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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第7章 新しい迷宮

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363.新しい迷宮6

 さて、お腹が空いたな。やっぱりお肉かな。んーでもな、魚も食べたい。これはもうアレしかないかな。とっても贅沢なアレ。

 ふふふっ、では台所に行こう。

 まずはお米を出して、多めに炊く。

 次に大根を取り出してたまり漬けに。これは保冷庫(アイル作)で冷やして置く。たまり漬けの元は保管してあったから切って漬けるだけ。

 ドンドンいくよー!


 ポーチからお魚とお肉を取り出す。どうせ時間停止なんだから、沢山作っておこう。

 お魚は1セル(cm)くらいの厚みに切る。赤身と白身の魚だ。

 それとは別に白身の魚を大きめのブツギリに。そっちは小麦粉と卵で作ったタネにつけて揚げる。油は菜種油があったらそれで。


 芋も取り出して皮ごとくし形に切って素揚げ。お餅も素揚げ、コーンは魚と同じタネに付けてスプーンで大きめに掬って油へ。

 肉は厚めに切って小麦粉、卵、パン粉に付けて油へ…。

 ジュワーっといい音がする。そして香ばしい匂いも。


 ご飯が炊けたらサクサと砂糖などを加えて酢飯に。かき混ぜてから空気に触れさせて冷ます。

 実は薬草と言われて採取していた葉っぱが大葉だったことが判明。これは嬉しい誤算だ。

 細かく刻んで置く。

 冷めたご飯を深いお皿に入れて、お魚(浄化済み)を乗せて大葉を乗せる。

 作れるだけ作っておこう。


 さて、揚げ物も大丈夫かな?かなりの量だ。お魚は1メルくらいのを使ったし、お肉は4、5キロル(Kg)はあったと思う。芋は20個は使ったな。何人前ってくらい出来た。

 これでしばらくは作らなくていいかも。飽きたらまた別の料理を作ろう。今日は切って揚げるだけ、切って盛り付けるだけの手抜きだからね。


 食べる分を残してポーチのアリーナに収納。そこは時間停止だ。

 机に並べる。トムとジェリーと、ビクトルも食べたいって言うから小さな器にそれぞれ盛った。

「いただきます!」

 まずは海鮮丼、お醤油を垂らしてパクリ。もぐもぐ、うわぁ美味しい!脂が乗ってて濃厚だ。口の中でとろけたよ。赤みはマグロっぽくて白身はブリっぽい味。クセがなくて食べやすい。しかもマグロっぽい方は中トロって感じ。これは美味しいな。


 次にフィッシュ&チップス。まずは芋…ホクッ、美味しい!好きなんだよね、プライドポテト。これはいくらでも食べれる。お魚のフリッターはどうかな?シンプルにお塩とトマティを混ぜたソースで食べる。

 うぉぉ、これも美味しい。トマティの酸味がたまらないな。お魚がほんのり甘くてプリッとしてて。

 ここで、スープ。疲れちゃったから乾燥スープの素にお湯を注いだ。何故か分からないけど、家の中では魔法が使えたんだよ。迷宮の不思議だね。

 ビクトルによると、家は物理だけど中の空間は僕の固有空間、いわゆる亜空間になってるのかも…だって。

 分からないけど使えるなら便利だね。


 途中で食べるたまり漬けは口直しにぴったり。

 さて、ではメインの揚げ物。オークカツとキビの天ぷら。ソースはないからお醤油で。キビ天ぷらはお塩。

 ふおー美味しい。夢中で食べたよ。

 こうして満足な食事を終えた。

 うーん疲れてはいるんだけど、甘いものが食べたい。作りたいのは練乳とチョコレート。

 作り方が分からないけど、練乳は確か加糖練乳だった。牛乳に砂糖を入れて、煮詰めたらいい?何か足りない気もするけど。やってみよう。

 ダメか…。普通に焦げる。悩んでいたら

『ジョブで作れば?』

 ジョブは材料が足りてないと作れないよ。足りてるのかな?


 焦げないように再挑戦するか…弱火でひたすら底をかき混ぜ続けると、あっいけるかも?さらに火を弱めて鍋の底から掬ってかき混ぜる。慎重に慎重に。

 出来た!スプーンに掬って味見。熱っ、まだ少しさらさらしてるけど練乳だ。やったー!

 ポーチから果物各種を取り出して、付けてパクリ。いちごが欲しいけど無いからね。

 でも酸味のある果物にはとっても合う。

 これはアイスクリーム作ってフルーツパフェだな。よし、次の目標。作った分は保冷庫に。材料が分かれば後はもうジョブで時短だな。


 チョコレートはどうしよう。まだ早い時間だし、やっちゃう?でもなぁ、カカオ豆から色々な工程を経てカカオマスへ、カカオマスに材料を足してから作られるだったか。ならカカオ豆が無いとそもそも作れないよな。

 カカオ豆はこっちにあるのかな。

『あるよー』

 ビクトル、えっ?どこ??

『ここ』

 ここ?って迷宮の中?

