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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第1章 異世界転移?

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41.再び指名依頼

 私は馬車に揺られている。目の前にはロルフ様ラルフ様兄弟が座っている。はぁ…ラルフ様の目が怖い…。


 1日遡る。

 ハクと出かけて指名依頼が決まった翌日、宿にロルフ様のお使いが来て手紙を渡して言った。すぐに読んで返事を貰いたいと。

 はい?今ここで?

 首を傾げると、また内容をすぐ確認するよう言われる。仕方なくその場で手紙を読む。おい?マジですかい…面倒な…。

 盛大なため息を付いた私は悪くないと思う。やりたい事がたくさんあるのに…。

「分かりました、と」

 少し投げやりに返す。その言い方にお使いの人は唖然として帰って行った。


 昨日は午後から薬を作った。案外苦戦したのが解毒剤。だってあちらの世界ではお目にかかる機会が無かったから。毒にも詳しくなかったし。そもそも万能なものってないよね?

 で、結局は致死性の毒を無効化することを想像して作った。洞察力によると


(解毒剤 極:死を回避する解毒剤。即死でもすぐ投与すれば死を回避出来る)


 ちょっと意味が分からなかった。死んでるのに死を回避って何さ?ま、結局は死なないってことが分かったので良しとした。

 でもこれだけだと死なないだけで完全な解毒が出来ていない。だから普通に体内から毒を排出することを想像して作ったのがこれ。以下洞察力さん解説。


(解毒剤 超 解呪付き:あらゆる毒を完全無効化する解毒剤。毒の分類になる呪いも完全解呪可)


 呪いもいけちゃう薬です…もう意味不明だよ?何で解毒剤で呪い解けるの?私のジョブがパネっす。いや、私の想像力の問題か…うぅ。


 気を取り直して傷薬。これは重宝すると思うんだ。頭の中にはマキ◯ンが浮かんだよ。あれ?消毒液だっけ?まいっか。そこは傷をすぐ治しちゃうヤツ。もちろん傷口の消毒もだよ?

 塗り薬がいいかな。容器の問題があるから。あ、それならイリィにステンレス貰って作る?いや、地中にアルミが有ればそっちがいいな。加工しやすくて軽いから。


 異世界あるあるでアンダマイト?とかミスリルとかオリハンコンなんてあったりして?属性とか分からないし、やっぱり慣れ親しんだアルミが欲しいよね。チタンもあればなお嬉しいけどな。ほら、アルミは熱伝導率が高いから。

 話が逸れた。えっと、そうそう傷薬。出来たよ!以下洞察力さん解説


(傷薬 超:あらゆる傷を瞬時に治す万能薬。跡も残らない。傷口から侵入した菌も追跡して死滅させる)


 はいきたよ、これ。ってか追跡機能付きだよ…どこから突っ込んでいいかね、はぁぁ。嬉しいよ、とても。でも自分しか使えなくない?これ。いつ使うの?

 …っことで追跡機能なし、傷口の消毒はするけど、瞬時に直すことまではしない。軽い傷薬を作ってみた。以下洞察力さん解説


(傷薬 般:一般的な傷薬傷口の消毒もできる)


 これだよ。これ!作りたかったのはこれ。傷薬に追跡機能とかいらないんだけど…。


 あと作りたいのは風邪薬かなぁ。解熱作用もあるよな一般的な鎮痛剤とかあったらいいよね。あっちの世界で言うバ◯⚪︎リンとか。

 あとあって嬉しいなぁと思う薬は整腸剤とか胃薬とかかなぁ?あぁ頭に黄色いパッケージのパン◯ロンが浮かんだ。

 それから薬じゃないけどこっちって意外と乾燥してるからのど飴みたいなのあったら嬉しいかな?そもそもこっちには飴って売ってる?市場調査が必要だな。

 忘れちゃいけない、湿布!ちょっと打ち身の時とかに使えるやつ。そんなもんかな?

 いつも常備していたのは頭痛薬と鼻炎の薬だったから…こっちには花粉症とかなさそうでそれはすごく助かる。薬関係はこれぐらいか。


 あと装備で作っておきたいなって思ったのは調理道具か。簡単な窯なら土魔法で作れるんだけど…あぁでも空間拡張カバンのこと隠してるし無理か…。

 肩掛けカバンに入る範囲の食器、平たい鍋とかなら持っていけるかね?

 採掘道具は用意してくれるって言ってたけど、バールみたいなやつあったら使い勝手がいいかなぁ。それから灯だけを閉じ込めた小さなランタン。かけられるタイプと手に持つタイプ、ヘッドライトみたいなのもあったら便利かもね。

 でもやりすぎちゃうとラルフ様が怖いんだよね…ロルフ様はあぁ見えて色々と聞かないでおいてくれたけど、ラルフ様は放っておいてくれなさそうなんだよなぁ。ちょっと悩むなぁ。


 で結局、薬は

 解熱作用のある鎮痛剤(あらゆる痛みを取り除く)

 整腸剤(整腸作用がある。胃痛、便秘、下痢に瞬時に効く)

 湿布(打身、捻挫、骨折、筋肉痛、腱の断裂に瞬時に効く)


 道具は

 短剣(斬れ味大、防汚、魔法威力大)

 ナイフ3本(斬れ味大、防汚)

 ククリナイフ(斬れ味特、防汚、対魔法、魔力付与特)

 バール(威力大、耐性大)

 ランタン各種(一度火魔法を封じると3日持つ、オフ機能付き、自動点灯機能付き、ヘッドライトタイプは自動サイズ調整機能付き)

