女の子ってことは人間形態の年齢が実年齢と一致しているのか。
「ななななな何ですか今の!?」
>さくらは混乱している
「ドーラは竜人だったんだ。今のが人形態」
限りなく端的に説明してあげたが、さくらの混乱は落ち着きを見せることはなかった。
「なんですかそれ!?そんな種族がいるんですか!?仁君、人間をテイムしたってことですか!?」
「落ち着いてくれ。順番に説明するから」
「はい…」
俺が努めて冷静な口調で言うと、少し落ち着いてくれたようだ。
「まず、竜人という種族についてだ。竜形態と人間形態を分けられる種族でドラゴニュートとも呼ばれているらしい。マップで気付けなかったのは、通常は竜扱いだからみたいだ。テイム出来たのもこれと同じ理由で、竜として扱われる。つまり基本は魔物扱いだからということになる」
「人間みたいですけど、魔物扱いということですか?」
俺としてもその境界は曖昧なんだが、恐らくそういうことだろう。
「多分な。テイム出来たということは、そう言うルールなんだろう」
ある意味でこれは良かったのかもしれない。懸念点の1つに、フェザードラゴンなんてレアな魔物を連れて歩いて平気なのかというのがあったのだが、図らずも解決したことになる。
「そういえば、人間形態なら人間の言葉しゃべれるのか?」
人間の言葉がわかってはいるようだが、人間の言葉を喋ることが出来るのだろうか。これも気になるので聞いてみる。
「きゅいいいい…」
首を横に振る。無理なのか。何故かはヘルプ先生の方に聞いてみよう。
Q:ドラゴニュートって人間の言葉喋れないの?
A:喋れます。ただし、5歳くらいでは人間形態、竜形態ともに未熟で、どちらの機能も中途半端となっています。本格的に喋れるようになるのは10歳くらいからです。
人間形態があるとなると、意思を疎通がしっかりしたい。相手がペットなら、多少通じなくてもいいのだけど、人間形態が相手となるとそうもいかないだろう。困った。
そんなことを考えていたら頭の中に情報が追加される。
>新たな異能が解放されました。
<無限収納LV->
触れたものを不可視の収納空間に送る。または取り出すことができる。容量は無限。生物は収納不可。フォルダ分け、条件検索などができる。
>新たな異能が解放されました。
<契約の絆LV->
能力所有者の下位(部下、奴隷、従魔など)となる存在と契約を結ぶことができる。契約を結んだ相手とは不可視の線によって、さまざまなものを共有することができる。スキルやステータス、異能などを他者に使わせることができる。また声を出さないで思ったことが伝えられる『念話』も可能となる。能力の詳細を決められるのは所有者のみで、所有者をマスター(主)、それ以外をスレーブ(従)とするネットワークの構築ができる。
>生殺与奪がLV3になりました。
>新たな能力が解放されました。
<生殺与奪LV3>
スキルポイントを変換できる。変換効率は5:1。持っていないスキルには使用不可。
俺の異能が俺を甘やかしてくれている。今現在俺の頭を悩ませている問題が、異能によってすべて解決できる。
まず、<無限収納>。これは持ち物を無限に持てるということだ。便利さは言うまでもないだろう。具体的には盗賊からの戦利品をすべて持って帰れるということだ。生き物は無理とのことだが、死体は入れられるらしい。しかも青い猫型ロボットの「テンパると取り出せない」、なんてことがないようにフォロー付きだ。と言うか、「無限にものが入る」へのあこがれは大体アイツのせいな気がする。
次に<契約の絆>。ヘルプに細かいことを確認したら、とんでもない能力であることがわかった。まず、契約状態の相手が倒した相手からも能力を奪える。<無限収納>と合わせて狩りの効率がかなり上がるだろう。
パスは距離無制限。テイムモンスターと契約して、戦わせれば、部屋でくつろぎながら強化されていく。契約対象の数も無制限なので、実現はそんなに難しくない。最後に意思も共有というか伝えることができる。簡単に言えば思ったことを口に出さずに契約相手に伝えられる。これにより戦闘中にしゃべらずに作戦を伝えられる。さらに言えば、意思がある相手の声帯を無視できる。つまり、ドーラと話せるのだ。
早速ドーラと契約する。相手が従魔の場合は了承は不要なようだ。
ドーラに向けて頭の中で念じてみる。
《ドーラ、聞こえてるか?》
