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異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第4章 転移の真実

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231.ハンバーグ

 夕食はハンバーグになったよ。スープはあっさりとした塩味の、サラダは生野菜。

 前菜はキビを茹でてバターを乗せた物とハムのバジルソースがけ。

 サブメインが白身魚のソテーでメインがチーズ乗せ煮込みハンバーグのトマティ味。

 あふいっ…はふっはふして煮込みハンバーグを食べる。ローズマリーが入ってるから臭みが程よく消えている。だってね、オーク肉100%だから。やっぱりアクが強い。敢えて普通のひき肉にしてパン粉で食感を柔らかくしている。

 肉肉しいステーキ風のハンバーグなら粗挽きにして繋ぎなしでガツンとしたのを作るけど、こっちではステーキが普通に食べられてるからね。柔らかいハンバーグの方がいいと思うから。


 みんなの反応は?

 ロリィは目を閉じてしっかりと味わってるな、あの顔はかなり気に入ったようだ。

 イリィは頬を染めてハンバーグを見ている。そんなに?気に入ってくれて嬉しいよ。

 エリもその白い頬をわずかに染めて少しずつ口に運んでいる。綻んだ口元で分かるよ。気に入ってくれたんだね。


 ヨナはもう夢中で食べてるよ。子供も好きだよね、ハンバーグは。

 みんなのお皿が空になると何故か切なそうな顔をしている。ん?と思ったらキリウスとリベラがすかさず代わりのお皿を運んできた。

 えっまだ食べるの?ヨナと私以外はおかわりしてるよ。マジか…。まぁ気に入ってもらえて嬉しいよ。


 みんな上品なのに素早く食べ終えた。ロリィはナプキンで口元を拭うと

「絶品だね…イル、レシピ登録を」

「えっ?」

「アイ、これは必要なこと」 

 するとリベラが

「ソマリに聞きました。アイル様、卵を浄化する機械や肉を細切れにする道具も登録が必要かと愚考致します」

「イル?」「アイ?」「アイル…」

「「「後でゆっくり話を聞かせて…」」」

 怖っ。これはもう決定事項だよね?急いで頷いた。


 そして食後にはデザートが出てきた。もちろんソマリと作ったんだよ。生クリームがあるんだよ?卵も。なら作るしかないよね?イリィの為にも。

 皆の目がお皿に釘付けだ。そら白いクリームに挟まれたあれがね、果物も載せたし。ドヤっ。





 イルが考える食事はどれも目新しくてとても美味しい。おかわりまでして満足していたら、食後にまた何か出てきた。何だろ?

 白いクリームに黄色っぽい何かが層になっていて、さらにその中に色とりどりの果物が入っている。

 イルを見れば明らかに期待に満ちた目をしている。これは心して取り掛からなくては。


 僕はフォークを差し込む。ふわりっ。えっ?なんて柔らかい。危うくお皿に強く当ててしまう所だった。それを口に運ぶ。ふわっと優しい味が広がり、甘さと果物の酸味と甘さと、生地の柔らかさで一瞬で溶けた。

 凄い、何て美味しい。

 次は慎重にフォークを差し込む。口に運ぶ…柔らかくて甘くてでも甘すぎなくて。絶妙な食感と甘さと柔らかさ。完璧だ。これはもう芸術品では…。僕はまじまじと見つめている。


 ふと顔を上げると少し不安そうなイルの顔が見えた。僕は大きく頷いて

「最高に美味しい…」

 もうそれしか言葉がない。それを聞いてイルは恥ずかしそうにでも嬉しそうに微笑んだ。

 イル、本当に君はこんなにも能力があるのに謙虚で可愛らしい。ほんの少し得意げなのも可愛い。

 離したくなくなるよ?もう。

 こんなにも魅力的な君を悲しませてくはないからね、この世界で笑っていられるように。僕もたくさん考えるよ、僕の大切なイル。




 良かった。みんな残さず食べてくれた。ふふふっ、私は味見したしね。元々あまりケーキは好きじゃない。甘いのが苦手ではないけどね。作るのは好きなんだけどな…。ひとまず、時間のある限りはレシピをソマリに渡しておこう。イリィが私の故郷の味を好きになってくれるように。

 ほっこりしてたのにな…。

 食後に箱庭でまたロリィとイリィからお説教だったよ。だってさ…マヨが食べたかったし、ハンバーグも食べたかったんだから仕方ないよね?



 そして昨日に引き続きの妖しいお風呂が終わってぐったりして、また箱庭の検証と称した川の字寝をしたのだった。

 ちなみに並びはイリィ、私、ロリィ、エリだったよ。


 目が覚めると淡い金髪に銀髪…銀髪?急速に覚醒した意識で銀髪を見ると人型のハクだった。しかも全裸で私にくっついている。ハク…やめてもう、心臓が飛び出るかと思ったよ。

 ハクの目が開いて私を見るとふわっと笑った。

「おはようアル、体はどう?」

 えっ…いつの間に?

「ふふっ…そろそろ我慢できなくてね」

「ハク…」

 私は消えそうな声でやっと言う。みんながいたのに?恥ずかしい…。するとハクは耳元で

「大丈夫、みんなは睡眠魔法で眠らせてたから」

 そういう問題ではなくって睡眠魔法?なにそれ?

