表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつも願えば  作者: 神辺 ツユノ
第一章
1/1

氷花

昔から好きだった歴史小説に初挑戦です。初めてのことなので至らぬ点も多いと思いますが、温かく見守っていただけたら幸いです。

なおこの小説は史実をもとにしたオリジナル小説です。人物や時代の流れに一部異なる点がありますので苦手な方はご注意ください。

_____________何故裏切った?



 その時、里はもう炎の海だった。周りの木々は燃え盛り、助けを呼ぼうにもここは人里遠く離れた山奥で私一人ではどうにもならないことは一目瞭然だった

 住み慣れた里、見慣れた家々はバチバチと音をたて燃え盛っている。

そして何よりこの血の匂いが私の不在中に、ただならぬ事態が起こったことを意味していた。


里はおそらく全滅、家はすべて火がつけられ馬もすべて殺されていた。いたるところに見知った人たちが転がっていて鉄の錆びた匂いが鼻をツンと刺激する


「か、母様!兄様!!どこですか!!」


やっとの思いで実家にたどり着くも、そこも例外なく火の海だった。家の中に入ることもかなわず、へなへなと地面へ腰を下ろした。


炎の暑さで視界が歪んで見える


もともと人数の少ない里だった。里から人がいなくなるのはもう時間の問題で、存続の危機だった羽林忍者を、幕府が保護を約束してくれたのは、ほんの数週間前の出来事だった。 落ちぶれ上忍からすっかり雇われ暗殺者になり、その日暮らしをしていた私たちに現れた「幕府」という主はとても大きかった。


里全体が将軍に誠心誠意仕えようとしていた。忘れた誇りを取り戻してくださった将軍のために_____


「おい、これで全部か?」

「あぁ。人どころか犬一匹だっていねぇや。間違いなく全員殺った。」


遠くから聞こえた話し声と刀のこすれる音に、私は咄嗟に納屋の影へ身を隠した。


あいつらだ。あいつらが、里を潰した。

あいつらが、みんなを殺した_____






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