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「ま、今回は許してあげるわ。しかももとの世界に帰してあげる。感謝なさい」
「あ、ありが、とう?」
胸を張るオリビンに苦笑いをしつつ、スーノは礼を述べた。そういえば、と思い出したように彼はオリビンを見上げる。
「ねえ、ここはなんなの? ずっと光ってるし、今は昼なの? 夜なの?」
「……」
オリビンは無言でふわりと飛び上がった。鱗粉のようなキラキラとした光の軌跡を宙に描く。
「ここは、光の森。見た通り、石でできた森よ。生き物は居ないわ」
「え、でも君は……」
「あたしはここの番人として『存在』してるだけ。ああ、ここには時間の概念が無いの」
「時間の概念?」
そう、と空中で一回転する。くるん、と光の筋が円を描いた。
「気付いたかもしれないけど、この森は風がない。風がないから木々は動かない。生き物もいない。時というものがないから昼も夜もない。生き物も存在できない」
「え、でも、僕……」
そう、とオリビンはスーノの目の高さまで舞い降りてくる。
「迷いこまれてあたしすっごく困ってる」
石にしても良いんだけど、と彼女は肩をすくめた。
「そんな怖いこと言わないでよ!?」
そんな彼にオリビンは冷たい瞳で見据えた。
「ついてらっしゃい」