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壊れた宇宙船

作者: ショウ

A「あとは、ここのネジを締めればと...」

B「ようやくできたな。」

A「あぁ、やっとだ。あとは帰るだけさ。」

B「それにしても、まさかだったよ。地球で金星人に会うとは思わなかった。」

A「それはこっちのセリフさ。誰が地球で火星人に会う思うよ。」


3ヶ月前


A「もしもし、たった今地球に到着しました。本部応答を!」


 返事がない


A「ん?本部応答を!、、、おい、、もしや通信機器が壊れてるって事ないよな。」


残念ながら、壊れていた。


A「そんな...仕方がない。通信ができないなら、金星からの指示も受けられないな。ここにいても意味はないから、これは帰るしかない。」


しかし、なんとエンジンも壊れていた。


A「なんだと...」


B「おーい、誰かー!」

A「あ、誰か来た。ここは一旦隠れよう。」

B「おーい、誰かいないのか!俺は火星から来たんだ!だけど、あいにく宇宙船が壊れてしまったんだ。」

A「なんだって!?私の他にも地球に地球外生命がいるっていうのか?」


B「おーい、誰か〜」


A「それにしても社交的すぎやしないか?地球に来たばっかりだろ?」


B「このままじゃ、火星に帰れなくなってしまうよ...」


A「おい君。」

B「あ!!やっと見つけたぞ地球人!」

A「いや、違う。」

B「は?」

A「私は金星人だ。」

B「いや、え?あ、しまった!地球に来たはずが金星に来てしまった...」

A「違う、ここは地球だよ。」

B「あぁ、なんだ良かったぁ、、、そうだよな、ここは地球だよな」

A「あぁ、そうだ。」


B「でも、不思議だったんだ。宇宙から見た時、何故か地球が青色と緑色、そして少しの白が混じってたんだ」

A「うん、だから地球なんだ。」


A「というより、そんなことはどうでもいいんだ。私の宇宙船も実は壊れている。どうやらお互い地球にやって来て、お互い宇宙船を壊したようだね。」

B「なんだ、あんたの宇宙船も壊れちまったのか?」

A「あぁ、残念ながらね。」

B「金星でしか治せないのか?」

A「地球で治せるわけがなかろう」

B「じゃあ、早く金星に戻ったらどうなんだ」

A「どうやって金星に戻るんだよ。宇宙船は壊れてるんだぞ?」

B「言っとくが、俺の宇宙船は貸さんぞ?」

A「戦力にならん君の壊れた宇宙船を借りてどうする」

B「治せばいいだけだ」

A「地球で治せるのか!?」

B「いや、火星でしか治せない」

A「買う気はないが、喧嘩を売られているような気がする...」

B「じゃあ、どうするんだ」

A「新しいのを地球で作るしかないだろうな」



2人はこうして出会った。


現在

A「よし、それじゃ帰ろう。」

B「そうだね。まず、火星に向かってそれから金星に向かおう。」

A「いや、金星に先に向かってそれから火星にしよう。」

B「そうだね、先に金星、、、いや、ちょっと待て先に火星だ。先に火星について、俺は降りる。あんたはそれから金星に向かえばいい。」

A「いや何を言うか。金星に着いたあと私が降りて、そのあと君が火星に向かうがいい。」

B、A「....」


A「一旦冷静になろう、ここまで来てあと帰るだけってところで喧嘩はしたくない。」

B「それは俺も同じさ。」

A「いいか、よく考えてほしい。先に金星に向かえば、君は火星に向かう途中でもう一回近距離で綺麗な地球を眺められるんだぞ?」

B「...そうか、たしかに宇宙から見た地球の眺めは最高だった。」

A「そうだ。君にできるだけ長い時間、近い距離で地球を眺めさせてあげようではないか。」

B「よし、じゃあいいだろう、先に金星に行こう。」

A「よし。」



B「ところで、君は金星に着いたらまず初めに何をするんだ?」

A「まずは宇宙船から降りる。」

B「そうか、、そりゃそうか。まず、金星につあて、あんたは宇宙船から降りるとする。そして、、俺は火星に向かうと。先に金星...先...」

A「そうだ、そういうことだ。」

B「......」



B「やっぱり前言撤回。先に火星だ。」

A「さっき約束したろ?」

B「よく考えてみろ、先に金星に行って、そのあと火星に帰る途中でこの新しい宇宙船がぶっ壊れたらどうしてくれるんだ。」

A「(くそっ、気付いたか...)それは、お互い様だ。先に火星に向かって、そのあと金星に向かってる途中で宇宙船がぶっ壊れたら君は責任とれるのか?」

B「じゃあ、いいだろう。先に金星に行こうじゃないか。だが、その代わり俺が火星に向かうのに、あんたもついてくるなら金星に先に行っても良い。」

A「宇宙一無駄な時間を過ごさせる気か。二度手間にも程がある。金星に行って火星に行って、その足でまた金星。誰がそんな事するか。」

B「じゃあ、この話はなしだ。」

A「当たり前だ。」

B「もう一機作れよ。俺はこれに乗る。なんなら手伝ってやったっていいぞ。」

A「何で上から目線なんだよ。いいかよく聞け!もう一機作るなんてめんどくさい事したくない!!私は1秒でも早く金星に帰りたいんだ!!!」

B「それは、俺も同じだ!!」


ここでお互いに運転席に座る。そして、お互いにハンドルを握る。


A「おい、手を離せ。先に金星だ。」

B「いーや、火星だ。」


Aが右にハンドルを回し、Bが左にハンドルを回したので、、、


「ボキっ!」


ハンドルが壊れた。



A「おいふざけるな、壊れちまっただろうが。」

B「あんたが壊したんだろうか!このポンコツが!」

A「ポンコツ?宇宙船に向かって言ったのか?それとも、私に向かって言ったのか?」

B「両方だ。」

A「なんだと!?」


2人はなかなか故郷に帰れない。


一方、もちろん地球人はこの会話をカメラでおさめていた。


地球人「続いてのニュースです。今日午後2時ごろ、金星人と火星人が1つの宇宙船を奪い合っている様子をカメラが捉えました。歴史的瞬間であり、同時になんとも滑稽な光景となっております。」


                 終

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