表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移 残りものでも充分です〜  作者: 綾瀬 律
第4章 転移の真実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

233/429

228.シャワーの謎

出発まで後14日…進まない

 あぉどうしたら…焦っても分からない。えぇーシャワー浴びるたびに頬を染めて目を潤ませるのは困るよ?ただでさえイリィと離れたら寂しいのに。


「無自覚?」

 エリに聞かれた。

「ここは私の魔力で維持してるからかな。ここにあるものは私の魔力によるんだね。水すら…はぁ」

「無自覚?」

 頷く。2度も聞かなくても。


 エリは透明な目で私を見ると頬に触れふわりと笑った。雪解けのような暖かな笑顔だ。

「やっぱりアイルだね」

 良く分からないけどね。ふとロリィとイリィを見るとイリィが真っ赤になってる。もしかして

「アイルに全身くまなく舐められてる感触だね…」

 いやぁーーー、そんな事したくっ…したいかも?

 いやいやいや、そんな浴室でそんな事しません!正しくベットでって考えた所でいや、何を考えてるんだ私は。正気に戻った。

「エリ、言い方…」

「間違いなく最適な言葉使いだよ」

 くっ…まさかそんな事になってるとは。


 イリィも置物になって終わった。そして私が呼ばれる。

 はいはい、私は自分の魔力だから大丈夫…。あれ?いやこれヤバくない?なんか吸い付くような…。明日速攻でイアンに相談だな。うん。いつも以上にロリィの熱がこもった洗いが終わり、代わりに私がロリィの体を洗っていく。

 シャワーっとするとロリィの頬が赤らんだ。無意識なのか、私を抱きしめて胸に顔を埋める。

「ダメ…イル。これ以上は。うんっ…」

 耳元で囁くロリィ。あの、離してもらえるかな、恥ずかしいよ。

「僕の方が恥ずかしいよ。そんな所まで…あっ…」

 声、声が!なるべくささっと流して終わりだ。ロリィの手を引いてお湯につかる。


「イルの魔力が…」

 やっぱりか…これはマズイぞ。

「う、うん…明日イアンに聞いて対処を…」

 すると3人とも首を振る。えっ?だってダメなんだよね?

「アイ「イル「アイルなら…」」」

 えっと、どうしたら?もう慣れてもらうか?

 こうしてお風呂がようやく終わった。


 さて、お水を飲んで解散だね!と思ったら

「アイ、昼間に言ったよ?夜にねって」

「イル、忘れてないよね…」

 もちろんですよ?忘れてなんか…いません。目が泳ぐ。

 その後はエリも加わってお説教でした。どうしてこうなった…。

 でそのままみんなで箱庭合宿ならぬお泊まり会となった。検証の意味もあってね。緊急避難的に使えるのかって話。だからお泊まり会だよ。


 私の部屋は狭いから客間にお布団を並べて敷いてね、誰がどこに寝るかで少し揉めたんだ。だって端がいいから。そしたら3人で話し合って何か手を合わせてしてて、後で聞いたらじゃんけんみたいなものだって。

 で、イリィ、私、エリ、ロリィの順番で寝ることになった。もちろん私とイリィはくっついてだよ?だってさ、夫夫だからね。

 イリィの柔らかいおやすみのキスを受けて私はイリィの温もりに安心して眠った。





 エリは今日のことを思い返していた。アルミの採掘の筈がミスリルまで見つかって、さらにノームなんて伝説の妖精にも出会って。

 普通、坑道なんて何ヵ月も掛けて調査してから安全策を練って掘るものな筈。それが数分で階段付きの竪穴が出来、横穴も出来た。鉱物を運ぶ荷車付きだ。しかも熱くない光。作業しやすいように頭に装着するやつだ。

 さらに道具も。ノミとハンマーは軽く叩くだけで採取出来る。魔力ブーストとか言ってたな。

 さらには毛織物の機械だ。難しいはずなのにいとも簡単に作ったよって。


 本当にアイルは能力が桁違いなのに無自覚だ。心配するイーリスの気持ちが良く分かる。

 そう思っていた。でもそれでは終わらなかった。

 箱庭だよ、箱庭。意味が分からない。固有空間って空間魔法だよね?今は誰も使えないって言われている。

 ノームに教えてもらったって聞いたけど。しかも入れるって何?