 ダーツの矢10本(スピード大、鋭さ大、防汚、魔法付与大)

 

 を作ってみた。各洞察力さんの解説付き。


 いやいやいや、湿布よ…骨折とか腱の断裂とか…湿布で治らないよね?一瞬、確かに一瞬全部治ったらいいなって思ったよ。思ったけど湿布だよ?とんでも機能付きなんだけど…。

 一体どんな場面で使えばいいんだろうか?いや、使う場面がないのが一番だけど。ラルフさんは鑑定とか使えそうなんだよね。ロルフさんは普通に鑑定持ちだし…なんか思いっきり墓穴掘ってないかな?はぁ…。


 なんて感じて色々作ったんだよね。あぁ、イリィはマルクスに会いに市場に行ってたよ。

 ハクとブランは私が作ってはため息、作ってはため息するのを面白そうに見てたっけ。

 帰ってきたイリィに薬とか装備のこと話ししたら、優しく慰めてくれたよ?ハクとかハクとかハクみたいに笑わないで。

 夜はもちろんイリィとくっついて寝て…。


 今日、イリィはレオ、ルドのお迎えで工房に行った。

 私はこの時期に取れそうな薬草を図鑑で確認しにギルドへ行って、それから例の革工房に。頼んでいた物が出来たって連絡があったから受け取りと、加工するアクセサリーを渡すのと。

 工房で空間拡張カバンのことも聞いてみよう。そこそこのお値段なら買ったことにすれば色々収納してでも大丈夫だし。

 その後は市場で保存食の買い出しかな?

 空間拡張カバンを持ってるって言えるなら椅子とか買おうかな?

 うん、楽しみ。


 そう思ってたのに…ギルドに呼び出しって酷いよね?行くよ?元から行くつもりだったし…でもさぁ、呼び出されていくのと自主的に行くのは気持ちの持ち用が違うんだよね。ロルフ様だって忙しいと思うのに、なんでわざわざ呼び出しなんて。あぁもう仕方ない!準備して出かけるか。


 スーザンに出かけると伝えてギルドに行く。こんなにガッツリギルドに関わるなんてね…。

 扉を開けてギルドに入ると、イザークさんがいつも通り廊下の方を指して、これもいつも通り会議室に案内してくれた。

 扉を開けると、奥の椅子にロルフ様が座っていて手前の椅子にギルマスが座っていた。なんだろうねぇこれ…既視感だよ。ロルフ様が自分の隣の椅子をトントンと叩く。もうこれも一連の流れでいつものように椅子の端っこにちょこんと座る。今日はハクとブランがお留守番だから、膝にハクの温もりがないのが寂しい。

「準備をしてると思ったから…急いで来てもらった…」

 ロルフ様が話し始める。


「実はこの間…馬車で使ったあのクッション…ラルフが興味を持って…自分も座りたいって…。この間のは君が持って帰ったから…2人分買いたい。作る時間がいるから…それで…」

 まさかのクッション欲しいって?あれはハギレだからそれは無理です…。


 ロルフ様が続ける。

「それともう一つお…宿のご主人のお昼ご飯…あれを明日3人分用意して欲しい…お金は払うから…」

「そのよう、馬車の中で使った?ってやつ俺は知らないけど、ラルフが話を聞いて大いに食いついてしまってな。あとその昼飯の話を聞いて、同じものが食べたいと。毒味とかどうするんだって聞いたんだけど、僕はたいていの毒が効かないから問題ないだってさ。全くあいつも頑固で言い出したら聞かないんだわ。

 あいつはロルフのことが大好きでな、ちょっと反応が過剰になるところがある。まぁ悪気はないだ」


 また情報過多だよ。えっとクッションはどうしよう。買うって言われても知られたく無いんだよね。ハギレと木の留め具だし、人には売れないな。

 昼食はお肉と野菜をパンで挟んだ、いわゆるサンドイッチのことだ。やっぱりこっちにはああいう食べ方がなかったのかな?用意できるかはスーザン次第だから返事は保留になっちゃうけど仕方ないよね?


「クッションは売れません。人に知られたくないから…。材料も端材とかだし…。昼食は宿の主人に聞かないと分からないから、返事出来ません」

「お前なぁ、普通、貴族が買うって言ったら断れないんだよ。それを堂々と売れないって…お前ほんとに…はぁ」

 ギルマスが頭を抱えている。

 ロルフ様は少し考えてから

「知られたくないのは…アイディアかな?私とラルフが…人に知られないよう使うのではダメかい?」

 それならダメではない。これも断れない貴族案件か…。


「売れる程度の物を作れるか分からないけど、やってみます。間に合わなければ、明日は有り合わせの材料で作ったもので、売る分は後日お渡しします。それなら大丈夫です」

 ロルフ様は頷く。

「昼食の件は帰ったら宿の主人に相談します。対応が難しければ俺が何とかします。それでいいですか?」

「あぁ、頼む」

「では用意がありますので、これで失礼します」

 さっさとギルドから出よう。ここは鬼門だ。図鑑調べたかったのに。


 予定変更かな。革工房に行きたかったけど、ひとまず布を売っている店できれいな布を買おう。その後は市場に行って、予定通り保存食の買い物。それと明日の朝食の材料買っていこう。

 金物屋で何か安い、金属の端材があればそれも買って行って、クッションの留め具に使おう。

 今日の予定はそんなとこかな。途中で少し何か屋台で食べて…。

 あぁ、空間拡張カバンについて聞けば良かった。




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