第6話
・進堂凛の交流 信奉者編
・主任迷宮保護者キャロ 迷宮案内
裏設定マシマシです。
標題:進堂凛の交流 信奉者編
視点:作者
時期:第13章後
カスタール女王国の北部にあるサノキア王国には、現在17人の勇者が所属している。
実際には、彼女達(全員女性)は既に勇者の資格を失っている為、元勇者と呼ぶのが正しいのだが、その事を知る者は少ないため、世間的には今も勇者として扱われている。
皮肉にも、本物の勇者達が不甲斐なく、彼女達の方が成果を上げている為、最も優秀な勇者として有名になっていたりする。
そんな優秀な彼女達に、サノキア王国は大きな屋敷を与えている。
サノキア王国としては、1人1件ずつ家を与えても良かったのだが、17人全員が1つの屋敷に住むことを望んだため、『大きな家』ではなく、『大きな屋敷』となった経緯がある。
彼女達17人には、元勇者と言う点以外にも共通点がある。
それは、全員が進堂仁に救われ、後に信奉者になったと言う点である。
彼女達の1番の目的は『仁の役に立つ』であり、同じ目的を持つ同士故に、その結束力は非常に強い。
今の彼女達の目的は、『魔王討伐』である。
これは、勇者としての使命ではなく、仁からの指示だからである。
その為、17人の勇者は全員が精力的に活動しており、折角もらった屋敷だが、普段はあまり人気がなかったりする。
しかし、その日は珍しく1人の客人を応接室で迎えていた。
客人の名前は進堂凛。信奉する進堂仁の妹である。
「単刀直入にお聞きします。貴女は、兄さんの呼びかけに応じ、この世界への転移を選ぶ人を何人ご存知でしょうか?」
それは、仁ならば絶対にしない問いであった。
そして、その問いに答えたのは、17人の元勇者のリーダー的存在である七宝院神無だ。
「それは、進堂様のために元の世界の全てを捨てられる人、という認識でよろしいですか?」
「はい、その認識で間違いありません」
エルフの里にある世界樹には、異世界人を召喚する機能があり、凛がこの世界に来たのも、仁がその機能を使って召喚したからである。
被召喚者は異世界に転移するかどうかを選べるが、転移する場合、その場で元の世界の全てを捨てる覚悟をする必要がある。
凛が聞いたのは、仁に召喚された場合、受け入れる人間は何人居るか、という物だ。
すなわち、この場に居ない信奉者の人数と言う事でもある。
「私達の集めた情報では、73名の女性と32名の男性が該当します。その内、19人は元の世界で持つ影響力が大き過ぎるため、少なからず社会的な混乱が発生すると思います」
本人が召喚される事を望んだとして、残された側に影響が出ないと言う事は有り得ない。
仁の信奉者の中には、大きな影響力を持つ人間が少なからず存在した。
「逆に、転移してもほとんど影響が出ない人は何人いますか?」
「影響が0と言う事はありませんが、影響範囲が極めて限定されている方が26人、全員が10代から20代の女性となります」
圧巻の女性率である。
「質問なのですが、進堂様が召喚をするとおっしゃったのですか?」
「いいえ、兄さんは何も言っていません。基本的に召喚機能を使うつもりは無いようです。私を召喚したのも、本人が進んで行った事ではないと言っていました」
ミオによる猛烈なプッシュの結果、凛を呼んだという経緯がある。
「それでは、何故このような事をお聞きになったのですか?」
「兄さんを説得し、異世界から信奉者の方を召喚するためです」
「……進堂様の意に反した事をする訳では無いのですよね?」
七宝院にとって、それが何よりも重要な事柄だ。
「当然です。今回の場合、兄さんのスタンスは『保留』です。私と言う前例がある以上、完全な拒絶にはならないはずです。本当、ミオさんには感謝しかありません」
仁は一度拒絶した事を翻す事はほとんどない。
仁が最初に『お蔵入り』と言った時、ミオがそれを止めて召喚を勧めなければ、召喚が行われる可能性は非常に低くなっていただろう。
「召喚しても元の世界への影響が小さい方でしたら、兄さんも考えてくれると思います」
