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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第4章 転移の真実

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246.ノームの事情

しばらくアクセス出来ず…投稿が遅くなりました…

アクセス障害ですかね?

 まさか最後の一人なんてね、良く頑張ったね。寂しかっただろうに。

 その体を抱きしめてたくさん魔力を送る。

 イリィやベルにも頼まないと。

「アイ、もちろん協力するよ。家族の生活を支えてくれる坑道だからね」

「ありがとうイリィ」


 当たり前にイアンの側にたって発言するアイルだ。イアンはとても嬉しかった。まるで我が事のように考えてくれるアイル。素敵な人が僕を見つけてくれた。良かった。たくさん役に立たなきゃ。


「ユニミがここに来たかったのはノームの気配を感じたからか?」

『それもあるわよ』

 それも?

 ユニミは優雅に浮かぶとふわりと移動する。ついて行くとある場所で止まった。しっぽを一振り。


 ズドドンッバラバラッドンッ…


 はい?凄い煙が視界を覆う。防がなきゃと思ったけどモヤッとしていたそれはこちらにくる前に霧散した。

 はいぃ?

 煙が晴れたそこにはキラキラしたものが…。

 素早くロリィがキラキラのそばに行く。こういう時のロリィは本当に躊躇いがない。

「これは、凄いぞ!」

 ロリィが珍しく感情を昂らせている。

 それもそうか。そこには輝く銀色の塊がたくさん落ちていたのだから。

 またなんてもん見つけるんだよ…。


(掘るぞ)(掘るぞ)

(たくさん掘るぞ)(ユニミ様の贈り物)

(幻獣様のお宝)(アイル様に恩返し)

((たくさん掘るぞ))


「たくさんは要らないよ?ほどほどだよ、程々にね!やり過ぎはダメだよ?」


「くすっ」

「くふぅっ…」

「ふふぅっ」

 誰だ?って、イリィにロリィにエリか。笑い過ぎじゃない?

「「「やり過ぎって…自分のこと棚に上げて…」」」

 私はちょっとオリハルコン見つけただけだよ!

「「「アイルだから」」」

 後ろで固まってた探索者コンビと軍人コンビまで。酷いな。

「しかし銀か…」

 ダーナムが呟く。

「しかも、かなり純度が高い…」

 ロリィ、それを言っちゃうの?


(アイ、ビクトルは何て?)


 まだ見てない。


(幻獣ユニコーンの秘宝 純度98%の銀 色艶共に最高品質)


 ユニコーンの秘宝…何も見えなかった。


(ユニコーンの秘宝 長い年月をえて形作られた最高品質の鉱物の総称 銀 金 白銀のみにつかわれる)


 うわぁビクトル、何で見せるのー。見なかったことにするつもりだったのに。


(アイ?)

(イル…ビクトルは何て?)


 これどうしたら?もうユニミの期待に満ちた目よ。


(幻獣ユニコーンの秘宝 純度98%の銀 色艶共に最高品質

 ユニコーンの秘宝 長い年月をえて形作られた最高品質の鉱物の総称 銀 金 白銀のみにつかわれる)


 伝えたよ?誤魔化さずに。イリィもロリィも固まった。だよね?共犯だよ?


(アイ、だから…)

(イルはまた…)


 私じゃないよ?


「で、どうするんだこれ?」

 シグナスが聞く。どうしようかな?ロリィを見る。

「ここにいるみんなで山分け、かな。イズワット、森人、エバルデル伯爵家にアフロシア侯爵家、それからイル…。探索者の2人には私から特別報酬、かな」

「ダーナムとシグナスはどちらにしてもダナン様に報告だよな?」

 2人は頷く。

「護衛として参加しただけで、山分けは流石に貰いすぎかと。少しは貰って、後は取引の優先権を貰えればいいのではないか、と愚考する」

「そう、かもね。イルはきっと拘らないから。ダナン様に知らせて?」

「「はっ!」」


「にしてもな、やっぱりアイルのやらかしがとんでも無いな」

「これで本人は至って好人物とか意味不明だな」


 聞こえてるからね!こら、みんな頷かないの。


「いや、本当に。こんなに楽しい依頼は初めてだ」

 サリナスまで。

「スーザンのお気に入り…」

 ブラッドはブレないな。

「「何にしてもやらかしが酷いよな」」

 声を揃えてまで言う事?もう…不可抗力だよ。


「いやー本当にいいものだな!」

 ガロンが感心している。ノームたちはさっさと壁や天井に張り付いて銀を量産中。

 いやいや、程々にね?程々だよ!

