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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第1章 異世界転移?
42/419

42.布を買う

 ギルドを出た。私は布を売ってそうなお店はどこだろう?と考える。この間買った服屋の近くまで行ったらわかるかな…?細切れみたいなバギレじゃなくてクッションに使える位の大きさのがあれば貰えたりするだろうか?


 いややっぱりちゃんとしたのを買おう。服屋が固まっているところに歩いて行く。するとその近くに生地を売っている店を見つけた。

 いくつかお店があって、小綺麗で可愛らしいお店とか高級そうなお店とか…そんな中、端っこにあるごく小さな、ちょっとぼろいお店を見つけた。

 なんだかすごく安心感がある。よしここにしよう!


 お店の中は思いのほか綺麗で整理がされていた。手前は、地味な色でゴワゴワとした生地が置いてある。

 奥に行くに連れて明らかに生地の質が良くなっていく。長さ売りなら多少高い生地でもそこまで値段が高くならないと思う。


 クッションに使うからあんまりつるつるしてない、ある程度厚みがあって。でも混紡が売ってないようなら自分で作ってしまえばいいし?

 あぁでもどこで買ったの?とか聞かれても困るかやっぱり売っている布そのまま買おう。


 色はロルフ様とラルフ様の目の色にしよう。2人とも青色の目で、ラルフ様が少し薄いかな?青系の生地を探してみるが色のついた生地は薄くてサラサラしているのばかりだ。

 あ、これなんかいいかも。手触りは麻に近くてほんの少しだけ光沢がある。色はベージュっぽい色だから染色しようかな。


 せっかく作るんだからそこは妥協したくない。青で染色できるようなものってあるんだろうか。青い花…市場で探すか。

 挑戦してみよう。奥にいた店主に声をかける。

 この生地を3メル(m)欲しいと言って値段を聞く。3メルで銀貨5枚。布の値段がわからないので高いのか?って聞いたら高いよ、安いものは1メル銅貨3枚からあるからねってさ。

 比較的しっかりとした生地だから、使いやすいしお勧めだよ。そう言われたので買うことにした。


 よし、布を確保。次は市場だ。まだお昼前だから市場の買い物が終わってからお昼食べようかな。

 服屋は西よりにあったから市場までは少し歩く。

 中央広場を抜けて突き当たりを折れて、そろそろ人通りが増えてきた。市場は今日も賑わっている。


 金具とか扱っているのは奥の方。この前石つきのアクセサリー買ったお店は…あった。店先にはまた色々置いてある。

 せっかくだしお店の中も見てみよう。うん、金属関係全般かな?小物が多いけど。おっ鉄板がある。素材は…


(クロム入りの鉄板 錆びにくい)


 うおぃ、まんまステンレスではないかい。おいくら万円?ん?え?30セル(cm)角で銀貨1枚。安いんでは?もう一度じっくり見る。


(クロム入りの鉄板 厚み5ミル(mm) 低品質)


 うーん、低品質か…でも厚みがあるし、買ってみよう。

 他には…バックの留め具がある。機構が分からない物は欲しいな。1組銅貨5枚。買いでしょ。最後に店先の例の処分品を見てみる。

 今日もガサガサあるね〜こういうの、ワゴンセールみたいで嬉しい。うん、石付きのアクセサリーは買うよ。後は…箱っぽいヤツと、平べったい入れ物かな?加工したら使えそう。これも買いますよっと。


 店主に声をかける。

「おっ坊主、この間も買ってったよな?」

「うん、お買い得だからな」

「捨てるようなもんだから助かるぞ!石付きのがいいのか?」

「どう使うか決めてないけど、クズ石を使えないか考えてて」

「なるほどなぁ。それは習作でな、たくさん出るんだ。お前さん、欲しいなら取っとくぞ?」

「習作?」

「金属加工の工房の出店なんだよ。そこで見習いが作るんだけどな、流石に売りもんにはなんねぇ。ここで、素材として使えるよう格安で売ってんだ」

「うーん、この値段なら欲しいかな?」

「お願い出来るか?」

「まとまったら連絡する。お前さんは探索者か?」

「そうだぞ」

「ならギルドに連絡しとく」

「そんなこと出来るのか?」

「ん?知らないのか?長期で探索に出たりするだろ?だからギルドを連絡先にしておくんだよ」

「それは便利だ。初級のアイルだ」

「アイルだな?んじゃまた連絡する」

 石は質が良かったから嬉しいな。


 せっかくの市場だ、花を見てみよう。青い花、あるかな?

