61.イリィとの時間
投稿順間違えた…
余り影響はないんですが、すみません
部屋に帰ってハクをもふりながらベットに転がる。今回も色々あったな。山芋の発見とかキノコの採取とか、あぁ霞草もだね。
しかしなんと言ってもウールリアさんだよ。スーザンの昔馴染みかぁ。でもあれはね…。そういうことだよね?
私も初めてのお祝いしてあげないとかな?でもスーザンが初めてってことは無さそうだ。ならウールリアさんかな。にやにやしてしまう。
だってあの筋肉とあの妖しい美形だよ?まさに美女と野獣。まぁそれはそれでね、仲睦まじくて良きかなって思うよ?
あのスーザンの狼狽えた姿とか優しい微笑みとかさ。
ウールリアさんも凄く甘えたような顔をして寄りかかってたしなぁ。
ふふふっ。
あれ?そろそろ夕食の時間だけどスーザンはしばらく寄り添ってるよな?ここは屋台に巻き込んだお詫びにご飯作るか。
ハクとブランが呆れたようにこっちを見ていたけど、気にしない!
いそいそと部屋を出て下りるとちょうどイリィが帰ってきた。
「お帰り」
そう言うとイリィは目を細めて
「ただいま、そしてお帰りアイ」
私の頬を撫でる。また不意打ちでその笑顔…頬が赤くなる。そのまま私に軽くキスをする。
「夕食貰ってから上がるよ。話たいことがたくさんあるから…」
イリィは頷くと頬にキスをして耳元で、後でね…ふふっ覚悟して?と囁いて階段を上がって行った。
真っ赤になりながら厨房に入ると下拵えは終わっていた。
そのままスープを作り、肉とサラダをお皿に盛る。するとスーザンが奥の部屋から厨房に入って来た。
「おぉ、悪いな」
にやにやしてから
「夕食貰ってくぞ」
と言って厨房を出る。チラリと見ると憮然ともしている。ふふふっ。
部屋に戻ってトレイを置くとイリィが後ろから抱きついてくる。耳にキスをして、今回は何があったの?じっくり聞かせてよ?
そう言って私を離す。
イリィは心配症だなぁ。
夕食を食べるとそのまま食器を返がてらイリィとシャワーを浴びに行く。
もう恒例で、その度にまだ恥ずかしくてもじもじしてしまう。そんな私を見て目を妖しくさせるのやめて?
心臓に悪い。まだ15なのに…私の心臓大丈夫かな?
部屋に戻るとこれも恒例のハクとブランが結界の中で音を遮断して寝ていた。
チラッと目を開けてこちらを見るハク…揶揄うような瞳にいたたまれない。
後ろから抱きしめられる。頬に手を当て振り返らせるように見つめ合い、キスをする。
「僕以外の人と一緒に夜を過ごしちゃダメだよ?」
「一緒に寝てないよ?」
「それは当たり前。同じ夜を過ごすのもやめて欲しいのに…」
本当に仕方ない子だね…呟いて私をじっと見つめる。そしてふわりと微笑む。
「くすっ大丈夫だね、君の色は淡いピンクのままだ」
キスをしてベットに連れて行かれる。
一緒に毛布に入るとイリィが上に乗り私の顔を見つめる。相変わらず透明感のある美形だ。そのままキスをして体を撫で、体を触れ合わせていく。
「で、何があったの?」
私はブランが大きくなっていたこと、土の中から芋を掘ったこと、そして嫌な予感がして進むと幻獣が倒れて誰かを助けて欲しいと言ったこと、そしてウールリアさんとの出会いを話した。
「幻獣のブラックハウンドだって?
本当にアイは…伝説の存在だよ?もう…ハクだって伝説なのに…」
ため息を付きながら私の頬を撫でる。
「どうやって助けたの?アイ?」
あ…あのあらゆる傷を治す。体の中の菌も追跡して…って。うわぁ。
スッと目を逸らす。
「ほら、僕の目を見て…答えて?」
そう言ってキスをする。ねぇ?答えられないの?
その手が私の体を撫でていく。
はい、ごめんなさい。話します。ん…待って集中出来ない…。
ようやく私を撫でる手が止める。はぁはぁ…危なかった。
「傷薬を作ったんだ。それがちょっと効き目が良くてね?」
「ふーん…ちょっと、ね」
また私の体を撫で始める。あ、待って…うん…はぁ…ごめんなさい、本当はかなりです。
「えっと、その…あッ…」
*******
ピクッてして可愛いね、アイ。でも本当のこと言わないとダメだよ?
もっとたくさんイジワルしちゃうよ?あぁ、そんなに頬を染めて…今日はすぐ寝かせてあげようと思ったのに。そんなに僕が欲しいの?ふふふっ、さぁ本当のことを言ってご覧?アイ…。
そしてあらゆる傷を一瞬で治し、体内の菌も追跡して殺すと聞いて呆れた。全く君って子は…やらかすにも程度ってもんがあるでしょ?
さらに聞けば、その旅人はこの宿の主人と昔馴染み。古い傷は毒と呪いでだいぶ悪かったって。で、アイが作った完全解毒剤で呪いまで完全に解呪したと…本当にもう、何やってるんだい?
まぁアイのことだから放っておけなかったんだよね?分かるよ。僕だって何か出来るならしてあげたいと思うし。でもさ、その旅人だけじゃなくて主人まで?ねぇ…そんな薬、普通何本も作れないよ?
えっ?まだたくさんある?
はぁぁ。お仕置きが必要だね?やっぱり今日もたくさん可愛がってあげないと。お仕置きじゃないかな?
ふふっ。もっとたくさん触ってキスをして…目が潤んでるよ?
あぉもうこんなに…感じてるの?可愛い。そんな顔は誰にも見せちゃダメだからね。
うん…はぁ、アイ…いい?アイは僕にしがみついてくる。はぁ…吐息が熱いよ?アイ…くすくす。お仕置きだからね?
そうして夜は更けていった。
翌日はイリィとお出かけだ。菜の花の採取と樹液の確認と採取の予定。空は晴れていてお出かけ日より。
目が覚めると淡い金色。もうこれ鉄板だね。優しく撫でて首すじからその肩に触れる。
う、うん…寝言?可愛い。そのまま肩から腰へと手を滑らせる。するとその手がイリィに掴まれる。
こちらを見つめ
「昨日はなるべく我慢したのに…僕を誘ってるの?」
色っぽい目つきでそう聞く。慌てて手を離そうとするけどしっかり握られている。そのままイリィに昨日のお仕置きの続きをされました…。これは自業自得だよね…?
起きてから朝食の準備が出来てるか気になって厨房に入る。まだみたいだ。作るか?ウールリアさん用にはミルクがゆかな?お米はないから代わりにパン。根菜を煮込んで。宿泊者用にはお肉入りのスープとサラダにパンかな?
用意がだいたい終わる頃にスーザンが入ってくる。
眠そうだけど充実した顔をしている。あぁ、昨日の夜は…ふふふっ。ニヤリと笑うと嫌な顔をされた。
小さな鍋を覗き込むのでウールリアさん用だと言うとお礼を言って後は任せた。
朝食を部屋で食べて少し休んだらイリィとお出かけだ。私たちが出かけている間に衝撃な話題が町を駆け抜けて行くことを、私はまだ知らなかった。
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