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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第6章 ピュリッツァー帝国

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352/429

346.旅は続く

 僕たちは村の復興が早々に終わったので、その村で行商をした。小麦粉とかの食料はナリスが僕から買い上げる形で村人に無償で配布してた。

 村長さん始め、みんな泣いてた。ナリスは僕に大銀貨5枚の借金だね!

 ラルクとテオは何故か僕に付いて来ると言う。騎士って簡単に辞められるのかな、と思ったらケガによる退役とされるんだって。

 治ってるのにいいのかね?ま、僕には分からないから。

 で、村で1泊させて貰って出発。


 ラルクもテオも騎士だから自分の馬を連れていた。だから2人は馬に乗ってる。僕は相変わらず馬車だよ。

 ナビィとハク、ブランは外にいる。走りたいとか飛びたいって言ったからね。

 最近は雨が多かったけど今日は晴れ。このまま天気が良いと楽なんだけどね。

 もっとも僕は馬車に乗ってるだけ。退屈。僕も外を歩こうかな。


 お昼の休憩で提案した。

 ナリスもテオもラルクもなぜか微妙な顔をしたけど頷いてくれたよ。

 ちなみに食事は僕持ち。なんかナリスもテオもラルクも押しかけなんだけどね、心配してくれてるし。

 お肉とかお肉とかお肉は売るほどあるし。みんなで食べる食事は美味しいし。


 食べ終わって少し休憩して出発。特に理由は無いけど南に向かって歩いて行く。

 村々を回って町に寄って。今日は5日ぶりに町に寄ったよ。

 宿を決める時、誰が僕と同室になるかで揉めてた。何で?ハクたちがいるから怖いのかな?こんなに可愛いのにね。


 今日はラルクと同室みたい。

「大所帯でごめんね。負けたの?」

 ラルフは不思議そうに

「負けたとは?」

「みんな僕と同室は嫌かと思って。僕は1人部屋でもいいんだけど?」

 僕の言葉を聞いてラルクは固まった。そして口元を抑える。

「ぐっ…」

 あれ、調子悪い?頬が少し赤いかも。頬に触ると少し熱を持ってる。

「ラルク熱ある?熱いよ。苦しく無い?」


 ベットに座らせるとおでこを合わせた。あ、震えてる。

「寒いんだね、この部屋は暖房がまだ暖まってないから」

 僕はそっとラルクを抱きしめた。

「ア、アイル…」

「部屋が温まるまでこうしてるよ!」

 始めは震えていたラルクがようやく落ち着いた。良かった。そっと背中を撫でて離れる。

 顔を覗き込んで

「暖まった?」

 頷くラルク。良かった。

「僕はちょっと仕入れとかあるから、外に出るね!ラルクはちゃんと寝てて」


 部屋を出ると隣の部屋からナリスが出て来た。

「ラルクは?」

「なんか顔が赤くて、調子悪いみたいだから部屋で休んでるよ!ナビィがそばにいる」

 ナリスは僕たちの部屋を開けて、ラルクと何か話をした。

「大丈夫だな、買い出しに行くか?」

「うん」

 僕はとナリスは町に繰り出した。この町は何が売ってるかな。

「先に探索者ギルドに寄っていいか?」

「うん」

「なぁ急いで無いなら、ここで少し稼がないか?」

「稼ぐ?」

「探索者としてさ!」


 なるほど、確かに。僕も討伐系の依頼を受けたいかも。

「いいよ!僕も討伐系の依頼を受けたい」

「おう!金も返さないとだしな」

「テオたちはどうするのかな?」

「あぁ、彼らは探索者ギルドに登録してるぞ」

 えっとそうなんだ?

