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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第1章 異世界転移?
43/343

43.藍染に挑戦

 ハクと出かけた森へと走って行く。

 走って行くって歩いて1時間ぐらいの距離だし時間かかるって思うよね?そこは全魔法属性の出番で、風魔法の応用で体を浮かせて走ってるんだよね。

 あ、足元は土魔法で動く歩道をイメージしてね。歩く歩道を走ってる感じ。

 早い早い。15分くらいで着いたよ。

 

 森に入る。ハクとお昼ご飯を食べた平地に出る。ここならいいかな?

 藍染めだよ?藍の葉を刻んで水溶性になるように液につけるんだったかな。

 それを水で薄めて染液が完成。

 水溶性にするための液?知らない。そこはジョブがね、仕事をしてくれるから。

 出来た染液は土魔法で造った容器に入れたよ。

 

 布を買ったお店で買った布のハギレを分けてもらったんだ。

 無料だって、太っ腹だよね。

 さて、まずは色の確認をしよう。ハギレを染液に付ける。

 本当は染液に塩とかの色止めを入れるんだと思うけど、そこはジョブの仕事を信じてやってみる。

 きれいな水色に染まる色落ちしない防水性も付くような染液って創造したから。

 

 手元には30×50セルくらいの布が5枚。

 これもハギレなんだって。有難い。

 まずはサッと浸けてすぐ引き上げる。水魔法で水分を抜いて色を見る。

 うお?凄いなこれ。まさに薄い水色。明るい水色じゃなくて気持ちくすんだ風の。

 でもラルフ様の目の色だよ、まさに。

 

 クッション用の大きさに切った布も同じ要領で浸してすぐに引き上げる。

 水魔法で水分を抜いて、よし、出来た。

 うん、いい色だ。

 

 次はロルフ様の分かな。

 浸ける時間を5秒にしてみる。どうだろうか?

 うん、少し薄いかな。後3秒…引き上げる。

 どうだ!まだ薄いかな?大きくなると視覚的には薄く見えるからね。

 でも難しいな。次3秒浸けると染まり過ぎるかも。

 濃く染まったものは薄くできないからな…1秒で刻もう。

 浸けて1秒で引き上げる。どうだ?おぉいい色だ。

 ロルフ様の目の色、深い青だ。

 

 他にはちょっと思ったことがあって、薄いピンク色も染めよう。

 ピンクに染められる花あるかな?

 周りを見回す。ちょうど目の前に実を見つける。木苺みたいで、オレンジっぽいかな。

 これ使えそう。ササっと採取して水に浸ける。温めてお湯になってから実を取り出してギュッと絞る。

 色がでた。結構赤くなったなぁ、けど、染めたら薄まるはず。

 ハギレを浸して取り出す。うん、これもいい色。薄いピンクになった。

 あとは…グレーかな。これは灰汁とかでも染まりそう。

 白も欲しい…色を抜こうか?脱色すれば白っぽくなるだろう。

 ウキウキと作業を進めて欲しい色が揃った。


 もう一つしたいことがあるんだ。染液を小さな容器に少し移して、残りの染液を更に薄める。そこに小さな布を入れてサッと引き上げる。 

 魔法で乾かすと、おっいい色だ。それから分けた方に少し浸して少し置く。引き上げて乾かして見る。

 これいいな!ウキウキして同じ大きさの小さな布と大きな布4枚を同じ手順で染める。

 他にも少しずつ色を変えた青に染めていく。どれもいい色だ。よし、帰ってクッション作ろう。

 帰りも魔法であっという間に東門に着いた!便利だな、これ。


 今日はすんなり門を入れた。良かった良かった。さ、宿に帰ろう。あれ?何か忘れてる?

 あー明日のお昼ご飯の材料買ってない…市場に行くの面倒だなぁ…帰りがけにお店で何か買うか。

 宿に向かって歩いていると野菜を売ってるお店がある。どれどれ、あれ?トマティってぶほっ…いや、名前。そこはトマトで良くない?ニヤニヤしてしまったよ。

 せっかくだからトマティとレタスとキビを買う。パン屋でキビ粉を買えばいいかな?スーザンに厨房貸してもらえるか聞こう。


 宿に帰って筋肉主人ことスーザンに声をかける。

「ギルドの依頼で明日の昼食に、この間のパンが欲しいって言われたんだ。3人分。

 材料は買ってきたから厨房貸して欲しいのと、少し手伝って貰えないか?お金は出るって」

「構わない。何をする?こっち入れ」

 厨房の扉を開けてくれる。


 まずは材料を机に出す。キビ粉、トマティ、レタス、キビ、肉、バジル、オレガノ。

 まずはパン。トルティーヤ風にするのにキビ粉を水で溶いて塩とオリーブオイルを加える。捏ねるのをスーザンに頼んで、その横で野菜を切る。

 トマティはサイコロ状に、レタスは適度な大きさに千切り、キビは芯から外す。バジルとオレガノは刻んでおく。

 肉も厚めに切って叩く。そこに塩と胡椒、オレガノをまぶしておく。

 トマティとバジル、オリーブオイルは混ぜて岩塩を散らす。

 混ぜた生地は丸めて18分割したら薄く広げる。

 広げた生地をフライパンで焼いて。

 両面焼けたらトルティーヤもどきは完成。

 肉を焼いていく。強火で両面に焦げ目をつけたら蓋をして弱火でじっくり。

 宿だけあって厨房の設備は細かい火の調整が簡単に出来る。


 肉を焼いている間にキビの処理。

 粒だけをまとめて容器に入れ、キビ粉と水と塩を投入。

 さっくり混ぜる。

 フライパンに薄く油を引いてそこにスプーンでキビを混ぜた生地を入れて薄く延ばす。

 そう、フライパンでコーン天ぷら。

 これは塩だれがおいしいかな?

