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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第7章 新しい迷宮

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374.新しい迷宮15

『アイリーもてもてー!』

 人以外には人気あるみたいだな。何にしても有り難い。

「よし、それなら上に行こう!」


 階段を登る。一応、最上段で待機。ビクトルとディシーは僕の肩に、コムギは腕の中、トムとジェリーはサフィア(1メルくらいになった)の肩に、ナビィも小さくなって僕の肩に、シルフィはそのままの大きさで45階層の様子を伺う。


 うん、空だね。雲がぷかぷか浮いてる。時間的にも44階層まで行けるかって感じかな。

 空気飛行機に乗れるか試すか。

「ナビィ、空気飛行機を試すから一緒に来て。みんなはここで待ってて。何かあればナビィに乗って戻るから」


 空気飛行機にナビィと乗って空に飛び出す。



 ヒュン



 おっ意外と早いな。おわっ死角から鳥の爪が出て来た。この空気飛行機は敵の攻撃から自動で避ける仕組みになってる。もちろん、操縦も出来る。

 上を見る。鳥さんがいっぱいだね…下を見る。鳥さんいっぱいだね。前も後ろも鳥さんだね。

 僕は空気銃を展開して、乱射した。乱射と言ってももちろん、鳥を目掛けて…追尾機能も付けた。



「ギャッ」



 あちこちで魔獣は撃ち落とされている。それと共に鳥の羽や肉が、時に羽毛とか水色の魔石が舞う。それらは吸い寄せられるように僕のポーチへ。

 ふふっ魔獣の魔力を感知すると、吸い寄せられるのだ。

 生き物意外ね。


 結構な量のドロップがある。これは美味しいのか?

 何やら一際大きな鳥さんも瞬殺だったね。

 あ、大きな魔石だ。

「骨もドロップしたら美味しい鶏ガラになりそうなのにな…」

 なんて言いながら。対岸も遠目に見えたし、お試しは成功かな。


 でも結構広い。

「ナビィ、上と下も見ていい?魔力圧が辛かったら言ってな!」

『分かった!』

 そのまま下へと向かう。どれくらいの高度なんだろ?そもそも地上とかあるのかな。

 かなり降りて来た。確かに圧が凄いかも?ぽよんとした球場の結界なんだけど、外からの魔力圧で押されてる感じがする。

 あれ、あの崖…紫色の石?もしかして…



(スギライト…)



 やっぱり。ビクトルは僕のスキルだから同行してるよ。

「ナビィ少し採取したい!」

『いいよー!』



(手伝うの)

(手伝うよ)

(任せてなの)



 ボコンッ



 大きな塊が僕のポーチに吸い込まれた。よく見たらなんだか色々な石がある。

 これは…しばらく進まずに採取だな。周りのみんなが手伝ってくれていっぱい採れた。

 そろそろ戻るか。

「ナビィ戻るよ!」

『はーい』


 こうして40階層は攻略出来そうだと判断して戻った。

「ただいま」

『遅かったではないか!』

 ディシーが勢いよく飛んできてあちこち見てる。

 ん?どうしたの??

『2時間も経ってたぞ』

 あれ、採取に夢中で気が付かなかった。


「ごめんごめん。ちょっと調査でかなり下まで降りてたから」

『パパー心配したよ…』

 コムギたん、ごめんな。

『大丈夫だよ、待たせてごめんな。今日はもう進まずに休もう』


 いつも通り家を出してご飯を食べた。ご飯は作り置きの海鮮丼とお味噌汁だ。ナビィは久しぶりーと大はしゃぎで3回おかわりをした。

 ディシーとシルフィ、サフィアもたくさん食べてたよ。いい事だね!

