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虹色の檻  作者: そらいろ
序章

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1/6

覆われる安寧

 空を見上げれば、そこには常に「膜」がある。

 よく目を凝らせば、極光オーロラのように淡く、不規則に揺らめいているのがわかる。聖都に鎮座する「**コア**」が維持する障壁は、王国を覆い、魔力や異形から人々を隔絶していた。


 障壁の内側はあまりに穏やかだ。

 だが、その平穏は「自給自足」ではない。すべては障壁の外――人類にとって死地となった魔境から剥ぎ取ってきた「戦果」に依存している。


 人々は揺らめく膜の向こう側を夢想する。

 いつか、あの歪んだフィルターを通さず、本当の空を見てみたいという切実な憧憬。それが叶わぬ夢だと知りながら。


「号外だ! 「**供給記録プロバイド・ログ**」が出たぞ!」


少年たちの叫び声と共に、刷りたての紙が宙を舞う。

誰が、何を、どれだけ持ち帰ったか。その戦果こそが、この平和な檻の価値を決めていく。


――これは英雄譚ではない。

魔物の骸を糧とし、その死を文明へと変換して生きる。

そんな歪な共存を続ける、人類の営みを覗き見る物語だ。

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