 ふふっと魅惑的な微笑みをする。


「イル、それはハク様?」

 ロリィが目をパチパチさせて聞く。

「やぁロルフおはよう、そうだよ」

「ハク様おはようございます」

「ハクでいいよ、一緒に旅に行くんだから」

「ではハクと」

 ハクはロリィの上から覗き込むようにその顔を見る。

「うん、ロルフもまあいい匂いがする」


 匂い?

「聖なるものが好む匂い」

「それは、嬉しい」

 ハクはそのままロリィの頬を撫でるとキスをした。ふわんっと緑に光る2人。えっ?

「ハク…今のは?あっ…」

 ハクはまたロリィにキスをするとその体を抱きしめた。

「ハク…んっ」

「ロルフ、大丈夫…力を抜いて」

 そのまま2人はしばらく密着していた。ロリィの手がハクの背中に回されてなんとなく2人の輪郭がボヤけたような?


 ハクはまたロリィにキスをすると離れた。ロリィは目を瞑っていて、少ししたら目を開けた。気怠げな、でもとても優しい顔で私の方を見る。

「凄いね、ハクは。魔力の交わりって…」

 ハクはロリィと交わったの?

「魔力循環だよ…昨日、アルともしたけどね?」

 それで体が軽いのか。


「ハクはその…裸は少し、朝からは刺激が」

 ロリィが目を伏せて言う。

「子供は出来ないけど、ロルフが望むなら体も交われるよ」

 ロリィは目を開いてから

「それはその…機会があれば」

 ハクは流し目でロリィを見ると淡く笑った。

「僕の1番はいつだってアルだけどね」


 それを聞いてロリィはもちろんと呟くと体を起こした。エリも目を擦って体を起こす。そこでハクを見て私を見てハクを見て顔を赤らめた。

 そらね、全裸で私に抱きついてるんだからね。毛布で下半身は見えないけどね?上半身は裸な訳で。

 私はイリィに抱きしめられハクに寄り添われてる状態。寝起きなら余計にびっくりだよね?


 ロリィが

「ハクの人型だよ」

 ハクはそのまま起き上がると(色々と隠して!)

 エリを見つめる。エリは頬をさらに赤く染めてハクを見る。そりゃね、起き上がったから毛布から下半身も出てね?色々と全開だから。目線が下半身に固定されてるよ。聖獣の人型なんて珍しいからね。


 ハクはそのまま立ち上がると(だから隠して!)エリの前まで行って止まった。あ、エリの目がハクのそれに…もう耳まで真っ赤だよ。ハクはエリの顎に手を掛けると屈んでキスをした。エリは驚きながらも無抵抗だ。長いキスの後、エリはハクの手を持ってそこにキスをした。

「エリアスもいい匂いだ。アルが交わるくらいだから当たり前だね」


 そう言って頬を撫でるとエリを抱きしめて首元に顔を埋めた。

「あっ…ハクさ、ま…うん…」

「くすっ可愛い反応だな…力を抜いて僕に体を預けて」

 エリはしがみつくようにハクに体を寄せる。またふわんと緑に光って…。暫くして放心したようなエリと満足そうなハクがそこにいて、最後に長いキスをして離れた。


「なかなかいい魔力だね…美味しい」

 ハクは裸のまま私のそばに来ると今度はまだ眠るイリィの顔を覗き込む。そしてキスをしようとしたので私が止めた。

「ハク、寝てるイリィはダメだよ」

「起きてたらいいの?」

「イリィがいいならね」

「分かった。イーリス起きて…」

 肩を揺すった。


 これ、ハク。起こさないの。でもイリィは目を開けた。何度か瞬きして自分を覗き込んでるハクに気がついて一瞬焦っていた。そしてハクだと認識すると私を見る。

「ハクがね…」

「イーリス、交わろう」

「えっ…」

 イリィは目をパチパチとすると頬を染めた。違うよ、そっちのじゃ無くて。

 ハクは魅惑的な微笑みでイリィを見てキスをした。頬を撫でながら

「そっちがいいの?」

「ハク!」


 イリィはまだ寝ぼけてるのか判断出来ないのか固まっている。

「それはその…まだ覚悟が」

「くすっあと13日しかないから、早めに言って」

 と言ってまたキスをして離れた。そのまま立ち上がると私を見て私を抱き上げて部屋を後にした。


 ハクは私の部屋に入ると私を抱きしめて

「アル不足でみんなを食べちゃう所だったよ?」

 私のせい?夜に交わったって。

「だからね、味見…でも足りない。昨日の夜ぐらいじゃあ全然足りない」

 これはみんなの為にも仕方ないな。うん、朝から魔力が混ざり合い重なり合って。皆に合流した。いやね、先に屋敷に戻っててって言ったから。

 そのままハクとお風呂に入ってから戻ったよ?




ハクは魂の契約者と交わることが本能的に必要です

アイルとの間にしか子は出来なくても行為は出来るという前提でした




※読んでくださる皆さんにお願い※


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