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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第4章 転移の真実

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235.箱庭の夜

 そう言えば結局、夜は時間経過がどうだったんだ?

「ロリィ、夜は…いや朝か。普通だった?」

「そういえばそうだね…」

「寝てると時間経過は遅くならないとか?」

「…そこで元の時間と、合うようになるのかな…」

「うーんイアンに聞かないと分からないか?」

「ビクトルは?」

 あ、そうか…でもどうやって?考えていたらビクトルが応えてくれた。


(箱庭の時間経過は起きている時に外の時間の10分の1になる 

 半日ごとに外の時間と整合する 

 寝ている間も同じく外の時間に合わせる)


 そうなんだ?それはなんか…親切だね。


(外との時間と乖離させない為に、アイルが無意識にそうしている)


 あ、そうか…普通は箱庭に入らないもんな。


(時間経過を遅くするのもアイルの願望による)


 ぶっ…マジですか。箱庭が優秀過ぎるわ。全力で空気を読みに来てるな。


「イル?」

 私はビクトルの解説を話す。エリが?な顔をしているので

「ビクトルは私のスキルで、洞察力…その名前だよ」

「スキルの名前?」

「スキルの人格?スキル格?の名前」

「スキル格?」 

「始めは知りたい情報だけを伝えてくれてたんだけど、その内に相手の感情を読み取ったり提案をするようになって…名前が貰えたらもっと頑張れるって言われてね?で、名付けた」

 エリはもうなんか理解が追いつかないって顔をしている。

「リアス、諦めて…そもそも洞察力はハクの神眼並みの、物によってはそれ以上の情報が得られるスキル」

「えっ…神眼よりも?えぇ…」


「驚くよね?でもそれがイル」

 うんうん頷くエリ。

『アルだからねー』

『ねー』

 こらこら、ハクとナビィで可愛く言わないよ?もふらせて…撫で撫でもふもふさわさわチュッ。

 スンスンまふん…やっぱり首毛は最高だね。


「スキルもだけどね、ジョブもね…」

「あぁ、色々作ってる?」

「そう、もちろん知識があっての話だけど…色々ね?」

 エリはまた頷く。知らないなぁ、ハクの首毛に埋もれて聞こえないし。


『ハク、転移って魔法?』

『空間魔法だね…あちらとこちらの次元を歪めて繋ぐんだ。自分の構成要素はそのままだよ』

『構成要素?』

『うんとねー自分をバラして再生みたいな方法もあるんだ、霧みたいに溶かして空間を飛び越えるような…』

『ごめん、さらに分からない』

『説明が難しいな…とにかく、空間魔法。アルも使えるよ』


『距離は?どれだけでも行けるの?』

『距離は魔力に依存する』

『単純な魔力だとダメか、そこまで多くないし』

『ジョブに絡めたらいけるでしょ?』

『でも空間魔法はジョブではないよ』

『作ればいいんだよ、ジョブを使って転移するように。空間魔法である必要はないから。転送装置みたいなもの』


 あ…なるほど。ジョブで転送装置を作れば、それはジョブを使っている認定になって。魔力は常にフルとなるか?いけるのかな…。

『転送装置はアル側にだけあればいいように作ってー。そしたら何処にでも帰れる。ただ、場所とかの特定はいるはず』

『場所をイリィとして特定出来るようにすれば…分かった。ハクありがとう!』

 ハクは緩くしっぽを振っている。可愛くてもふもふで知識もあるなんてね、最強のもふんだよ。


『アイリー、私のスキル。アイリの元にって奴、応用したら?イーリスの所にいつでも転移出来るように』

『でもナビィのはスキルだよね?』

『スキルをジョブで作ればいいよ』

『えっ…』

『あらゆるものを生産…ものは物じゃないよね?』

 あ…ナビィ、ありがとう。そうだ、今までだって魔法を想像で使ってたじゃないか。あれはジョブで魔法を作っていたんだ。ならスキルをジョブで作れば…魔力は減らないのか?そこが問題だな。


『ナビィ、ジョブで作ったスキルを使う時。それがジョブを使ってる判定になるのかなんだよ。そうしないと結局は魔力依存になりそう』

『それは大丈夫だよー。アリステラ様に確認済み』

 いつの間に?でもそれなら色々出来る。

 ナビィ大好きだよ!ナビィの柔らかい耳を撫でてそこにキスをする。お腹も柔らかいし毛はふわふわだし…。ついでにお尻ももみもみ…可愛いね。


「イル?どうした…」

 あ、念話だから考え込んでるように見えたね。

「ハクとナビィと話をしてた」

「何かあった?」

「うん、少しね…」

 ロリィは私を見つめて

「また聞かせてくれる?」

「もちろん、形になれば」

 私の頬を優しく撫でてキスをして、肩を抱き寄せた。そのままロリィにもたれかかって

「重くない?」

「とても軽いよ…まだ戻ってないよね?」

 頷く。そのまま目を閉じた。頭にロリィの吐息を、頬には優しく撫でる手を感じながら。


「イル、イル…」

 うん?あれ、寝てた?