『迷宮に生えてる』

「何階層?」

『だからここー』

「46階?」

『うん、多分…45階にも』

「迷宮の中の植物は持って帰れるなら」

『帰れない』

「じゃあダメじゃ無いか」

『木の実から種を取ってそれを家の中で植えたら?』

 植えたとしたら持ち出せるのか…?あ、亜空間の中は迷宮の理りから外れる。だって魔法が使えた。

 なら種じゃなくてもいいのか、いや…恒久的に生産するならやっぱり木として植えたい。


「その木がどこにあるか分かる?」

『場所までは分からない』

『分かるよー!』

 トムとジェリーが前脚を上げている。

『カオの木って言うんだよ!』

『言うんだよ!』

「なら明日、そこに案内して!摂り尽くすから」

『分かったー』

『分かったー』

 材料が有ればジョブで。ふふっ、でもなぁそれだと自分しか作れない。自分だけしか楽しめない。

 ま、取り敢えずは作ることが黙秘だし…1人の今がチャンスだ。


 さて、シャワー浴びて寝よう。

 ビクトルも一緒に、入ったけど…相変わらず色々と小さくて可愛い。ふふっその体を撫で回したよ?だって不思議でさ。お尻はちゃんと柔らかかった。

 ビクトルには

『アイルの変態!』

 って言われたけど。ふふふっ可愛いからついね!変態上等だよ?


 さて、お風呂上がりにフルーツ牛乳を飲んで寝ることにした。今日は本当に疲れた。そういえばみんな無事かな?ま、僕が1番弱いから大丈夫だねきっと。あぁ、でもコムギはまだ赤ちゃんだから早く見つけてあげたいかなぁ。ハクとブランは大丈夫。ナビィは自分で罠を踏んだから自業自得だね。

 でももう少し1人を堪能したいかなぁ…そんなことを考えながら眠りについた。



 ん…眠い。でも凄く心地良い微睡の中で僕は目を覚ます。あ、僕の大好きな淡い金髪になめらかで柔らかな肌。その温もりを堪能する。

 密度の濃い金色のまつ毛に少し色づいた頬。目を瞑っていても分かるほど圧倒的な美形。

 あぁ僕のイリィは本当にきれいだ。その胸は規則正しく上下する。


 トクントクン


 何故だかその音に泣きたくなるくらい安堵する。もう大丈夫だね、イリィ。大好きだよ。

 まるでその呟きを拾ったようにその瞼が震えて、まつ毛が揺れる。その目が開いて…



 あれ?目が覚めた。何か凄く優しい夢を見たような…あ、淡い金髪。そうだ!温かなその体を思い出す。覚えてないのに、懐かしい。思い出せないのに大切な思い出。

 ふうと息を吐く。

 こうやって少しずつ、思い出せたらいいのに。僕はその優しい夢から現実に戻る。

 いつも抱き付くハクたちはいないけど、首元にはトムとジェリーがいる。小さいけど、意外にもふ毛で気持ちいい。


 伸びをして起き上がる。ふう良く寝た。今日はやる気だ。なんと言ってもカカオ豆。沢山摂りたい。

 着替えをして(ちゃんと寝る時用の服があった)台所に向かう。

 今朝はパンと卵とソーセージ、トマティスープだ。

 ささっと作って食べる。うん、美味しい。僕のポーチにある食材はどれも状態がいい。

 魔道具は魔力を流せばいいし、本当に楽ちんだ。元僕は色々とやらかしてるけど、いい事もそこそこある。

 食事と寝る場所、防御とジョブにスキルは本当に有用だ。あれ?ほとんど全部か。

 有用だけどやり過ぎてるだけかも?


 今は1人だし、やり過ぎとか分からないから思う存分、やろう。目標があるからね。

 家を出て、イヤーカフにしまう。体を軽くほぐしてから黄金の木から離れる。

 



時系列整理 年明け以降


1月1日 ロルフたち鎮魂の森を出発

アイルがミュシュランテスを降りて麓の村に着く


1月2日 麓の村をナリスと出発


1月6日 ロルフがフィーヤ着

アイルが町レイニアに着く。馬車を買う


1月7日 ロルフがフィーヤ発 イグ・ブランカ着

アイルが布を仕入れて町を出発

ライラたちが襲われる

ゼクスと王都にロルフから手紙が届く


1月8日 ロルフたちがイグ・ブランカを出発

魔術師団がゼクスに出発


1月9日 アイルがハク、ブランと再会


1月10日 ミュジークと捕虜を解放

アイルが村が救う


1月11日 魔術師団がゼクスに到着

近衛騎士たちが村を出発

アイルたちが村を出発

 

1月13日 イーリスたちがイグ・ブランカを出発


1月16日 アイルたちがロイカナの町に到着


1月17日 アイルが探索者ギルドで依頼達成の手続きをする


1月18日 ロルフたちがフィフスに到着

アイルが川蛇の依頼を受ける


1月19日 ロルフたちがゼクスに到着

アイルたちがゴブリンの討伐依頼を受ける

アイルたちが迷宮を発見する

アイルが迷宮の罠に飛ばされて行方不明になる 

ラルクたちが迷宮に潜る


1月20日 迷宮2日目


1月21日 ロルフたちが死の森に行く

イーリスたちがアレ・フィフスに到着


1月22日 イーリスがゼクスに到着


1月23日 アイル捜索隊がゼクスを出発

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