「異世界人の召喚は、凛さんにどのようなメリットがあるのですか?正直、凛さんが率先して召喚を勧める理由が分からないのです」
同じ信奉者である自分の発案ならともかく、凛が召喚を望む理由が分からなかった。
「理由は2つあります。1番大きい理由は、兄さんの『味方』を増やしたいのです。召喚された人には専用のスキルが与えられます。信奉者の方なら、兄さんの『味方』になり、そのスキルを兄さんの為に使ってくれることが確定していると思いました」
元の世界において、信奉者達は仁にとって毒にも薬にもならない存在だった。
仁の前では言わなかったが、仁の親友の1人である浅井は、彼女達の事を『非公認隠れファンクラブ』と呼んでいた。
芸能人が相手でなければ、ファンクラブに出来る事は非常に少ないからである。
しかし、異世界では違う。
元の世界以上に危険な世界で、絶対的な『味方』には、大きな意味と価値がある。
その『味方』が、特殊なスキルを持っているとすれば更に価値は高まる。
「私の挙げた26人は、召喚されれば間違いなく進堂様の配下となる事を選ぶでしょう。進堂様と同じ学校に通える私達と異なり、学外の彼女達は仁様との接点に飢えていますから」
七宝院は明言しなかったが、この26人を一言で言えば『仁のストーカー』である。
幸運にも生活するに不足しない財産を持つ彼女達は、会社や学校に所属せず、仁を追う事だけに全ての時間と能力を費やしている。
方針は『仁に気付かれないようにする』と『仁が危機に陥った場合、身を挺して守る』であり、26人の結束力は七宝院達にも負けない。
正確に言うと、護衛をチームで行っているので、チームワークが凄い。
余談だが、仁は気付いていないが(敵意がないと気付けない)、浅井は気付いている。
「もう1つの理由は、私と同じ立場の人が居るのなら、呼んであげたいと思ったのです」
「同じ立場と言うのは?」
「最初に言った、『兄さんに呼ばれたら、この世界への転移を選ぶ人』の事です。私、兄さんの居るこの世界に来て本当に良かったと思っているのです」
凛曰く、『仁が居なくなったことに気付いたら発狂する』との事だ。
なお、女子中学生の発狂死が世間を騒がせることになる。クラスメイトのトラウマ。
「その26人の信奉者達は、兄さんが居なくなったらどうなりますか?」
「考えたくもありませんね……」
最悪の状況を考え、七宝院の顔も曇る。
なお、女性26人の集団自殺が世間を騒がせることになる。
また、その26人以外は、仁以外の繋がりも強いため、ギリギリ耐えられる。
「言ってしまえば、幸せのお裾分けという物です」
物騒なお裾分けもあったものである。
「納得しました。26人の詳細な情報をまとめ、お渡しいたします」
七宝院としても、仁の勢力が強化されることに関しては何の否も無い。
余談だが、七宝院達17人とストーカー26人は、互いに互いを羨ましいと思っていた。
ストーカー達は大手を振って仁と同じ所属に居られる事を、七宝院達は全ての繋がりを捨て、仁の事だけに全ての時間を使えることを。
俗に言う、『隣の芝生は青く見える』である。
「ありがとうございます。私も、兄さんの説得を始めようと思います」
この後、『一度でも失敗するまでは召喚する』と言う許可を得ることに成功した。
*************************************************************
登場人物
名前:七宝院神無
性別:女
年齢:17(登場時)
種族:人間(異世界人)
称号:仁の奴隷、転移者、異界の勇者
備考:元の世界における仁の信奉者の1人。異世界転移した17人の中ではリーダー的存在。名家のお嬢様で万能系キャラクター。本編でその万能振りを見る事は困難。現在は対魔族の実績を積んでいる。補足すると、本話よりも前に凛との顔合わせは済んでいる。元の世界では、お互いの事を認識していたが交流はなかった。異世界に来て初めて話をした顔見知りと言う不思議な関係である。なお、仁の話以外はしなかった。
標題:主任迷宮保護者キャロ 迷宮案内
視点:キャロ
時期:第13章頃