「騎士なのに?」

 ナリスはん?という顔をして

「騎士だから、だぞ?」

「僕、そういうの知らないんだ…」

 というよりこの世界のことを何も知らない。


 ナリスに頭を撫でられる。

「この国はな、騎士になる為に探索者の中級以上が必要なんだ」

「そうなんだ?だから」

「アイツらも依頼を受けたいんじゃないか?あんまり金も無いって言ってたし」

 騎士って高給取りじゃ無いのかな?辞めちゃったからとか。

「金は手持ちが無いだけだろうがな」

「ふーん、なら無いと困るよね?」

 荷物もあまり持って無かったし。


 探索者ギルドに着いた。夕方よりは早いから人は少なかった。

 まずは買取の窓口へ。

「ここは買取だ」

 強面のお兄さんがナリスに言う。

 ナリスはギルドカードを出しながら

「あぁ、買取を頼む」

 机の上に討伐した緑の耳をたくさん置いた。

「うへぇ、なんだこれは…」

「あぁ、少し北にある村を襲っててな」

「村は大丈夫か?」

「何とかなぁ」

 職員さんは黙々と数を数える。


 そして

「ほらよ!討伐依頼は常駐で出るからこれを依頼完了の窓口に渡せ」

 そう言って紙と報酬を渡してくれた。

「アイルは出さなくていいか?」

(ハク、ブラン。解体してない魔獣どれくらいある?)

(ご主人なら僕たちの亜空間収納を見れるよ!)

 亜空間収納?


 ブラン

 オーク たくさん

 ポイズンスネーク たくさん

 ワイバーン たくさん 

 魔牛 たくさん

 魔魚 たくさん

 ボア たくさん


 ハク

 オーク かなりたくさん

 ディア たくさん

 ブラックベア それなり

 ビックスネーク たくさん

 ジャンアントトード かなりたくさん

 オーガ そこそこ

 魔魚 かなりたくさん

 ボア 相当たくさん


 肉が多いね…しかも数が明示されない。

「ん、坊主もあるのか?」

 強面の職員さんが聞く。

「うん、解体してないんだけど。お肉だけ欲しい」

「出せ」

「えっと、無理かな…」

「あぁ、持ってないのか?」

 凄まれてもね?あり過ぎるんだよ。

「いや、多すぎてここに出せないんだ」

 ナリスが横から言う。手を出された。あ、カードだね。

 まじまじと見ると顎で別の方を向く。

「着いてこい!」


 ナリスと一緒に着いていくと、解体場だ。うわぁグロい。ちょっと苦手かな。自分では解体しないから。

 僕のはポーチに入れると勝手に解体される仕様。

 職員さんは大きな机を指差すと

「ここに出せ」

 えっとそれも無理かな。

「床でもいい?」

「あぁ?」

 凄まれてもね?あ、ハク…唸らないよ。

(ハク、ブラン、少なめに出して!)


 ドンッ

 ドンドンッ

 ドンドンドンッ


 …少なめって言ったよね?僕は。

 なんで解体場を埋め尽くしてるのかな、ハク、ブラン。こら、目を逸らさないよ?

 仕方ないから半分くらいは僕がそっと収納したよ。これならいいかな。ドヤッ

 強面の職員さんを見ると、ポカンと口を開けて固まってた。解体していた他の職員さんも固まってる。

 まだ多かったかな?ナリスは呆れ顔だ。

「ナリス、ちょっと多かった?」

 小さな声で聞く。

(ほんの少しだけなのにな?)

(ねー?)

「いや、ちょっとっていうか、な…」

「なんだこりゃー!」

 職員さんの叫び声がこだました。


 解体場に緊張が走る。僕には分からないけど、何が?

 首を傾げる。

「ぼ、ぼ、ぼ、坊主!こ、こ、こ、これは?」

 大きな鳥さんを指して言う。確か前にナビィが取って来てくれた…?鶏ガラスープの元になった魔獣だったかな。あれ、いつの記憶?

 名前は確か、ワ、そう!ワイバーン。

「ワイバーンだよ?お肉が美味しいし、骨はいい調味料になるよね!」

「お肉」

「調味料」

「「はぁぁ?」」

 あれ、お肉とか調味料は流通してしてないのか?勿体無い。美味しいのに。


(アレは美味しかった)

(うん、凄く美味しかった。また食べたい)

(僕はぼんやりとしか思い出せないけど、美味しかったことは何となく覚えてる)


 そんな平和な会話をハク、ブランとしてたら強面のお兄さんの顔が目の前にあった。えっ?

「ど、ど、ど、どこで狩った?」

 僕は知らない。

「知らない、従魔(ナリスにテイマーだと言えと言われていた)がね?」

「従魔…」

 ハクとブランを振り返ると顔が青くなった。大丈夫かな?