《!?うん、この声はごしゅじんさまー?》
おお、伝わった。ドーラも驚いているようだ。そうか。ドーラはごしゅじんさま呼びなのか。ドーラに簡単に説明をしてみる。
《そうだ。俺の能力で、俺とドーラは口に出さずに喋ることができるようになった》
《すごいー。さすがごしゅじんさまー》
多分あんまりよくわかってないな。知能の方も5歳児程度なのだろう。
《ドーラはなんでこんなとこにいたんだ?》
これも言葉が通じるなら聞いておきたかったことだ。さくらは放置で悪いが、ドーラとの意思疎通を優先しよう。
《うんとねー。おうちにいたら暇だったから出かけたのー。おなかがすいてごはんさがしてたら、こわいおじさんたちにつかまったのー》
そうか、遊びに出かけていたら捕まってしまったのか。それにおうちって言ってるけど、実は怖い単語が称号欄にある。
称号:仁の従魔、竜人族の皇女
厄介ごとのにおいがする。
《ここくさいし、ごはんもまずいし、誰かたすけてくれないかなーって思ってたら、ごしゅじんさまが来たの。で、光ったと思ったらこの人がごしゅじんさまだってわかったの》
魔物側からしたら、そういう認識なのか。光ったというのはテイム用の陣のことだろう。
「ずっと黙っていますけど、どうかしましたか?」
置いてきぼりだったさくらが質問をしてきた。さくらへの説明もそろそろすべきだな。
「ああ、黙っていて悪かった。実はな、俺の異能が増えてドーラと心の中で会話ができるようになったんだ」
「また仁君の異能ですか、少し困ったことがあると、だいたい仁君の異能が解決してくれますよね」
さくらも苦笑しながら言う。全くその通りだと思います。
「他にも<無限収納>って言って、ほぼ無限にものを入れられる倉庫みたいな異能も手に入れたよ」
「本当ですか!2つも異能が手に入ったんですよね?いったい何個異能があるんですか仁君!」
そういや上限は言ってなかったな。この機会に説明しておくか。
「多分7つ。さくらのステータスにもあるハテナがあと3つあるから」
「7つ!あと3つも出てくるんですか!?チートですよチート!」
ちょっとさくらのキャラが壊れてる気がする。俺は異能の詳細についてさくらに説明した。
数分後…。
「…わかりました。その異能が適用されれば、ドーラちゃんと話ができるんですね」
「ああ、その通りだ。ただ、この異能を適用できるのは俺の配下といえる存在だけらしい。従魔とか奴隷でなくても、この異能を受けることはできるけど、この異能を受け入れた段階で、俺の配下となることを認めたという扱いになるみたいだ」
「わかりました。じゃあ、私も配下になるので異能を適用してください」
「え?」
落ち着いたと思ったさくらが、急にそんなことを言い始めた。もしかして、全然落ち着いてない?
「さくら。落ち着いてくれ。話を聞いていたか?配下になるってことは、従魔や奴隷と変わらない立ち位置になるんだぞ?いいのか、それで?」
普通の女子高生が男子高校生の配下になるって、イヤラシイ響きがあるよね。
「はい、大丈夫です。その異能が適用されれば、様々な恩恵があるのですよね?」
「ああ、さっきも説明したが、ステータスやスキルの譲渡、心の中での会話、<生殺与奪>の効果適用が簡単に行えるようになる。基本的にデメリットは何もないはずだ」
そりゃあ、俺としてもさくらに適用すれば色々と楽になるとは思うが、簡単に誘えるような内容じゃあないと思っていた。それをさくらの方から言ってくるのは正直意外だった。
「でしたら、足手まといになりやすい私が効果を受けることは悪いことではないですよね」
「まあ、そうだな。でも俺が言いたいのはそういうことではなくて…」
有効か否かではなく、1人の少女としてそれを受け入れられるのかという方が問題なのだ。
「それこそ問題ありません。今の私に仁君からの指示を拒否することなんてできませんし、そのつもりもありません。仁君の庇護下にある以上、配下と何にも変わらないじゃないですか」
それはその通りだ。配下になったからと言ってひどい扱いをするつもりもなければ、関係性が変わるようなこともほとんどない。
「できれば、えっちなお願いは心の準備ができるまで待っていてくれるとありがたいです…」
真っ赤な顔で言うさくら。
おい、ありなのか?あえて考えないようにしていた方面がありなのか?というかそこまで覚悟できているのか?OKなのか?
