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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第2章 感謝祭と諸々の騒動
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63.運命の歯車



 私たちは東門から出て森に向かっていた。前にハクと散歩に来た森だ。しばらく森に沿って歩いて行く。

 今日は菜の花の採取と後はイリィと樹脂の確認。

 イリィに風魔法で体を浮かせて風の推進力で歩く方法を教えたら驚きながらもアッサリと習得してしまった。

 イリィは天然で能力高いよね?

 だからビュンビュン進んでいく。歩けば1時間ぐらいの所を15分くらいで着いたよ。最初は練習しながらだよ?本当に凄いよね、魔法は。


 イリィも魔力は多いらしくて風魔法を使っても全く疲れていない。

 凄いねって言ったら私に合ってから魔力吸収ってスキルが生えたって。大気とか地中からの魔力を集めやすくするスキルで、要は自然回復が早まるんだって。

 なんで私と合ってから生えたのか分からないねって言ったらそれはね…愛し合うと相互に影響を与えるからだよって。

 えっえっ…愛し合うって?

 真っ赤になってると、そうだよ。たくさん愛し合ってるからね…って妖しく笑う。


 うわぁ恥ずかしい。私にもスキル生えてるかな?自分を見てみる。


 アイル 15

 称号 精霊王の愛し子new

 月の女神に愛されし者new

 呪を払いし者new

 ジョブ 生産 

 スキル 洞察力 魔力超回復 風結界、聖獣の守護×2new

  魂の番new 創薬new 引き寄せる者new

 加護 精霊王の加護new フェンリルの加護new 白大鷹の加護new 守り人の加護new


 おわっ何だこれ?凄い増えてるぞ?いや、確かに初日に見てからは確認してなかったけど。

 称号って何?いや、まぁそれはまだ良しとしよう。うん。スキルの引き寄せる者って何かね?えっ?まるで自ら引き寄せてるみたいじゃないか…

 加護は…加護はまぁ…仕方ないとして。


 固まっているとイリィがどうしたの?顔を傾けて聞いてくる。あぁ美形の首こてんの破壊力よ。

「なんかさ、称号とか加護がわんさか…?スキルも増えてて」

「教えて?全部」

 妖しく笑って私の頬を撫でる。これは誤魔化したらいけないヤツね。はい、言います。


 それを聞いてふーん…頬の手を唇に這わせて…顎に手をかける。近づいてきて少し顔を上向きにされる。

「僕絡みの加護と称号は当然だよね?だってあんなに…ね?昨日だって…ふふっ今日もだね」

 キスをしながら囁く。うわ、だから美形の破壊力…。

 また頬をなぞりながら、でも引き寄せるって何を?ねぇアイ…何を引き寄せるの?ん?ダメだよ?

 そのまま体をなぞり始める。

 あ、待ってこんな外で…私の耳にキスをすると

「分かってるよね?これ以上君を人に晒したくないんだ」

 私の腰を抱き寄せてキスをして分かった?って…。必死に頷くと満足そうにふわりと微笑んで最後に長いキスをして離れてくれた。


「アイは無自覚だから心配だなぁ。また誰か引き寄せたらまたお仕置きだよ?」

 笑ってない笑顔で言われた…美形のその笑顔は凄みがあるね、気を付けます。


 そんなことをしていたら菜の花畑に着いた。イリィがその大きな目を開いてうわぁと言う。

 きれいだ…少し開けた平原に黄色い菜の花がちょうど見頃だ。それをうっとりと見つめるイリィはまるで絵のようで…ずっと見ていたくて、少し後に立ってその光景を眺めていた。


「たくさん欲しいの?」

『たくさん採るよ』

 イリィとハクが同時に声をかける。

「たくさん採ろう」


 まぁそうだよね?わかってたよ…仲良くわいわいとって少しだけ思ってよ?うん。でもそうだね、早く終わって何より(遠い目)

 ハクとイリィと空からブランが風の魔法で一気にザシュッ…。そして散らばった菜の花を風魔法で集めて収納。一瞬だったねー。私いらなかったんじゃ?

 ハクもブランもそしてイリィまでドヤ顔で私を見ないで。引き攣った顔で凄いねって言うのが精一杯だよ。

 早く終わったからそこで少し休憩。


 と言う名のイチャイチャタイム…いやね、イリィがこんなに開放感のある場所で裸で寝転んだら気持ちいいよねって言って。

 少し、ほんの少しだけそれも有りかなって思ったんだ。そうしたらイリィが近づいて来て脱いでって。首を傾げて優しく。固まってると仕方ないなぁって言いながら私の服を脱がし始める。


 えっえっ…固まっているうちにシャツを脱がされてベルトに手がかかる。慌ててその手を掴むと自分で脱げる?だって。

 イリィはサッサと全部脱いで仰向けになって寝転んだ。そのまま私を見上げて早くって。まだ固まってると起き上がってキスをして悪い子だね?って。

 いや、悪い子っていうかその…お天道様の下でとかは流石に…?