 私の心の声も虚しくせっせと掘っている。その姿が余りにも楽しそうで何も言えなかった。

 だって消滅するところだったって。だからもう、好きにさせることにした。


 ガロンのそばには坑道に似つかわしくないイズワットの少女がいた。そのガロンを見る目は輝いていてあれ?って思った。

 後で2人が結婚したと聞いた時は驚いた。世の中年よ、諦めるべからず。

 少女がガロンを慕って押しかけて、既設事実を作ったんだって。まさに押しかけ女房だ。なんて行動力。

 逃げて来た夫婦もの意外には唯一の独身女性だった。

 めでたいね?  


 そこにお父様とシア兄様とベルがやって来た。

「「「これは…」」」

 ベル以外の2人の目がユニミに釘付けだ。

 さっと胸に手を当てて頭を下げる。ん?どうしたの?

「「時を司る幻獣ユニコーン様…お初にお目にかかります」」

『白の森の守り人ね、ユニミよ!頭を上げて』

「「ユニミ((ダッサ…))」」

『仕方ないでしょ?主が、ユニユニ言うから…』

 私を恨めしそうに見る。だってね、まさかそんな名前になるとはね?

「「主?」」

『アイルよー』

「「やっぱり」」


 やっぱりって何?いつもやらかしてる痛い子みたいじゃないか。ちょっと不貞腐れてやる。

「いつもやらかしてるからね、アイル」

 朗らかにベルが言う。あ、酷いよ。

 笑いながら側に来てサッと頬にキスをした。早業だね?

 ベルがノームたちと足元の輝きを見る。

「今度は何をやらかしたの?」

 だから私じゃないよ?

『銀よ!私からの贈り物ー』


「まさか、ユニコーンの秘宝…」

 お父様は流石に詳しいな。でも知らないフリだ。

「「ユニコーンの秘宝」」

 ガロンとエリの声が被る。知らないよー。

 ハクの首毛をもふる。今日ももふもふだねー。可愛い。首に顔を埋める。撫で撫で…。

 遠慮がちにエリが

「アイル、ユニコーンの秘宝なのか?」

 さぁ?知らないなぁ。

「アイル!」

 真剣な声で言われて渋々顔を上げる。そして驚いた。エリが泣いている。

「エリ、どうした?」

 焦ってその涙をそっと拭う。


「ユニコーンの秘宝。一度でも目にしたら祝福を賜るという伝説の宝だ」

 …そうなの?ユニミを見る。ドヤ顔だ。マジか…。

「イズワットにとっては最高の出会いであり、祝福なんだ」

 またユニミを見る。しっぽを振っている。そういう事か。私は踊らされたって感じか。言ってくれればいいのに。


「良かったな、エリ。後でヨナにも見せたらいいよ」

 エリはコクンと頷くと抱きついて来た。

 ありがとうと何度も言いながら。

「それはユニミに言ってあげてな」

 頷いて私から離れるとユニミに近づき、そっとその首を撫でた。

 ユニミはとっても嬉しそうだった。それなら始めからエリと契約したらいいのに。


『色々な制約があるんだよ』

 ハクが教えてくれる。なら私は?

『アルはね、もうたくさん身近に聖なるものがいるから。増えても影響は無いんだ』

 何それ?

『人はね、力を手に入れると変わってしまうんだ。変わらないアルの方が珍しい』

 エリはそんな子じゃない。

『エリアスはそうだね、主に制約にかかわる』


 良くわからないけど、仕方ない。密かにため息をついたのだった。

 なんだか都合よく使われた感じはあるけど、私がいない間のイリィを守ってくれるし。転移も帰れるようにしてくれたし、結果オーライなのかな。

 銀とか金なら欲しいって思ったのがいけなかったのかも。


 まぁここの暮らしを支えるのには、貴族家との直接の取引がいいのかな?