本日は迷宮案内の開催日です。
迷宮案内では、主任迷宮保護者である私が、新たにジン様の配下に加わった人達、特に迷宮を利用する人に向け、迷宮の構造や機能について説明をします。
「エステアの迷宮は表向き全50層となっていますが、実際には60層まで存在します。探索者は51層から先には進む事が出来ず、管理側、つまり私達が私的に利用する為の空間となっています。現在は54層までが利用されており、51層は見ての通り居住区になります」
迷宮は文字や言葉で説明するよりも、見てもらうのが1番分かり易いのです。
よって、51層から順に案内していくのが通例となっています。
51層の居住区は一見すると普通の街のようにも見えますが、衣食住に関する施設しか存在しません。
具体的に言うと、普通の家、孤児院、宿屋、食料品店、食事処、衣料品店、医局、公園などです。
衣食住に関係しない施設は、基本的に他の階層に置かれることになります。
「この居住区ですが、元々は迷宮を管理する迷宮保護者のために用意されていましたが、ジン様が迷宮支配者になってからは、迷宮の外に居場所が無い人達の住処としても利用されています」
今回の迷宮案内に参加した人の中にも、この居住区に住む人は含まれています。
ジン様の説明では、外では生死不明となっている人達で、戻る家がないそうです。
「例を挙げると、迷宮に捨てられた孤児、住処が崩壊した難民エルフ、……人ではありませんが、テイムされた魔物も住んでいたりします」
簡潔に言うと、迷宮の外で所属を持たない人を放り込む場所になっています。
逆に言えば、迷宮があるからこそ、ジン様は自由に配下を増やせるのです。
迷宮が無ければ、今ほど勢力が増えてはいなかったでしょう。
これは、私のささやかな自慢です。
「男女比は2:8程で圧倒的に女性が多いですね」
「兄さんの周りに女性が多いのは、迷宮に限った話では無いのではありませんか?」
今回の説明会に参加していた、ジン様の妹であるリン様が尋ねてきました。
「どちらかと言えば、男性が多い場所だと思います。迷宮保護者を除けば、男女比は4:6まで変化します。迷宮保護者は女性しかいないのです」
「女性しかいないのは、兄さんからの指示ですか?」
「いいえ。迷宮のルールとして、迷宮保護者は迷宮支配者であるジン様から見て異性、つまり女性にしかなる事が出来ないのです」
迷宮保護者は不死の存在です。
迷宮の外に居場所が無いと言う意味では、他の居住者達と同じと言えるかもしれません。
余談ですが、私以外の迷宮保護者は全員が元探索者です。
迷宮内で1人死にそうになっている所に、助ける代わりに迷宮保護者になるように取引を持ちかけました。
「納得しました。迷宮に関して言えば、女性が多いのは兄さんの趣味ではないのですね」
どうやら、リン様はジン様に対して遠慮なく物を言うようです。
51層の説明を終えたので、次の52層に移動しました。
「52層の役割は食料の生産です。牧場、田畑、森、林、湖、川と言った、食料生産に関わる土地を一通り揃えてあります。迷宮の機能により、気温を含めた環境を管理していますので、安定して食料を供給できています」
51層に畑などが無かったのは、全て52層にまとめているからです。
迷宮内に住んでいる人達は、基本的に52層で生産された食料を食べています。
迷宮の機能で区画を分けることにより、動植物に対して最適な環境で育成が出来ます。
最近では、迷宮外から動植物を持ち込み、品質を上げる取り組みも行っています。
結果として、同じ種類の作物でも、迷宮外の物より高品質になります。
一部を迷宮外で販売していますが、売れ行きは絶好調だそうです。
ジン様が『食』に強い関心を持っている為、ここ最近で強化された階層でもあります。
あまり詳しくないのですが、前迷宮支配者であるアキラ様は食事に関心が無く、迷宮保護者の方達が細々と管理していたそうです。
「なあ、この迷宮とやら、一体どれだけ広いんだ?俺、この層で働くらしいんだが……」
新たに迷宮の住人になるアースさんが質問をしてきました。