 素朴だけど温かみのある木の家と中には凄い道具があった。

 革新的なのは間違いないけど、何よりも全てのものにアイルを感じる。魔力で維持している空間だから当たり前なんだけど。


 あのシャワーってのは危険だ。アイルを感じるんだよ…あの温かくて優しいアイルの手や唇をお湯に感じる。恥ずかしさとでもそれ以上に喜びがあって。

 そしてイーリスの顔を見た。始めて見た本当の顔は凄かった。きれいって言うのは彼の為の言葉だって確信したよ。そしたらまだアイルの隠蔽でぼかしてあるって。えっ?今見えてるイーリスだって物凄い美形だよ。これ以上?勝てないな…色々と。


 僕はイーリスのその整った顔を見た。そしてあまり人には知られない方がいいと思った。

 でもイーリスは大丈夫だよ、エリアスは。と言う。だって君はアイしか見えてないでしょ?

 私は顔が熱くなるのを感じた。同時にすでに相手がいる人になんてお願いをしたんだろうと思った。


 イーリスに謝ろうとすると首を振られた。アイはね、仕方ないよ。そういう子なんだ。

 だからね、僕がそばにいられない時間はどうかよろしく頼むよ。ねぇ、例え命に替えてもアイを守って。

 真剣な目でそう言うイーリス。もちろん、そのつもりだ。僕の人生はアイルによって開かれた。だから僕は彼に自分の命を預けるよ。

 それがイズワットの愛し方だから。僕はしっかりと頷いた。


 イーリスは僕の頬を撫でると、素敵な笑顔だねと言ってくれた。そしてとてもきれいだよ、君は。顔や体だけじゃない、その魂がね。自信を持って、君はきれいだ。

 あぁ、アイルが心から愛する人はやっぱり凄いな。僕は心底感心したし、なんだか嬉しかった。




 目が覚めると淡い金髪。少し冷たいそれを撫でて軽くキスをする。ん?背中と首元があったかい。横を向くとハクが私にぴたりと寄り添っていた。首元にはブランとベビーズがわちゃわちゃしてた。これはまた最高だね?エリの私側にも何か…ミアかな?首元に丸まってるな。さらに奥、ロリィのエリ側にはデンッとナビィが横倒しで寝ている。豪快だね?ちゃっかりロリィの首元に鼻を当ててるよ。

 ロリィの壁側にはアイリーンとリツが入ったクッションが置かれている。

 いつもはロリィの服の中だからね。ん?あぁお風呂の時はちゃんとクッションの中で大人しく待ってるよ。

 あれ?ミストがいないと思ったらイリィの壁側でイリィの背中にくっついてた。しっぽが揺れてイリィの髪を撫でる。可愛いぞ。

 留守番組だからね、ミストは。

 幸せな目覚めで、でもこのままもう少しいたくてまた目を瞑った。


 次に目が覚めたのはイリィが動いたから。そしてハクも上から顔を舐めてきた。その首元をもふもふして背中も撫でる。イリィも眠そうな顔で私を見る。ふわりと笑うとおでこにキスをされた。

「おはよう、アイ」

「おはよう、イリィ」

 微笑みあってキスをする。そしたらベビーズたちが私の顔を舐めてきた。うわっ嬉しいけど…顔がべたべただよ。って思ってたらナビィがエリを飛び越えて私に突入して来た。受け止めるとしっぽをブンブンして顔を舐め回す。

 ナビィ、だから大きさね?大きさ。首毛で鼻が塞がれてる。ふぅ、危なかった。

 ゆっくりと起き上がるとロリィもエリも起き上がる。イリィは甘えた目で私を見る。はいはい、その背中に手を当てて起こす。


 エリアスは朝が弱いのか目をパチパチさせている。ロリィはスッキリと目覚めたようだ。前の日は顔色が悪かったけど今日は大丈夫かな。

「ロリィ、エリおはよう。良く眠れた?」

「みんなおはよう。イル、凄く良く眠れたよ…」

「おはよう。アイル(の魔力)に抱かれてたから…とても心地よかったよ」

 イリィもロリィも頷いている。ハクもブランもナビィもミストもだ。リツなんてピィ(うんうん)とか言ってるしね。

 でもね、エリ言い方ね?私が抱きしめて寝たのはイリィだけだよ?


 さぁ顔を洗って着替えようかな。今日の午前はソマリと料理についての打ち合わせだ。午後からはまた坑道かな。今日は軍人コンビと探索者コンビにも紹介するから。そしてイアンが作ってくれるアルミの試作品の確認。それが終わったら白の森に行く。魔力を注ぐかは決めてないけど。


 支度をしたら戻ろう。




※読んでくださる皆さんにお願い※


面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価ををよろしくお願いします♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