「それは…」
「そっちの話はまた今度にしましょう。とりあえず私には仁君の配下になる覚悟はあります。それに、最初に同行するときに言ったじゃないですか、『どんなことでもします。足手まといにならないように頑張ります。』って。あとは仁君の気持ち次第です」
そこまで言われて、俺の方が断ることなんてできるわけがないだろう…。
「わかった。後悔すんなよ。馬車馬のように働かせてやるからな」
「はい!何でもしますから、任せてください!」
内容に反して元気良くさくらが返す。さくらがいいのなら、問題ないだろう。
「じゃあ、早速小指を出してくれ」
「小指、ですか?」
「ああ、この能力を新たに配下になる相手に使うには指切りが必要なんだ」
正確には、俺の小指と相手の体の一部を繋ぐというのが発動の条件だ。その時に相手が俺の配下になることを受け入れていたら、適用完了となる。相手も小指でないのは、相手に小指に該当する器官がない可能性もあるからである。人間相手なら小指同士がいいだろう。
「なんか可愛い発動条件ですね」
「言うな…。俺もそう思っているから…」
さくらが小指を出しながら言う。この年になって指切りは少し恥ずかしいのはお互いさまで、2人とも若干赤くなりながら指切りをする。発動完了だ。
見えないパスが俺を中心にさくらとドーラに伸びている。2人に向かって話しかけてみる。
《どうだ。聞こえるか》
《わっ、すごい変な感覚…。はい、聞こえます》
さくらもすぐに使い方がわかったようで、俺とドーラに言葉を伝える。
《やっほー。さくらおねえちゃんだね。よろしくー》
喋れはしないが、ドーラもさくらのことはしっかりと認識していたようで挨拶をしている。
《この声がドーラちゃんですね。こちらこそよろしくお願いします》
《うん!》
ドーラも話せる相手が増えてうれしいのだろう。さくらにも十分に懐いているようだった。
そういえば、もう1つ能力が追加されてるんだっけ。
「<生殺与奪LV3>について検証するから、しばらくの間2人で話しててくれないか?」
「はい、わかりました」
《はーい》
今まで俺は<魔物調教LV2>のように表示していたが、これは正確ではない。正確には<魔物調教LV2(9/20)>と表示されているのだ。1番右のカッコ内は(現在ポイント/レベルアップポイント)となっており、レベルアップポイントは現在スキルレベル×10となっている。
例えば<身体強化LV1(9/10)>が1ポイント増えたら、<身体強化LV2(0/20)>となる。<身体強化LV2(19/20)>が1ポイント増えたら、<身体強化LV3(0/30)>となる。ちなみに<生殺与奪>では、レベルを考えずに合計ポイントだけで処理されている。つまり、<身体強化LV3(0/30)>を奪いきったら、俺には<身体強化>が10+20の30ポイント分追加されることになる。現に、<魔物調教LV3(13/30)>は<魔物調教LV2(9/20)>と<魔物調教LV2(14/20)>を合わせたから到達できたのだ。
次に<生殺与奪LV3>について考えてみよう。これは余ったポイントで他のスキルを強化できるってことだろう。試しに使う予定のない<吸収>と<分裂>をそれぞれ5ポイントずつ未変換ポイントにする。未変換ポイントが2ポイントできた。これを持っている相手が少なそうな、<鼓舞LV2(19/20)>に1ポイント足してみる。スキルレベルが<鼓舞LV3(0/30)>に上がった。
変換効率は5:1と、決して良くはない。しかし、1ポイントでも持っていればそれを増やせるというのは大きなメリットになるだろう。例えば、街の人間からレアなスキルを1ポイントだけ奪い、この能力でポイントを増やしてから1ポイント返すことで、相手の能力をそのままにスキルを得ることが出来る。敵対していない相手のスキルが欲しい場合は、この方法を使えば角が立たないのではないだろうか。もちろん勝手に奪うことへの罪悪感は置いておくが…。
一応言っておくが、この国の住人に対し、今言ったようなことはしない。ある意味でこの行為は借りを作るようなものだ。この国の住人に対し、本人が知らないとはいえ、借りを作るようなことはしたくない。この国の住人に<生殺与奪>を使うときは敵限定で、殺しても構わず、奪いつくすのが基本となる。
20150912改稿:
修正(6)の内容を反映。
20181010改稿:
仁の「ペットを飼ったことがない」明言を削除。