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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第2章 感謝祭と諸々の騒動
98/313

98.腕時計

 美形の怒った顔が怖いよぉ。

「魔石が入ってるからここに魔力を込めたらどうかな?」

「…アイ?何で僕が怒ってるか分かる?」

 やらかしたから?

「違うよ?これだけでも凄いのに、さらに治癒とか解毒を組み込もうとしてるでしょ?今でも伝説なんだよ?この世界を壊したいの?」

 えっ?だって治癒とか解毒あったら便利かなぁって。ダメなの?

『アルは使える力があるのに何でダメ?って思ってる。感覚の違いだよ。助けられる者を見捨てられないアルらしい』


 イリィはため息を吐く。

「アイらしいと言えばらしいんだけどな…」

「イリィが使って?それならいいよな」

 イリィがふわりと笑う。良かった、笑ってくれた。

 早速治癒だな、即死を回避する生薬と、後はどんなどんな毒(呪い)も解毒するヤツだね。あ、防御も組み込もう。悪意を持ってイリィに近づけないように。

 あ、私の魔力も込めて…最後にイリィの魔力も入れるか。魔石が小さいから容量を増やしておこう。貯められる魔力をそうだなぁ1000倍にしとけばいいか。

 ふんふん…魔力増幅も付けとく?出し入れする度に増幅させれば節約になるし。

 なんか楽しくなって来た。いっそ空間拡張も付けとくか!食料とか毛布があると便利だよね?

 よしよし。そんなもんかな?

 空間拡張はアリーナクラスまで保管可能にしたから結構行ける筈。

 イリィは喜んでくれるかな?


 期待を込めて見る。イリィは少し困り顔。なんで?腕を出して?そう、右がいいよ。うん、イリィの細くて白い腕にピッタリだね。

 ふふふっ。

 さて、ビクトルの評価は?


(水晶で光を集め、魔石に自然魔力を蓄える時計。アイルのジョブで狂いのない正確な時計になっている。伝説級の仕上がり。

 革 ポイズンスネークの最上級な物を白に染めた一品。

 金属 その世界で初のステンレスを使った作品

 文字盤 透明度抜群の水晶

 針 透明度抜群の紫水晶

 魔石には魔力増幅装置が組み込まれている。

 特級傷薬、特級解毒薬、防御シールド、アイルの想いを込めた魔力がこもっている。

 身に付けるだけで治癒の効果が発動する。

 空間拡張によりほぼ無限に収納が可能。魔物を収納すると必要なものも不要な物を自動的に選別して解体、保管する。


 特級遺物)


 …さて、と。

「イリィ…似合ってるよ?」

「アイ…効果が増えてたりしないかな?なんか凄く濃い魔力を感じるよ…?」

「…気のせいだよ?」


『(水晶で光を集め、魔石に自然魔力を蓄える時計。アイルのジョブで狂いのない正確な時計になっている。伝説級の仕上がり。

 革 ポイズンスネークの最上級な物を白に染めた一品。

 金属 その世界で初のステンレスを使った作品

 文字盤 透明度抜群の水晶

 針 透明度抜群の紫水晶

 魔石には魔力増幅装置が組み込まれている。

 特級傷薬、特級解毒薬、防御シールド、アイルの想いを込めた魔力がこもっている。

 身に付けるだけで治癒の交換が発動する。

 空間拡張によりほぼ無限に収納が可能。魔物を収納すると必要なものも不要な物を自動的に選別して解体、保管する。


 特級遺物)』


 ハク…なんでバラすかな?


「…アイ…?」

「イリィの為だから色々とね!」

「…もう…アイってば…。怒れないじゃないか」

 そう言って私を抱きしめる。耳元でありがとう。でもね、他の人にはダメだよ?

 私は何度も頷く。私の髪を梳いて頬を撫でる。

「心配なんだよ?」

 私は俯く。何がダメなのか、分からないんだよ…。

「一緒に考えようね?」

 また頷く。ふっと笑うとキスをして

「これ、とても素敵だね!ありがとう。嬉しいよ」

 輝く笑顔に私も嬉しくなる。


 さて、やり過ぎないのは何か。

 イリィと話をしてやはりアクセサリーだと言うことになって指輪やピアス、ネックレスのデザインを二人で考えた。やっぱりイリィの美的なセンスは際立っている。

 私たちみたいなシンプルなのではなく、少し長くてキラキラと鈴なりになったピアスとネックレスは小さな石を編み込むように重ねて。ネックレストップにはやはりキラキラと鈴なりになるように。重ねることで適度なボリュームが出てとても上品な仕上がりになった。

