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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第7章 新しい迷宮

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362.新しい迷宮5

誤字報告ありがとうございます…

助かります

 僕はトムとジェリーの案内で階段を目指す。僕が最初に落ちた芋虫の階層はどうやら46階、で穴に落ちてさらに2層下がった。でここ48階。って事はまたあの芋虫の階を進むのか…はぁぁ。凄く凄く嫌だけど、仕方ない。

 47階が可愛いもふもふの階でありますように…。

 散発的に凶悪顔のうさぎが出てくる。この後のことを考えて、ジョブと普通に剣で戦ってみることにした。


 まずはジョブ。空気銃を想像して生産、もちろん銃も弾も空気。それを即座に発射。過たず喉を撃ち抜いた。

 結構な威力。でも、単発だと群れには対応出来ない。どうせ実体がないなら10挺くらい浮かせて全方位に発射したらいいかな?照準は敵意のあるものに自動で合わせるようにして。


 とそんな事を考えていると、目の前から群れが来た。10匹ほどか…ちょうどいい。

 空気銃を浮かせて準備する。もう、数も相手を見て自動で揃えたらいいかな。ビクトルの思考を組み込んで、と。

 うん、12匹いたみたい。僕の目には水色の空気銃が見えている。背後の銃は見えないけど、感じる。


 発射のタイミングも自動にしとこう。徹底的に楽するんだ。

 そういえば、弾の飛距離ってどれくらいだろう?相手のうさぎはだいたい10メルほど離れてる。為を作って来た!



 シュパン

 シュパパパン



 小気味良い音が鳴り響く。うさぎは全て倒れていた。どうやら背後に2匹いたみたいだ。

 やがて粒子となって消えると、うさぎの毛皮と捩れた角、そして肉が落ちていた。



 ヒュン



 僕の腰のポーチに自動で収納されてた。何で?これは便利な迷宮仕様か?

『アイルのジョブ』

 えっ?僕の…何もしてないよ?

『考えたでしょ?勿体無いな、拾えたらいいのにって』

 それはね、だって布や糸が落下していくからつい。

『だから、無意識にドロップ品をポーチに回収する機能をポーチに付与した』


 …また無意識?それで出来るのが凄いというか何というか、ね。

 まぁ確かに手を触れずに回収出来るなら便利だよね。てっきり迷宮が空気を読んだのかと思ったよ。


 そのまま単発のうさぎも出たけど、空気銃で瞬殺。そろそろ剣を試すかな。空気銃は僕が応戦している間は沈黙させておこう。考えたらそれが組み込まれるみたいだし、これで剣を持ってうさぎに向かえば空気銃は沈黙するはず。


 いた、一匹だけだな、良し。剣を構える。うさぎは猛ダッシュで僕に角を突き出して突進して来た。

 僕はその突進を華麗に避けて、横から剣で一閃…する筈が、直前でうさぎがジャンプした。えっ、と思っている隙に後ろ脚でキックされた。


 ぽよーん


 剣で応戦する為に風結界(無意識自動発動)は解除してある。ここの階は罠で矢が飛んで来たりしないらしいからね。でも芋虫階に落ちる際の玉のような結界は体に沿って残してある。だってね、ケガしたくないし。

 それに触れてうさぎは弾かれた。


 うわぁ、後ろ脚をかいて助走してる。今度は慎重に相手の動きを見極めよう。

 また剣を構える。うさぎはまた角を突き出して突進して来た。今度は真っ直ぐ来そうかな。

 うわっ思ったより早い。いや、直前で加速した。何とか避けたけど足がもつれた。ヤバい。



 シュパン



 はぁはぁはぁ、助かった。危ない時には空気銃が発射される仕組み。そこはビクトルの思考を組み込んであるから、ビクトル的に危ないと判断したんだろう。

『ご主人弱いー』

『ご主人やわー』

 ぐっトムとジェリーに言われた。くっ、今度こそ。

 それからうさぎと戦う事7回、やっと剣で斬れた。はぁはぁはぁ、もう…僕って体力無さすぎ。それと、剣が下手すぎる。

 素振りとかしないとな。


『ご主人ーもうすぐ階段だよ!』

 トムが教えてくれる。今日は階段を上がって黄金の木を見つけたらそこで休もう。

 階段を登りきるとまた草原のような草っ原だった。48階層も、そして46階層も草っ原だった。ここ47階層も同じ感じ。ちなみに空には何故か太陽が見える。天井?は見えない。これも迷宮の不思議なんだとか。


 てくてくと進んで行く。実はトムが先にチョロチョロ進んでいる。ジェリーは僕の肩の上だ。

「きゅうきゅう」

 トムが鳴く。魔獣かな?