 目を開けるとロリィの顔が間近にあった。その長いまつ毛が触れるくらい近くに。驚いたのと美形のドアップにドキドキして頬が染まる。

 ロリィは軽く目を瞑ってキスをして…もうすぐ着くよ…と囁いた。私はゆっくりと体を起こす。かなり遠くに、拠点のシンボルであるツリーハウスが見えた。


「寝てた…重かったよね?」

「全然…柔らかくて嬉しかったから」

 ありがとうと伝えて馬車から外を見る。ハクは私にのしかかって口元を舐める。私は笑いながらハクを撫でて、ロリィの胸元にいるリツとアイリーンを撫でた。


 ぴぃ…


 リツは相変わらず謎の鳴き声だけどね。


 お昼を過ぎてしまったから遅い昼食を食べたらもう少し作りたいものがある。それをやって今日は終わりかな?

 やがて拠点に着いた。ロリィの手を借りて馬車から降りて(1人でも降りれるけどね?手を差し出されるから)ロリィの屋敷に入った。

 リベラが出迎えてくれる。

「お帰りなさいませ。お食事の用意が整っています」

 食堂に移動した。

 そこで軽めの昼食を食べて解散。イリィからは箱庭にいると念話があったので、そこで合流する。


 シュン


 箱庭は今日もいい天気だ。ハクたちも箱庭がお気に入りでまた走り出した。イリィは家の中かな?

 居間に入るとそこにイリィがいて、ルイを膝に乗せて作業をしていた。

「イリィ」

「アイ、お帰り」

「ふふっ昨日の夜から今朝まで一緒だったけどね」

「くすっそうだね」

 イリィが手を差し出すのでその手を取ってキスをする。

「何をしてたの?」

「アイにね、僕の物を持たせたくて…色々?」


 イリィの前には石がある。ん?魔力が…。

「ダメだよ?お楽しみなんだから」

「分かった」

 私はイリィの頭にキスして

「部屋で私も作業してる」

 と伝えて自室に向かう。今日はまず転送装置またはジョブで転移の研究かな。

 調味料も作りたいし、あ…何か交換日記みたいなな。

 手元の本にお互いの会話が残せるような…スマホのメッセージアプリ風なものを作れたら。後は写心かな?


 まずは転送装置。私からでは無く、イリィが私目掛けて。私からはジョブでなんとかなる気がするからね。

 常に私の元に魔力に寄らず来られる。

 そもそもナビィはどうやって私の元に来てるんだ?スキルではあるんだけど。

 待てよ、スキルなら作れる。それをイリィに付与?貸与?贈与?…どれが正解の中分からないかだ出来ればいいのか。


 いや、スキルは付けられるわけがないな。なら私にスキルを作って…イリィの意志で私のそばに来られるようなもの。うーん。難しいな。


(主の世界の電話 それを応用して声では無く姿ごと届ける機械を開発すればいい)


 どゆこと?


(機械を身体に組み込めば)


 それだとどちらかが応えないとダメだよ。


(追加機能で応えない場合は制限ありで飛べるように)


 なるほど。例えばおトイレ中とかお風呂中は制限を付けて目の前では無く近くに。

 例えば危機で危ない時は安全な近くの場所に、みたいな感じか。

 それなら出来そうだ。でも機械を身体に組み込むって痛そう。


(へそピ風のように身体に密着させれば痛くない)


 そうか、今でもお揃いのがあるからね。それと交換してもいいのか?

 もしくは足の指に付けるとか…。うん、想像したらダメな奴だ。絶対に萌える。

 二の腕に付けるのは作ったしな、後は太ももとか?うん、これも想像しちゃダメだな。だいたい、お風呂で外しちゃダメなんだからね?

 でもってイケナイ想像をしてしまった。イリィの可愛いあれこれをね…。ダメダメ。候補はへそピ風か足指だ。


 妄想を追いやって考える。そもそもスマホとかは電波によるやり取り(確か)だからな。電力が無くても電波は飛ばせる?波だから周波数。音波、光波…波、波…魔法を絡めるなら光波かな。それを応用して

 …で、やっぱり魔石とかなんだろうけどな。ダイヤモンドに魔力を込めて、お互いの魔力を起点にすれば。


 それからビクトルの知恵を借りながら試作品を作った。試さないとなんだけど…イリィにはまだ秘密だし、誰で試す?

 やっぱり人で試したい。ここはあの人しかいないかな。



あの人は誰でしょう?



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