 そうそう、家はナビィにシルフィと寝てはダメと釘をさされたこともあってポーチの家。そう、ガチの方。部屋はたくさんある。イヤーカフの家は1人用だから。


 寝る前、みんなに鉱物の話をして、しばらくは採取と後はもっと上に何かないか調べたいと伝えた。

『主の希望であれば否もないぞ』

「手伝う…」

『空を飛びたい!』

 ディシーとシルフィは手伝ってくれそう。サフィアは…観光かな。ま、それもいい。家族で楽しんでくれたら。

 なんせジョブを使ってる間は魔力が枯渇しないし。


 と話がまとまったので寝ることに。

 僕はコムギとナビィと自分の部屋でね。久しぶりに背中にナビィがぴとっと張り付いてて、その温もりと腕の中のコムギのもふもふに癒されて…ストンと落ちた。



 ―「たくさんの初めてを2人で…」

「そうだね、イリィ」

 そうだ、約束したもんな。この風景を一緒に見たかったよ。この初めての迷宮で一緒に芋虫に叫んで、逃げて。新しい発見とか経験を全て隣で、分かち合いたかった。早く会いたいよ…イリィ―



 ―アイ、アイ…どこにいるの?元気でいる?寂しくない?また、会える…?アイ、アイ、早く…会いたいよ。また2人でたくさん抱き合ってたくさんキスをして、一緒にご飯を食べて笑って、抱き合って眠ろう。目が覚めた時、アイがそばにいないのは寂しい…アイ、早く、少しでも早く…アイ―



 微睡みながら声を聞く。あぁイリィの声だ。心地良く耳に響くその声。僕にだけ本当の声が聞こえる。もっと声を聴かせて、もっとたくさんの想いを…



 ふと目が覚めた。優しい夢。でもそれは願いであって想いでもある。大好きイリィ。思い出せないのに、それだけは分かる。

 会えばきっと分かるよね。早く会いたいよ…イリィ。

 ねぇ、僕が忘れていても…受け止めてくれる?大好きな人。それしか分からないけど。許してくれる?イリィ。


 ナビィのしっぽが毛布の中で動く。ふふっ激しいね?

『アイリーおはよう!』

 体を乗り越えて顔をベロンと舐められたら。

 その体を撫でる。柔らかなお腹にお尻。ふふっ可愛いね!

