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095 後日譚プロローグ 後悔【スイウ視点】
そのバケモノは見上げるほど巨大な体を持っている。熊のような、獅子のような、竜のような、何とも形容し難い気味の悪い見た目をしていた。
「……偉そうなこと……言っといて、結局このザマか」
あっさりとバケモノの爪は胸を貫き、ぶら下がる体を容赦なく地に叩きつける。雨に濡れて冷えていく体と流れる血。何度も仲間の死を見送ってきた。だからもう……助からないことくらいは考えなくても理解できる。
水溜りはあっという間に血で真紅に染まり、灰色の世界に花を咲かせる。
曇天の空から落ちる無慈悲な雨に打たれていた。まるでもう泣けない自分の代わりに、涙を流してくれているようだった。
「悪い……な、……弱い……俺を、許せ──」




