カイトとお話し2
「ねぇ、アルト。僕らは無理やりこの世界に来たでしょ?
アルトに再び会えるまで、僕はずっと不安だった。ずっと一緒だったアルトが隣にいないから。」
カイトはそういって心の内を話し始めた。
いきなりなんだと思いつつ話を聞いてやることにする。
「アルトが死んでいたかもしれないって聞いたとき、怖かったんだ。アルトがいないと、僕何もできないから。」
「俺は昔言ったぞ、俺から離れることもあるんだからしっかりしろと。
これからだってずっと一緒とは限らない。俺がこっちにいられるのは10年だからな。」
俺がそういうと思いっきり不安な顔をするカイト。
こいつがこんなに俺に依存しているのは、昔俺がこいつを助けたからだろう。
・・・あの時助けていなければこんなことにはならなかったかも。
ま、大して後悔はしていないが。
「ずっと一緒にはいられないの?僕、アルトから離れたくないよ。」
「あのなぁ。ずっと一緒にいられるわけないだろうが。
俺は龍王島関係の人間で、お前は勇者としての宿命を背負った人間だ。どう考えても交わることのない存在だろうが。」
俺はそういって立ち上がろうとする。
「僕が勇者だから?なら、とっとと敵を倒してアルトのそばにいられるようにすればいい?」
なんでこいつの発想はそっちに行くのかがたまにわからないが、どうやら敵を倒せば俺と一緒にいられると思っているらしい。
そんなわけがないというのに。
俺は龍で、寿命はこいつの数倍あるのだ。
それに、結婚とかもするだろうし、ずっと一緒なんてありえないことだ。
「カイト、俺たちは友達であって、ずっと一緒にいられる間柄じゃない。
前は隣同士であの事件とおまえの親父のこともあったから一緒にいたが、今は違うだろ。」
俺はそれだけ言うと今度こそ立ち上がってカイトに背を向けた。
「アルト!」
「またな。」
昔なら振り返って再びこいつの相手をしなければならなかったが、今は違うのだ。
一瞬癖で振り返りそうになったが、何とかそれを抑えて俺は立ち去った。
・・・ん?代金?そんなのあいつ持ちに決まってる。
わざと目の前に伝票おいてやったからな。