 花を売ってる一角に来た。うん、意外に派手?原色が目に痛い。華やかなお店は通過。おっ、一番端にあるお店は、他の店と違ってわっさわっさ花がない。

 でもそのお店の花は明らかに他と違う。色が淡い花が多い。染めるのには派手な花がいいのかもしれないけと、余ったらドライにしたり、押し花にしたいからこっちの買おうかな。


 え?凄!青いバラだ。近づいてじっと見る。


(遺伝子操作された品種 青いバラ 本物)


 はいな?偽物とかあるの?


(切ってから染色していない 本物の青いバラ)


 あの派手派手しい色は染めてるのもあるのか?それはそれでプリザみたいで凄いけど。

 本物お値段は…まぁまぁ高いか…?1本銅貨5枚。これは高くて染色には使えないな。


 あれ?お店の奥、小部屋のあるところから葉っぱが見えている。何処かで見たような?しもかして…。


(藍 葉は染料、解熱剤、抗菌剤、消毒薬にもなる)


 やっぱり藍染の?社会科見学の藍染工房で見た記憶がある。うわぁ、懐かしい。確か生地を強くする効果もあったはず。

 こちらをじっと見ていた店主、意外と若そうな人が声をかけてくる。20代半ばかな?

「あの葉っぱが欲しいのか?」

 真顔が少し怖い。頷く。

「あとあの青い花も」

 とバラを指さす。なぜか店主は目を見開く。

「か、買ってくれるのか?青いバラを」

 首を傾げながら頷く。すると横から

「おい坊主、やめとけ。あんな高けぇの買ったってすぐ枯れるんだ!無駄遣いだ」


 ムッとした。そのお金は私ので知らないヤツに言われる筋合いはない。店主もガツンとと言ってやれ!と思ったら俯いている。なんか既視感が…。

「俺んとこのがお勧めだぞ」

 なおも言い募る別店主。

「何を買うかは自分で決める。俺の金だ」

 別店主の目を見て言うと舌打ちして去って行った。何だかなぁ、もう。

 振り返ってここの店主を見たら涙目だった。何でだよ!もうっ…。


「う、うん…ちなみにそっちの葉っぱはいくら?」

「1束銅貨3枚」安っ!

 少し考えて

「青いバラはいつもあるのか?」

「次は未定だ」

「ここにあるだけか?」

 頷く店主。

「ならある分を全部。葉っぱは5束欲しい」

 バラは30本くらいか?時間停止だから多めにあっても大丈夫だ。店主は涙目をさらに潤ませてコクコク頷いて、花をまとめ始める。

「バラが31本と藍の葉っぱ5束で銀貨16枚と銅貨8枚」


 うん、あってるな。私は銀貨17枚だして

「残りの分でお勧めの花をくれるか?ここの花は品質も良くて淡い色がとてもきれいだ」

 店主はこぼれるんじゃないかと思うくらい目を見開いてまた目を潤ませる。それからレモンイエローの花と紫の花、白い花を選んで包んでくれた。

 大漁ならぬ大量だ。


 すると後ろから魔力を感じた。別店主だな、即座にこの店に反転の結界を張る。するとうわぁと声がした。

 ゆっくりと後ろを振り向く。そこには服が切り裂かれた別店主が尻餅をついていた。反転されたな…風魔法でお店を切り裂くつもりだったか。


 わざとらしく

「うわぁ、大変だ!大丈夫ですか?」

 と声をあげる。

「なんか気配がした気がして振り返ったらあんたが倒れてて、そっか…誰かが何かを仕掛けたんだな。あんた、庇ってくれたんだろ?こんなきれいな花を狙うなんて許せないな!さっきはあんな言い方して悪かったなぁ。いいヤツじゃないか、あんた。ケガしてないか?」

 と大きな声で言って駆け寄る。


 別店主は気まずそうに、いや、大丈夫だ。ともごもご言って立ち上がった。

 私は後ろを振り返って店主に目配せする。

「あ、あの…ケガがなくてよかった」

 流石に守ってくれてありがとうとは言えないよな。でも立派だよ、あんた。怒らず対応出来てさ。


 襲撃犯の店主はおう、気をつけな!なんてそそくさ言って去って行った。私がここでお前がやったんだろって言うのは簡単だけど、ここで店をやっていく店主はそうもいかない。

 別店主の顔も立て、ここの店を守るのにはあれが最善だろう。この店を守ったことになってるから下手に手出しは出来ないし。ああいうヤツは人を雇ってまで何かはしない筈。


 店主は包んだ花をギュッと握るとまた助けられたな…と呟いた。私はまた?と思ったけど深追いはしない。これから藍染めするからね!


 花たちを受け取って市場の人通りの少ないところでポーチの小部屋に一部入れる。それから東門に行ってハクと出かけた森に一気に走った。




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