彼とその家族は故郷に戻れない為、迷宮で生活することを選びました。
アースさんは漁師として、この階層の湖で仕事をしてもらいます。
なお、彼らの場合は故郷に戻れないだけで、何の問題も無い普通の人間なので、迷宮の外に出ることも許可されています。
「迷宮の各層は、それぞれが地上にあるエステア王国の国土と同じ広さを持っています。詳しく知りたければ、後で地図をお見せしますが如何しますか?」
「いや、地図は見なくても良い。……道理で、人の受け入れに躊躇がない訳だ」
最後の呟きは、ジン様の事を仰っているのでしょう。
51層から60層まで自由に使えると言う事は、単純計算でエステア王国の10倍の国土を持っていることになります。
その内の1層分、つまり1国分の土地を食料生産に使っているのです。
しかも、迷宮内だから不作はありませんし、作り過ぎてもジン様のお力で保存が出来ます。
正直に言って、迷宮の外に出る理由が見つかりません。
衣食住が迷宮内だけで完成しているのです。
更に進み、53層の説明をいたします。
「53層にあるのは、加工のための施設です。52層で生産した作物の加工を始め、食料以外の加工や作成もこの階層で行っています。52層と同じく、目的によって環境を調整しております」
生産と加工の階層を分けたのは、目的の違う施設が1つの層に混在していると、拡張性が悪くなるからだそうです。
迷宮外では実現出来ない区画整理ですが、迷宮内は転移ができるので関係ありません。
「迷宮に住まわれる方は、基本的に52層か53層で働くことになります。スキルの適性に応じて職を与えられることになりますが、本人希望があれば調整いたします」
ジン様の能力で人の適性が分かるので、適性のある職に就いてもらうのが基本です。
しかし、本人希望がある場合はある程度融通するようにも言われています。
希望はあるが適性が全くない場合、希望に相応しいスキルを得るまで、適性のある職場で働くと言うパターンもあります。
基本的に、ジン様の配下は働きに応じてポイントがもらえます。
このポイントを貯めると、ジン様が管理しているスキルと交換する事が出来ます。
戦闘を生業とする方々は戦闘に役立つスキルを、生産に携わる方々は対応するスキルと交換する事が多いです。
なお、趣味に関わるスキルに全てつぎ込む方も居るそうです。歌が好きなので<歌唱>、一度使ってみたかったと言う理由で魔法系スキルを取得したという話はお聞きしました。
最後の54層は若干毛色が変わります。
54層はジン様が迷宮支配者になってから追加された階層です。
「54層は訓練のための階層です。ジン様の配下には、戦いを生業とする者や、自衛の為の力を求められる者が居ます。この階層では、地上では出来ない訓練や、地上を再現した訓練が行えます」
51層から53層は迷宮内で完結した階層です。
54層は逆に迷宮外の人が使う事を想定された階層です。
迷宮支配者であるジン様が、迷宮外の活動を中心としている事が大きな理由だと思われます。
54層では、その広大な土地を利用し、様々な訓練が行えます。
一対一の対人戦闘訓練、迷宮の機能で生み出した魔物との戦闘訓練、土地の環境を変えた野外活動訓練などが良く利用されます。
地上では使えない、範囲攻撃魔法や目立ちすぎるスキルの試し撃ちにも使われました。
今は一番分かり易い、対人戦闘訓練エリアに来ています。
探索者のシンシアさんと吸血鬼のラティナさんが、スキル全力使用で戦っていますね。スキル以外のステータスは同程度に合わせているようです。
これは、地上では絶対に見る事の出来ない組み合わせと言っても良いでしょう。
参加者の大半は戦闘に関しては素人のため、繰り広げられる戦闘に目を瞬かせています。
なお、2人共54層の常連さんです。
戦うのが大好きな方々は、与えられた役割に支障がない範囲で入り浸っているのです。
「私、戦いたい!」
そう言って目をキラキラ輝かせているのは、鬼人の少女のアスカさんです。
マリアさんやシンシアさんと同じ<勇者>だそうです。<勇者>と言うのは、皆さん戦うのが好きなのでしょうか……?
