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  作者: 堂山鉄心
16/18

鏡16

      16


 あの瞳に現れた感情は何だ?

 罪悪感?それとも憐憫の情か・・・

 そこから導き出せる答えは一つしかない。

 真一は何かを隠している。

 何だ・・・

 実は真一と弥生はすでに付き合っていて、俺だけが何も知らなかったなんて・・・

 まさか・・・

 いや、真一に限ってそれはありえない。

 鏡を見る。

 そこに映っているのは、今や2番目でさえないただの男だ。

 弥生・・・

 たったガラス2枚と、その間のほんの僅かな空間を隔てたところに、その男はいる。

 無二の親友であり、俺が唯一背中を見続けることを自分に許容した男。

 そして弥生の心を射止めた男。

 真一の顔を思い浮かべながら鏡を見る。

 この男だ。

 いつも俺の前を走っているこの男だ。

 誰にも負けず、挫折さえ新たな力に変え、それを人知れず努力で補いながら更なる進化を遂げていく。スポーツ・勉強・女・・・・そう、誰にも負けない。誰にも負けちゃいけないんだ。来年の春こそ俺のこの腕で甲子園を掴んでやるからな・・・弥生。まぬけな正志なんかに言う必要はないよ。俺は特別なんだ。あいつだって納得するさ。いつもそうしてきたんだ。ちいさいころからそうしてきたんだ。しんいちにはかなわないのはしんいちがとくべつだから俺がわるいわけじゃないだれだってしんいちにはかなわないしとくべつだし特別だしとくべつだしとくべつなんだ。だからまさしにはないしょだよないしょだよないしょだよないしょだよないしょだよないしょだよないしょだよまさしにはないしょだよないしょだよないしょだよ。

正志には内緒だよ。弥生。




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