 でもニンニクとかないし…シンプルに塩だけふるか。

 

 横でスーザンがガン見している。

 焼きあがったものに軽く塩を振ってスーザンの前に置く。

「いいのか?」

「味見。感想が聞きたい」

 ぱくり。

 目をくわっと見開く。

「うまい!」

「良かったよ」

「これは何だ?油で?」

「キビ粉で衣をつけて焼いたんだよ。キビは油と相性がいいからな」

「何だと?」

「俺の故郷では良く食べたけど、ここらでは食べないのか?」

「そのまま焼く以外の食べ方はしたことがない」

「生のままで芯から外してバターで炒めて塩を振って…家ではそうして食べてたぞ」

「ちょっと店に買いに行ってくる」

「スーザン、まだあるから1本使っていいぞ」

「そうか!助かる」


 芯から取って…フライパンにバターを…粒を炒めて…塩をふって…ブツブツ言いながら作っている。

「出来たぞ」

 出来上がったキビのバター炒めをスプーンで掬ってぱくり。

 スーザンが目を見開く。

「こ、これはキビの甘さとバターと塩が…なんてこった」

 

 ふふふ、甘辛いその美味しさ…。

 突然スーザンががばりと抱き着いてきた。

 固まる私。離してくれ、、、剥がそうとするがさすがに筋肉の塊。剥がれない… ぐえっと声が出たらすまんと言ってやっと離れてくれた。

 中年筋肉男性のハグはいらん。

 ふふふふ…笑ってるよ、なんかスーザンが怖い。

 

 見なかったことにしてパンに具材を挟んでいく。

 先に合わせたトマティのソース付き。

 それで文句は言わせないぞ!


 横で筋肉、もといスーザンが物欲しそうな顔をしている。分かってるよ。厨房貸してもらったし手伝って貰ったからな。

 肉サンドとキビサンドをスーザンに渡す。

「い、いいのか…?」

 頷く。だって、声震えてるし怖いよ…もともと試食用に余分に作ってるし。

 何故か手を震わせてかぶりつく。

「…うぉぉ、こ、これは…」

 肉サンドが溶けた。食べるの早いな?ちゃんと噛んだか?

 そのままキビサンドをガブリ。

 くわっ!だから怖いって…。

 そしてキビサンドも溶けたよ。パンは飲み物だっけ?ってくらい。


 そしてガッチリ手を握られる。うわぁ、やめて…まだイリィ以外は無理。

「は、離せ…」

 我に返った筋肉からやっと解放された…。


「お金もらったら渡す」

「いらねー、代わりにこのレシピ使っていいか?」

「好きにしろ」


 後はクッション作りだな。イリィが帰ってくる前に作らないと。走って部屋に入る。

 ハクがしっぽブンブンで迎えてくれる。さっき作った肉サンドをお留守番のご褒美に渡す。背中を撫でる。可愛い。ブランにも少し千切って渡す。夢中で食べてる。もう、本当に可愛い。

 ハクの後ろからお尻に顔面ダイブする。スーハースーハー。うん、ハクのお尻の匂いとふわふわの毛…良いですな。

 名残惜しいけど、色々作らないと。ハクのお尻から顔をあげる。


 机の上に材料を全部出してクッション作りだ。

 前に作ったからこれは留め具を工夫するだけで簡単に出来た。

 他には同じ色のハンカチとシザーケースみたいな細いベルト付きの縦長ポーチ。

 で、端にデザインを入れる、と。ロルフ様兄弟はお揃いがいいな。

 イリィはやっぱりあのデザインだよな。自分のはハクをモチーフにしようかな?

 うん、物作りは楽しい。大学で建築学科を専攻したのも図を書いたり、平面が立体になるのが楽しかったから。


 さて、次はアレを作ろう。喜んでくれるかな?わたしにはハクのを…ふふっ楽しい。

 あーだこーだと時間をかけて進んで、戻って出来た!

 イリィが帰って来る前に簡単に包んで…あ、帰って来た。


 部屋を出て階段を下りる。イリィとレオ、ルドがいる。またルドがかけてくる。私に抱きついて笑う。子供の笑顔は可愛いなぁ。

 レオも側に来て今日あったことを話す。うんうんと聞いて、明日から出かけるからイリィをよろしくと言う。任せろと言って帰って行った。


 スーザンが後で夕食を持って行くと言って厨房に入って行く。私はイリィと連れだって部屋に戻った。

 部屋に入るとイリィが頬に手を当てて来る。顔を覗き込んで

「何か嬉しいことがあった?」

 首を傾げて聞く。えっ?何で分かった?

「アイのことなら分かるよ」

 優しい目で私を見て淡く微笑む。うわぁ、顔が紅くなるのが分かる。

 そのまま腰を抱き寄せられてキスをされる。頬を撫でながら何があったの?と聞く。上目遣いでイリィを見ると、夕食の後でね、と答えて頬にキスをする。

 うん、後でね、喜んでくれるかな、イリィ。




※読んでくださる皆さんにお願い※


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