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プロローグ
「あなたの大切な記憶は何ですか?」
「その大切な記憶と引き換えに、望んだ死者と話せる迷宮があるとしたら、あなたはその迷宮に挑みますか?」
「――申し遅れました。私は、当迷宮の案内精霊ーー名をメモリアと申します。どうぞ、以後お見知りおきを」
「それでは……命と記憶を賭けて迷宮に挑む皆様へ、これより、迷宮の規則をご説明いたします。
○規則其の一
迷宮へ入るには、大切な記憶を対価として差し出さねばならない
○規則其の二
迷宮を出るとき、成否にかかわらず差し出した記憶は失われる
○規則其の三
迷宮には何度でも挑める
○規則其の四
迷宮の秩序を乱した者には、相応の罰が下される
○規則其の五
迷宮で命を落とした者の魂は、迷宮に囚われる
○規則其の六
迷宮を踏破した者は、望んだ死者と話すことができる
○規則其の七
迷宮での経験を、他言することは許されない
以上が当迷宮の規則になります。
それでは、冒険者の皆様の挑戦を心よりお待ちしております……」
お読みいただきありがとうございます。
水曜日のビタミンと申します。どうぞ、よろしくお願いします。