 遠くから土煙を上げて何かが来る。まだ遠く見えないな…と思ったら視界がくっきりとした。ん?まいっか、で何だろう。

 黒いな、カサカサカサ…。

 う、もしかしてアレ?黒くて黒くてキモいヤツ。

『違うよー』

 ビクトルほんと?ほんとだね??僕、アレは無理だよ。


『ケンタウルスオオカブト』

 って何かな?カブトムシの種類とか。

『大型のカブトムシ型魔獣、魔虫かな』

 遠くて大きさまで分からないけど、冷静に考えてカブトムシが土煙をあげるってちょっと考えつかない。なら相当大きいか、大きな群れか。

 芋虫よりはいいけど昆虫も苦手かも。それでも黒いヤツらよりは何倍もマシだね。



 …何倍もマシって思ったの誰?僕だな…いやいやいや、ものには限度ってのがあるよね?普通。なにこれ、デカ過ぎるんだけど。

 1匹が3メル(m)超えてる。立ち上がると胸の部分が見えて色々とキモい。

 横から剣で斬ったけど、殻に傷がつく程度。どんだけ硬いのかね?


『魔剣だから魔力を流せばいい。魔力を流さないとただの剣だからアイルの技術ではケンタウルスオオカブトは斬れない』

 ビクトル、始めに教えて?もう何十回と剣を振ってるんだけど?


 ふう、精神統一して…いざ!



 ザグッ



 …斬れた。あっさりと。な、な、な、何で?目の前には1メル(m)近い頭が転がってる。

 呆然としているとやがて光の粒子となって消えた。そこには立派な2メル(m)もある先端が二股に別れた角と、黒光りするやはり大きな殻が落ちていた。透明な羽も一対ある。



 シュン



 やっぱり自動で収納された。

「ビクトル、魔剣に魔力を流す事…もっと早く教えて欲しかったよ」

『知ってると思ってた』

「前の僕は知ってたの?」

『…』

「ビクトル?」

『…てへっ』


 ぐっ、誤魔化そうったってそうは…うん仕方ないね。だってさ、僕の指にすりすりするんだよ?小さな水色の髪の毛の可愛いビクトルが。もう仕方ないな。

「次からは早めに教えてな?」

『うん!』



 チョロいアイルだった。



 その後も3匹ほどのケンタウルスオオカブトを仕留めた。2匹は剣で、最後は空気銃の威力を確認する為に銃で。

 あの硬い殻をものともせず、貫通した。しかも50メルほど手前から。

 チートだね?困ったら空気銃があるから、明日は剣の練習を兼ねて自分で頑張ろう!


 そろそろ休みたいなっと頃にトムが黄金の木があると教えてくれた。

 はぁぁ、疲れた。良く動いたなぁ今日は。


 当たり前みたいに家を出す。玄関扉から入ってソファで少し寛ぐ。肩の上にはトムとジェリー、手の上にはビクトル。小さなビクトルの頭を指で撫でる。僕の指に抱きついてすりすりする姿は可愛い。そのサラサラな髪の毛を撫でて頬も撫でる。そのまま僕の指に唇をつけて吸う。魔力の補充かな。

 いつも以上にビクトルも頑張ったからね。しばらく吸ってから顔を上げる。

『ぷはぁ…美味しい』

 魔力に美味しいとかマズイがあるのは知らないけど、某青汁みたいにぐびっと飲んでマズイ!って言われるよりはね、美味しい方が嬉しい。


 さて、お腹が空いたな。やっぱりお肉かな。んーでもな、魚も食べたい。これはもうアレしかないかな。とっても贅沢なアレ。

 ふふふっ、では台所に行こう。

 まずはお米を出して、多めに炊く。

 次に大根を取り出してたまり漬けに。これは保冷庫(アイル作)で冷やして置く。たまり漬けの元は保管してあったから切って漬けるだけ。

 ドンドンいくよー!


 


時系列整理 年明け以降


1月1日 ロルフたち鎮魂の森を出発

アイルがミュシュランテスを降りて麓の村に着く


1月2日 麓の村をナリスと出発


1月6日 ロルフがフィーヤ着

アイルが町レイニアに着く。馬車を買う


1月7日 ロルフがフィーヤ発 イグ・ブランカ着

アイルが布を仕入れて町を出発

ライラたちが襲われる

ゼクスと王都にロルフから手紙が届く


1月8日 ロルフたちがイグ・ブランカを出発

魔術師団がゼクスに出発


1月9日 アイルがハク、ブランと再会


1月10日 ミュジークと捕虜を解放

アイルが村が救う


1月11日 魔術師団がゼクスに到着

近衛騎士たちが村を出発

アイルたちが村を出発

 

1月13日 イーリスたちがイグ・ブランカを出発


1月16日 アイルたちがロイカナの町に到着


1月17日 アイルが探索者ギルドで依頼達成の手続きをする


1月18日 ロルフたちがフィフスに到着

アイルが川蛇の依頼を受ける


1月19日 ロルフたちがゼクスに到着

アイルたちがゴブリンの討伐依頼を受ける

アイルたちが迷宮を発見する

アイルが迷宮の罠に飛ばされて行方不明になる 

ラルクたちが迷宮に潜る


1月21日 ロルフたちが死の森に行く

イーリスたちがアレ・フィフスに到着


1月22日 イーリスがゼクスに到着


1月23日 アイル捜索隊がゼクスを出発

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