「おじさん大丈夫?顔が青いよ?」

 コクコクと頷く。

「あぁ、大丈夫、だ…」

 ぜんぜん大丈夫そうじゃ無いけど。まいっか?


「解体お願いできる?お肉以外はいらない。ワイバーンは骨も返して欲しい」

 ぐりんと顔を僕に向けると

「ワイバーンの肉は少し卸して欲しい」

 たくさん取れそうだし、まだあるしいいかな。 


(お肉食べたい)

(たくさん食べたい)


 うーん、ならもう一体出す?

 ブランがもう一体のワイバーンを取り出した。

「ひぃ!」

 なんだ?

「一体分はお肉も卸すよ!骨はどっちも返してね」

 鶏がらスープ作りたい。

「わ、分かった。間違いなく」

「おい、解体いつまでに出来る?」

「3日後だ!」

「悪いが3日後に来てくれ」

 頷いた。


 ギルドに戻って依頼完了の窓口にナリスが紙を出し、お金を貰ってた。僕にも分けてくれたよ。で、依頼を受けようかと思ったけど、テオとラルクと一緒にまた明日ってなった。今からだといい依頼はないって。

 ギルドの用事はこれで終わり。

「ナリス買い出し!」


 かなり仕入れたんだけどね?まぁまぁ減っちゃって。野菜とか果物は人気なんだよね。小麦粉もこの間の町でたくさん渡しちゃったし。

 市場に向かう。パンも買い足そうかな。

 市場に入ると手前は調味料だ。岩塩は途中の山で見つけたから沢山ある。

 コショウも山で取ったから沢山ある。あ、あれは…唐辛子かな?

「おっ、これは辛いぞ?寒い冬には丁度いいんだ」

 籠に山盛りで銅貨5枚。安いね。

「沢山欲しい」

「そうか、なら袋売りもあるぞ?籠の50倍入って値段は銀貨15枚だ」


 量は50倍で値段は30倍?ならお得だね。容量は問題ないし。

「買うよ!他にもお勧めある?」

「ならこれはどうだ?バナパルトから入って来た砂糖だ。黒砂糖って名前だな?比較的安い」

 小さな壺に入ったのが銀貨1枚。たしかに、白い砂糖だと倍はする。

「それも沢山欲しい」

「大きな壺ならこれで銀貨10枚だ」

 間違いなく10倍以上ははいってるね。

「それも買う」

「後はこれか、バター。これも銀貨1枚だ。大きな壺なら銀貨10枚だぞ!」

「ならそれも買うよ!全部で銀貨35枚だね。これで」

 大銀貨4枚渡す。銀貨のお釣りが5枚。

「沢山ありがとよ!小分けの壺オマケで付けとくぞ!」

「ありがとう!」


 渡して貰ってナリスに持たせる。適当に進んだところでサッと自分のポーチにね。

 次は粉物だね。

「小麦粉買う」

 少し歩く。

「この辺りだな」

 



時系列整理 年明け以降

1月1日 ロルフたち鎮魂の森を出発

アイルがミュシュランテスを降りて麓の村に着く


1月2日 麓の村をナリスと出発


1月6日 ロルフがフィーヤ着

アイルがレイニアに着く。馬車を買う


1月7日 ロルフがフィーヤ発 イグ・ブランカ着

アイルが布を仕入れて町を出発

ライラたちが襲われる

ゼクスと王都にロルフから手紙が届く


1月8日 ロルフたちがイグ・ブランカを出発

魔術師団がゼクスに出発


1月9日 アイルがハク、ブランと再会


1月10日 ミュジークと捕虜を解放

アイルが村が救う


1月11日 魔術師団がゼクスに到着

近衛騎士たちが村を出発

アイルたちが村を出発

 

1月13日 イーリスたちがイグ・ブランカを出発


1月16日 アイルたちが街に到着


1月18日 ロルフたちがフィフスに到着


1月19日 ロルフたちがゼクスに到着


1月21日 ロルフたちが死の森に行く

イーリスたちがアレ・フィフスに到着


1月22日 イーリスがゼクスに到着


1月23日 アイル捜索隊がゼクスを出発



*読んでくださる皆さんにお願いです*


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