 貴族の女性が付けても見劣りしない。

 さすがだなぁ。

 そう思っていると

「アイ、凄いのはこれを実際に作ってしまう君だよ?」

 えっ作るのは誰にでも出来るよ?デザインこそが難しいのに。首を傾げると

「無自覚なんだね…まぁアイらしいけど。僕がデザインしてアイが材料と作るのを担当。二人の作品だね…」

 本当にそうだ。わぁ嬉しい。二人の作品なんだ…。嬉しくて恥ずかしくて照れているとギュっと抱きしめられる。


「本当に…僕の腕に閉じ込めて誰にも見せたくないよ…」

『同感だよ。全く…危なくて仕方ない』

 大丈夫だよ、私は体力とか物理以外はまぁまぁだし…ハクもいるし…。イリィだって強いし。心配し過ぎだよ?

「アイはさ…いや、何でもない。強くなろうね」

 うん、頑張ろう、目指せ割れた腹筋!


 他にも男性用のカフスボタンにハンカチ、指輪…イリィのように耳の中に装着するタイプの魔力痕とか。

 後はペンだね。ボールペン。これはイリィにまたダメ出しされたから…普通の万年筆にした。インクをつけるのではなくて、溜めたインクを搭載したヤツね。

 これも新しいからフェリクス様に相談となった。


 そろそろシャワーを浴びて寝ようか…今日はなんか疲れた。イリィもそうだね、今日はもう寝よう。

 そう言って二人で寄り添って寝た。イリィの匂いと温もりにアッサリと眠に落ちた。





 アイは僕の隣でスヤスヤと眠っている。はぁ…異世界からの転移者。アイの話では30人来たって言うけど…この世界を壊す気なのかな?

 アイは無自覚だけど分かってて色々やらかしたら…。

 考えただけで恐ろしい。

 いや、アイのジョブとスキルが突出してるだけか?

 この話は僕とハクたちしかし知らない。


 お父様たちには話した方がいいのか。落ち着いたら連絡があるだろうし、少し待とう。

 訓練のこともあるし、ユウリ様の若木も気になる。契約は断たれた。でも…。新たな契約が必要なのか…?

 根付くのを待たなければ。

 一度、白の森にアイルを連れて行こうかな。

 どちらにしても感謝祭が終わってからだ。お母様にも会いたいし。ユウリ様を襲撃したヤツらのこともあるし。


 あの日、彼らは迷いなく僕の所に来た。生命樹であるユウリ様を傷付けるということは…闇。闇より作られし邪悪の剣が存在するのか…?

 ユーグ様も心が囚われたと言う。何者なんだ?

 お父様を連れ去ったヤツらと関係がある?

 私たちの敵は貴族だけでなく、周りの全てかも知れない。気をつけなければ。


 我々森人が白の森にいるのは生命樹を守る為でもあったが、貴族から逃げる為でもあった。そこで生命樹を守ることで守り人となり、ひっそりと暮らしていた。

 森人は普通の人間とは少しだけ違う。同じ人間でありながら違う種族なのだ。

 一つはその見た目。中世的な美形が多いのだ。

 二つめは魔法との親和性の高さ。大抵全魔法属性だ。

 三つめは魂の番について。普通の人間にはそういう出会いがない。

 四つめはほんの少しだけ長寿。だから30代とか40代でも20代に見える。


 そういった特殊性故に貴族やならず物に目をつけられて攫われたりする。だから白の森やそういう空白地帯に逃げたのだ。

 領主に庇護を求めれば即ち婚姻を要求されてしまう。それくらい美形が多いのだ。

 僕の兄弟が揃って美形なのもお父様が若く見えるのもそういう理由。

 警戒していたって僕みたいに被害に会うからね。

 魔力が高いのも悪い方に目立つ。だから僕たちは森から余程のことがないと出ない。


 その僕と家族が揃って外に出たのはもちろん、襲撃されたからだ。

 いったい誰が何の目的で?いや、目的は生命樹。お母様は大丈夫だろうか…。

 感謝祭まではバタバタするけど、お父様にも会って話をしないと。この先のことも含めて…。

 アイの寝顔を見ながらそんなことを考えていたら僕もいつの間にか眠っていた。

 アイの側は本当に心地よいな。



最後はイーリス視点

森人は美形一家



※読んでくださる皆さんにお願い※


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