「おはよう、ナビィ」

 前脚で頬を押さえて必死にペロペロ。なかなか情熱的だ。きっとイリィがいないから独り占めって思ってそう。それがまた可愛い。

 コムギがもぞもぞと動くの。柔らかな頭にキスをする。

 さて、ご飯の準備だな。


 ベットから起き上がって厨房に行く。ナビィもコムギも付いてくる。今日は焼魚とお味噌汁にご飯、たくあん付きだ。

 ご飯を炊いてお魚を焼く。お味噌汁の具は芋。

 パパッと使った。みんなも起きて来る。

「おはよう」

「おはよう…」

『おはよー!』


 あれ、サフィアはシルフィに抱っこされてる。

「一緒に寝た…ふかふかだった…」

「くすっそれは良かった」

『ぬくぬくだった!』

『だったの!』

『だったー』

 それは何よりだ。


「ご飯できてるからね!」

 各自のお皿によそってあるから。さて、まずはお味噌汁。うん、元僕よ、よくやった。あぁ沁みる。

 焼魚に白ごはんは進むな。たくあんも美味しい。

 完食。


 ナビィと小麦もばくばく食べてる。そしてサフィア。食事は要らないんだよね?でも5日前くらい食べた。まぁ材料は沢山あるから。

『主の食事は本当に美味しいの!』

『そうなの』

『なのー』

「それは良かったよ。今日は次の40階層で調査と採取だから、家はそのまま置いておくよ!」

『分かったのじゃ!』


『我は主と行くぞ!』

 ディシーはチャロから出て浮遊する。

「自分の意思で動けるの?」

『ある程度はな。主が我を使うと考えれば自在に動ける』

「へー凄い。鳥さんは色々とドロップしてくれるからディシーにお願いするよ。頼りにしてるよ!」

『任せるのじゃ!』

 ふふっやる気に満ちた聖剣…面白いな。


「行くよー」

『おー!』

 空気飛行機に乗り込む。なんだかんだで全員だった。まずは下に降りて採掘。

 ディシーはさっそく浮遊してそこら中で鳥さんをバッサバッサ切ってた。

 僕のは昨日の辺りまで行くと

「この辺りで少し採取するからね!」

『はーい』


 ディシーのお陰で安全だから、チャロやシルフィは近場に飛んで何やら掘ってくれてる。

 ナビィもしっぽでバスバスと採掘。助かるよ。

 もうあちこちで掘ってるから何がどれくらいとか分からない。でもかなりの量だね。

 まだ掘り始めてから30分だけど、一度終わり。次は上空だ。


「みんなー上に行くよー!」

『分かったのじゃ』

『はーい』

 みんな戻ったのでまた空気飛行機に乗って上昇。どんどん上がっていく。

 ディシーはまた途中から浮き上がって鳥さんを駆逐する勢いだ。聖剣ってすごいな。 

「ディシーありがとー!」

『よ、良いのじゃぞ(照れ)』

 ふふっ頼りになるな。


 かなり上の方まで来たかな。

 あっ、うわぁ凄い…なんてきれいな…。

「これは…?」

『雲のカケラだよ』

 えっ雲のカケラ?僕の顔を見てビクトルが説明してくれる。


『雲が上空で冷えて、それがカケラになる。この迷宮の仕様みたい。カケラは氷のような、でも違う物質だから消えたりしない』

「雲のカケラか…透明できれいだな…」

 シルフィが立ち上がると目を瞑って

「水よ…」

 何もないところから水が湧き上がり雲となり、僕のそばでカケラとなった。


 それはキラキラと舞い散ってとってもきれいだ。もちろん、舞った後はポーチに収納。

「シルフィ、凄いな。ありがと!もっとたくさんの色があったらいいのに」

「色…」

 シルフィは少し考えると

「水よ…色とりどりの水よ…湧け…」

 今度は言葉通り、色とりどりの水が出て色付きの雲となり、そしてカケラとなった。




時系列整理 年明け以降


1月1日 ロルフたち鎮魂の森を出発

アイルがミュシュランテスを降りて麓の村に着く


1月2日 麓の村をナリスと出発


1月6日 ロルフがフィーヤ着

アイルが町レイニアに着く。馬車を買う


1月7日 ロルフがフィーヤ発 イグ・ブランカ着

アイルが布を仕入れて町を出発

ライラたちが襲われる

ゼクスと王都にロルフから手紙が届く


1月8日 ロルフたちがイグ・ブランカを出発

魔術師団がゼクスに出発


1月9日 アイルがハク、ブランと再会


1月10日 ミュジークと捕虜を解放

アイルが村が救う


1月11日 魔術師団がゼクスに到着

近衛騎士たちが村を出発

アイルたちが村を出発

 

1月13日 イーリスたちがイグ・ブランカを出発


1月16日 アイルたちがロイカナの町に到着


1月17日 アイルが探索者ギルドで依頼達成の手続きをする


1月18日 ロルフたちがフィフスに到着

アイルが川蛇の依頼を受ける


1月19日 ロルフたちがゼクスに到着

アイルたちがゴブリンの討伐依頼を受ける

アイルたちが迷宮を発見する

アイルが迷宮の罠に飛ばされて行方不明になる 46階層

ラルクたちが迷宮に潜る 9階層


1月20日 迷宮2日目 アイル聖剣、精霊と出会う

コムギと再会する 42階層

ハクたちはブランと再会する 30階層まで転移 35階層


1月21日 ロルフたちが死の森に行く

イーリスたちがアレ・フィフスに到着

迷宮3日目 アイルはナビィと再会する 40階層手前

ハクたち 37階層終わり


1月22日 イーリスがゼクスに到着

迷宮4日目 アイルたち40階層


1月23日 アイル捜索隊がゼクスを出発


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