「ええと、この層で説明は終わりますから、もうしばらく待っていただけますか?」
「分かった!」
どうやら、常連さんが1人追加されそうな流れです。
参加者を全員見送ったところで、本日の迷宮案内は終了いたしました。
「はぁ……。いつまで経っても、人前で話すのは慣れませんね」
ジン様が迷宮支配者になるまで、長い間一人で迷宮を管理していた私は、対人経験が豊富とは言えません。……いえ、ハッキリ言って不足しています。
経験年数や立場上、私が主任迷宮保護者になるのは仕方のない事ですが、迷宮保護者としての能力と、人の上に立つ能力は全くの別モノなのです。
普通の迷宮保護者は担当エリアの管理をするだけで良いのですが、主任迷宮保護者には担当エリアが無く、迷宮保護者の管理をしなければいけませんし、今回のような説明要員となる事もあります。
慣れていない私には、中々に難易度の高い業務でした。
「尤も、迷宮支配者不在の迷宮を、1人で管理するよりはマシですけどね……」
迷宮支配者が居なければ、迷宮保護者を増やすことも出来ません。私はずっと1人だけの迷宮保護者だったのです。
寂しいと言うのもありますし、1人で迷宮の全てを管理する事など出来ないので、迷宮の自動処理任せにせざるを得ず、アキラ様が居た頃に比べ、品質の低い管理しか出来なかった事が不満でした。
今は寂しさを感じる事はありませんし、迷宮保護者の人数も増えているので、高品質の管理が出来ているので満足です。
アキラ様が居た頃とは大分雰囲気が違いますが、これは私が望んでいた迷宮の在り方に近いのでしょう。
「それに、ジン様が迷宮支配者になって下さったおかげで、世界中の甘味が食べられると言う役得まで付いてきました」
私、実は甘い食べ物に目が無いのです。
残念ながら、ジン様が来るまで迷宮の甘味事情はあまりよろしくありませんでした。
迷宮保護者が1人しかいない為、地上に食べに行くことも出来ません。
しかし、今はジン様が世界中を旅して、各地の食材、料理がこの迷宮に集まっています。
結果、51層の食事処では世界中の甘味が食べ放題なのです。
「今日は沢山喋ったから、喉に優しそうなフルーツゼリーを食べましょう。今日、説明会に来ていた方達の国に新しい果物があったらしく、新作デザートが増えそうなんですよね」
迷宮保護者は不死の存在です。
迷宮が存在する限り、肉体は最適な状態を維持します。つまり、いくら食べても太りません。この一点において、迷宮保護者になって良かったと言う女性は多いです。
*************************************************************
登場人物
名前:キャロ
性別:女
年齢:68(登場時)
種族:獣人(兎)
称号:迷宮保護者、仁の所有物
備考:先代の迷宮支配者が死亡してから仁が就任するまで、ただ1人で迷宮を管理し続けていた主任迷宮保護者。迷宮保護者は迷宮の備品のような扱いのため、称号は「奴隷」ではなく「所有物」となっている。先代の指示により、仁の前では語尾に『ピョン』を付ける。割と忘れる。仁が居ない時は語尾を付けない。ニンジンは好きでも嫌いでもない。
名前:アース
性別:男
称号:仁の奴隷
備考:仁に家族を救われた漁師の男。
名前:シンシア
性別:女
年齢:11(登場時)
種族:人間
称号:仁の奴隷、人間の勇者
備考:魔物に村を襲われ、孤児奴隷となった所を仁に買われた少女。エステア王国の探索者組として迷宮を制覇した。初めは猪突猛進の戦闘狂だったが、今は普通の戦闘狂くらいに落ち着いている。最終的な戦闘スタイルは、手甲による純近接戦闘。魔法や飛び道具は一切使わない。<勇者>スキルの利点をほぼ全て無駄にしているが、強い。
名前:ラティナ
性別:女
年齢:17(登場時)
種族:吸血鬼
称号:仁の従魔
備考:世界各地を修行目的で旅していた吸血鬼。戦うのが好きな戦闘狂ではなく、強くなるのが好きな求道者タイプ。完全敗北した相手に惚れる厄介な性癖をしている。仁の従魔になった後も武者修行の旅を続けようと考えていたが、迷宮以上の修行環境が旅先にあると思えず54層に入り浸っている。なお、54層に居ない時はメイドをしている。
名前:アスカ
性別:女
年齢:12
種族:鬼人
称号:鬼人の勇者
備考:パジェル王国にある流れ島の集落で、コカトリスによる石化を唯一免れた少女。<勇者>スキル以外にもユニークスキルを持ち、戦いのセンスはかなり高い。ラティナと同じ求道者タイプで、無事に54層の常連となった。初期スキルのカタログスペック的な意味では、現地勇者の中でも最強クラス。見た目は大人、頭脳は子供なので色々と危なっかしい。
仁は好意に鈍感な鈍感系主人公です。
敵意や悪意には敏感ですが、好意が元となるストーカーには気付けません。
敵意の無い害意、織原と相性が悪いのはその辺りが原因です。
迷宮事情は何処かで入れたかったのですが、タイミングが無かったので今更ですが入れました。
次回、10/30か11/10か不明。ごめんて。