 ロリィを見る。

「国への報告は必要…」

 だよね。

「その報告は私がしよう。今までも白の森の事でやり取りがあったからな。任せなさい。ところで、ここにも名前が必要だと思うのだが」


 それは思ってた。

 イズワット、イグニシア、白の森…白は確かポルトガル語?だったかな、でブランカ。森ならヴァルツがドイツ語。

 んー、イグ・ブランカとかどんな感じだろう。

 顔を上げるとみんなが私を見ていた。ん?どうした?


「「アイルは考えなくてもいいぞ」よ」

 …ユニミの事だな。ちくせう、あれは事故だよ?

「う、うん…その念の為、もし思いついたのなら…教えてくれるかい?」

 私はイリィとロリィをチラッと見る。

(あのね、エリたちの国と後は森をね、あちらの世界の言葉…私の国とは違うんだけど。そこの言葉を繋いで、イグ・ブランカとかどうだろう?)

 チラ見しながら念話する。自信も無いし、不安だからついもじもじしてしまう。


 イリィは少し驚いた顔で、ロリィは目を伏せて深く考えて…

((凄く、いいよ…))

(ほんと?提案しても笑われない?)

((大丈夫!))

 私はお父様を見る。

「アイル君、教えてくれるかな?」


「イグ・ブランカ…エリの国と、遠い国の言葉でブランカは白…」


 しばし沈黙が落ちる。やっぱりダメか…しょんぼりと下を向いているとふわりと抱きしめられた。

 えっ…?エリ?なんで泣いてるの?困惑しつつもその背中をトントンする。

「嬉しい、よ…国の名を…」

「でも、みんな反応しないし…なんかごめん」


「「素晴らしい!!」」

「素敵な響だ」

 お父様、シア兄様にベル。


「なんとも素敵な名前じゃ無いか!」

「カッコいいぞ!」

 サリナスにブラッドも。

「町としての格が上がるような、価値のある名だ」

「誇りに思えるだろうな」

 ダーナムにシグナスも。


「アイル様…なんというお優しい…」

「アイルお兄ちゃん…ありがと」

 キリウスもヨナも泣きながら小さく呟く。

「大層な名前に負けちゃいらんねーな!」

「そうですね、親方」

 ガロンも少女も目を輝かせている。


「いいの?」

「その名前ももちろん素敵だが、何よりアイルの気持ちが嬉しい」

「私たち森人も同じだよ」

 エリとお父様が言ってくれる。

「良かった。ユニミで散々ダッサとか言われたからさ…自信無くしてたんだ」

「まぁ、ユニミはね…」

『失礼ね!私のご主人が必死に考えてくれたのよ?もう…』

「あのさ、ユニミって少し言いにくいし、ニミって読んだらどう?」

『あらぁ可愛いわねー、ぜひそうして』


 ヨナの提案に飛びついたユニミ改めニミ。少しは可愛くなったか?いや、そのね…声は普通に渋いんだけどね?

「ニミって可愛い!」

 すかさずベルが反応。こういう時にベルの存在に救われる。

 こうして町の名前も、そしてユニミの愛称も決まったのだった。


 その後は各自解散。だってもう夕方になってたからね。

 ニミは箱庭に行きたがった。ニミは食堂で食べられないから今日は箱庭で食べることにした。

 食事の用意はしてあって、ならばと食事を受け取って私だけ箱庭にいる。

 もちろんハクたちも一緒だ。

 ニミは箱庭に入ると

『凄いわね…自分意外の箱庭に入ったのは初めて

 よ!』

 待って待って、入れるの?

『当たり前よ、時と空間を司るのよ?』

 なるほど…なら箱庭(ここ)に入らなくても良かったんじゃないの?

『だって凄いことよ?人が箱庭を作れるなんて。ましてや入れるのよ。人間やめてない?』

 まさか…。ハクを見る。そっと目を逸らした。えっ…ブランを見る。羽つくろいしてる。ナビィを見る。耳を後ろ脚でかいてる。

 ミストを見る。しっぽを振ってる…可愛い。

 じゃなくて、ハク!何か知ってるの?

洞察力ビクトルで見たらー?』




※読んでくださる皆さんにお願いです※


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