 ベルトを外してささっと全て脱がされる。素早い。慣れかな?毎日だから慣れたのかな?

 若干現実逃避しながら手を掴まれて仰向けになる。


 上からイリィが私を覗き込む。美形に後光がさしてるよ…眩しい。太陽の下、裸で向き合う私たち。

「ふふっ何を期待してるの?」

 って。えっ…いや、えぇ。

 真っ赤になる。確かに裸で寝転んだら気持ちいいよね、としか言っていない。うわぁ、恥ずかしい。もう裸になったら抱き合うみたいに思ってたなんて…。

 くすくす。可愛い。キスをされ、期待に答えないとねって…。





 あぁ、アイってば本当に可愛い。裸で寝転ぶだけの筈ないのにね?僕は聖人じゃないから我慢できないよ?ふふっなのに真っ赤になって。

 期待に答えないとって言ったら一層赤くなって。太陽の下で見るアイの白い体はとてもきれいだ。屈んでキスをするとその太ももを撫でてそこにもキスをする。

 細くてきれいな足。内ももを撫でる。キスをしながら上に向かうと息を呑む音がする。

 ふふふっ触って欲しい?ここ?あふって…またそんな声出して。

 本当に、君といると止まらないよ…困ったなぁ。

 でも今は少しだけ、ね。

 その細い腰を抱いて…ふふっ少しずつすんなりと受け入れてくれるようになったね。でもここは僕の専用だよ?

 あぁ、それだと僕のはまだ誰も受け入れてないから…初めてはアイに捧げよう。今日の夜に、ね。


 何度してもアイは潤んだ目で僕を喜ばせるんだね。もっともっと…青空の下で一緒に高みへ…ふふふ。最高だよ…アイ。

 脱力して裸のまま寝転がる。

「アイ、今日の夜はアイが僕を…いい?」


 えっ?私が?…えぇ、それは嫌とかじゃ無いけど、出来るのかな?悩んでいると

「自分でも望まない形で誰かにされたら…それが初めてなら凄く嫌だよね。そんなことがあったら僕は…」

 そんなこと絶対ないって言い切れれば。でも可能性はゼロじゃない。

 限りなくゼロだけど…悲しそうに言われたら断れないよ。私はイリィを抱く自分を想像する。うわぁこれはマズいかも…考えただけでゾクゾクとした。

 今は止めておこう。


 その後もう一度抱きしめられてから名残惜しそうに手を離した。服を着て移動する。前にお昼を食べたところ。温かいスープと肉を挟んだパン。

 ハクとブランには焼いたお肉をトドンと出す。嬉しそうにしっぽをふりふり。あぁ可愛い。ハクのお尻にダイブしてスーハーする。

 少し迷惑そうにしながらお肉を食べ進めるハク。

 私を見て呆れてるイリィ。へへっ照れ笑いしてパンを齧った。

 ご飯を食べると今度はハクのお腹を枕に横になる。イリィは流石に聖獣は枕に出来ないと少し離れたところで横になった。ブランは私の肩あたりで羽つくろい。ふわふわで可愛い。

 ハクのお腹は柔らかくて暖かくてナビィのお腹を思い出した。ナビィまだ元気かな?もうおばあちゃんだったし、最後の方は寝てる姿しか記憶にない。

 また会いたいよぉ。


(アイリ…会いに行くよ。いつか寿命が来たら…アイリの元に…)


 ふっと風が頬を撫でて目を覚ます。ハクがしっぽをゆるく振っている。夢…?ナビィの声が聞こえたような気がした。


 体を起こすとちょうどイリィも目を覚まして体を起こした。寝てたのはほんの10分程度だったけど幸せな夢だったな。

「どうしたの?」

「夢を見た…大好きだった犬の夢」

「どんな子だった?」

「甘えん坊で甘えん坊で甘えん坊な子」

 イリィは吹き出す。私も吹き出した。

 行こうか?うん。そして片付けてイリィを樹液を見つけた所に連れて行く。


 目印を付けた木はすぐ見つかった。

「これ、この黒いの。樹液」

「樹液?これが…?」

 私は樹液を瓶に少し入れて不純物を取り除く。すると少し黄色味がかった透明な色になる。

「えっ?色が変わった」

 不純物を取り除いたと説明する。イリィは樹液を見つめる。熱を加えると硬化するんだね?と。

「これは革命が起きるよ!」

 個人ではたくさん採取出来ないし、取りすぎは良くないから少量で出来る範囲だよって言ったけど、賢いイリィには分かってしまったかな?


 その付近の木からすでに滲み出ている樹液だけを採取してその日は帰宅した。




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